カナダの飛行教育証明「Flight Instructor Rating」の取得条件まとめ

FLIGHT

飛行教育証明(Flight Instructor Rating)の取得条件

航空機の種類は飛行機、ヘリコプター、ジャイロプレーンなど様々ありますが、ここでは飛行機だけを扱っています。航空法(CAR)の421.69にて取り上げられている内容です。

カナダの飛行教育証明は、文字通り教官になるための資格で、そのグレードに応じてクラス4からクラス1までの4種類があります。

飛行教育証明のクラスの概要

クラス4:教官としての最初のクラスで、12ヵ月有効。CPLまでの免許とVFR OTT/Night Rating取得に向けた指導ができる。学生指導にあたってはクラス2以上の教官の監督が必要。
クラス324ヵ月有効で、監督下での指導は不要になる。
クラス226ヵ月有効で、クラス4教官の監督を行う。主任教官CFIになれる。
クラス1:教官としての最高クラスで48ヵ月有効。教官養成の訓練ができる。

      1. 飛行教育証明(Flight Instructor Rating)の取得条件
  1. クラス4
      1. 有効期間
    1. 前提条件
      1. 飛行教育開始条件
      2. 地上座学開始条件
    2. 知識
      1. 地上座学における知識の習得
      2. 筆記試験における知識取得の証明
    3. 飛行経験
    4. 技能
      1. 飛行実技検定を行う前提条件
      2. 更新のための飛行実技検定を行う前提条件
      3. 再検定のための飛行実技検定を行う前提条件
      4. 飛行実技検定に必要な航空機と装備品
      5. 飛行実技検定の実施
      6. 飛行実技検定での要求水準
      7. 検定内容
    5. 経験の転用
      1. 知識に関する経験の転用
      2. 飛行時間に関する経験の転用
    6. 国防省出身の申請者に対する経験の転用
      1. 知識に関する経験の転用
      2. 飛行時間に関する経験の転用
    7. 外国からの申請者に対する経験の転用
      1. 知識に関する経験の転用
      2. 飛行時間に関する経験の転用
    8. (参考)クラス4教官の監督要件
    9. 記録の保管
  2. クラス3
      1. 有効期間
    1. 前提条件
    2. 知識
    3. 飛行経験
    4. 技能
      1. 飛行実技検定を行う前提条件
      2. 更新のための飛行実技検定を行う前提条件
      3. 再検定のための飛行実技検定を行う前提条件
      4. 飛行実技検定に必要な航空機と装備品
      5. 飛行実技検定の実施
      6. 飛行実技検定での要求水準
      7. 検定内容
  3. クラス2
      1. 有効期間
    1. 前提条件
    2. 知識
    3. 飛行経験
    4. 技能
      1. 飛行実技検定を行う前提条件
      2. 更新のための飛行実技検定を行う前提条件
      3. 飛行実技検定に必要な航空機と装備品
      4. 飛行実技検定の実施
      5. 飛行実技検定での要求水準
      6. 検定内容
    5. クラス1または2教官によるクラス4教官の監督
  4. クラス1
      1. 有効期間
    1. 前提条件
    2. 知識
    3. 飛行経験
    4. 技能
      1. 飛行実技検定を行う前提条件
      2. 更新のための飛行実技検定を行う前提条件
      3. 飛行実技検定に必要な航空機と装備品
      4. 飛行実技検定の実施
      5. 飛行実技検定での要求水準
      6. 検定内容
  5. 飛行教育証明の更新について
      1. 更新条件
      2. 更新方法
  6. 飛行検定記録
      1. 維持管理
      2. 評価
      3. 技能改善措置
  7. 各種免許/資格の取得要件まとめ
    1. 関連

クラス4

有効期間

クラス4の飛行教育証明は、検定が行われた月から換算して、13ヵ月目の初日まで有効期間となる。

前提条件

飛行教育開始条件

飛行教育開始条件

クラス4の飛行教育証明取得のための訓練飛行を開始するにあたり、申請者は事業用操縦士免許CPLまたは定期運送用操縦士免許ATPLの少なくともどちらか一方を保有し、次のいずれかの条件満足していること。

飛行時間の要件

次を含む200時間総飛行時間

計器時間

20時間計器時間
うち10時間は計器飛行時間であること

CPL(A)/IRの取得

統合訓練課程における事業用操縦士免許及び計器飛行証明(CPL(A)/IR)を保有していること

地上座学開始条件

クラス4の飛行教育証明取得のための地上座学を開始するにあたり、申請者は事業用操縦士免許CPL筆記試験及び飛行実技検定合格してること。

知識

地上座学における知識の習得

次に示す科目について、飛行教育証明取得に向けた25時間地上座学を完了していること。

クラス4飛行教育証明の地上座学科目
  1. 学習の基本原理指導テクニックの実用的な応用法
  2. 指導計画の作成と使用法
  3. 事前地上指導飛行前後ブリーフィング飛行中指導の計画・教示要領
  4. 上空課目において必要な飛行理論
  5. 航空機の飛行マニュアルと運用制限
  6. パイロットの意思決定の考え方の教示
  7. カナダ運輸省発行の飛行教官ガイド飛行訓練教範カナダ航空法(CARs)の使用と飛行実技検定に向けた適切な計画と指導

筆記試験における知識取得の証明

クラス4飛行教育証明の筆記試験(AIRAF)において、70%以上の得点を取得すること。

飛行経験

同乗教育時間
  • 30時間同乗教育時間
  • パイロット技量全般と飛行教官ガイドに記載されるすべての上空課目の教示法について飛行機で教育
  • 最大5時間は、認定シミュレーターを使用した訓練時間が適用可
計器飛行の指導法

5時間計器飛行要領の指導法を含むこと。

技能

下記に則して行われる飛行機による機長として行う飛行実技検定合格すること。

飛行実技検定を行う前提条件

飛行実技検定の実施前に、検定官に次の各書類を提出する。

検定官に提出する書類
  • 飛行機のCPLまたはATPLの免許
  • 必要な教官訓練を完了したことを示す操縦訓練記録(PTR)
  • 受検者が、規則第421条「飛行搭乗の許可、免許と資格」の項目の第421.14項に定められる必要条件を満足していることの証明
  • 検定実施30日以内クラス1飛行教官資格を保有する教官により署名され、次の内容を含む推薦書
クラス1教官による推薦書に含まれる事項
  • 必要な飛行訓練及び地上教育を実施したこと
  • 受検者が検定の実施に推薦されていること
  • 受検者の検定受検に際し十分な基準に達していると認められること

カナダ軍での教官資格の経験の転用者や、取り決めのある国で発行された飛行教育証明の保有者に対する検定実施の際には、操縦訓練記録(PTR)の提出は不要である。

更新のための飛行実技検定を行う前提条件

更新のための飛行実技検定の実施前に、検定官に次の各書類を提出する。

【更新】検定官に提出する書類
  • 免許または許可証航空身体適性証
  • 受検者が、規則第421条「飛行搭乗の許可、免許と資格」の項目の第421.66項に定められる必要条件を満足していることの証明

再検定のための飛行実技検定を行う前提条件

先に実施された実技検定の結果により再検定となった場合、検定官に次の書類を提出する。

【再検定】検定官に提出する書類
  • 再検定実施30日以内クラス1飛行教官資格を保有する教官により署名され、次の内容を含む推薦書
クラス1教官による推薦書に含まれる事項
  • 受検者が追加の補備訓練を受けたこと
  • 受検者の検定受検に際し十分な基準に達していると認められること

飛行実技検定に必要な航空機と装備品

飛行実技検定に必要な航空機と装備品
  • 検定官は、受検者が次を提示することを確認する。
必要な航空機と装備品
  • 検定に使用する航空機が、規則第425条「飛行訓練」の425.23(1)~(4)の項目の要求に適合し、意図的なスピンに対応していること。
  • 外の視覚的目標物に頼らずに計器飛行状態を模擬できつつ、検定官に対しては安全な視界を確保できる効果的な手段(フード等)
  • 資格の更新に使用する航空機は、意図的なスピンに対応しているものである必要はない

飛行実技検定の実施

飛行実技検定を実施する際、検定官は以下の事項を実施する。

飛行実技検定の実施
  • 受検者に対して、教官としての要務内容を確認できる位置から飛行機を飛行させることを要求する。
  • 受検者がフードを着用している場合などに、安全を確保する操縦士としての責任を果たす。

飛行実技検定での要求水準

検定官は、受検者の次の知識と技能を評価する。

飛行実技検定での要求水準
  • 学生が理解できる水準に達している場合には、学習に関する要素を適用しつつ、指導テクニックを駆使し、よく起こり得る軽微な間違い操作だけでなく、重大な間違い操作も含む教示を行うこと。
  • 学生をうまく惹きつけるような指導法を活用すること。
  • 軽微な間違いについてのみ、学生に技術的な情報を教示すること。
  • 飛行時の運動における間違いを認識し、改善に向けた方策を示すこと。
  • 訓練や検定に関して、正しい知識を適用すること。
  • よく起こり得る小さな間違いを許容しつつ、飛行時の必要な運動を安全に行うこと。

検定内容

飛行実技検定内容
1 飛行前

a. 訓練の全体的な計画と組み立て
b. 地上における事前指導
c. 飛行前ブリーフィング

2 飛行中

a. 飛行技量
b. 指導技量
c. 学生のパフォーマンス分析

3 飛行後

a. 飛行後ブリーフィング

経験の転用

知識に関する経験の転用

他種の教証、ATPL、教員免許保有者の免除事項

ヘリコプター、ジャイロプレーン、滑空機、気球または曲技飛行における飛行教育証明を保有している申請者と、定期運送用操縦士免許ATPLを保有する申請者、各州で発行された教育に関する証明を保有する申請者は、25時間必要な地上座学時間のうち、10時間分は修了しているものとみなされる。

ヘリコプター教育証明保有者の免除事項

24ヵ月以内の期間にヘリコプターでの飛行教育証明を保有している申請者は、筆記試験合格しているものとみなされる。

飛行時間に関する経験の転用

ヘリコプター教育証明保有者の免除事項

ヘリコプターでの飛行教育証明を保有している申請者は、30時間必要な同乗教育時間のうち、5時間計器飛行要領の指導法の時間を含む10時間分の同乗教育時間を満足しているものとみなされる。

ATPL保有者の免除事項

ATPL保有者は、30時間必要な同乗教育時間のうち、10時間分の同乗教育時間を満足しているものとみなされる。

国防省出身の申請者に対する経験の転用

知識に関する経験の転用

カナダ軍ヘリ教官の免除要件

カナダ軍のヘリコプター教官資格24ヵ月以内に保有していた申請者は、25時間必要な地上座学時間のうち、10時間分は修了しているものとみなされる。

カナダ軍単発機教官の免除要件

単発飛行機の訓練指導ができるカナダ軍の認定教官資格(QFI)24ヵ月以内に保有していた申請者は、25時間必要な地上座学時間のうち、15時間分は修了しているものとみなされる。

飛行時間に関する経験の転用

カナダ軍単発機教官の免除要件

単発飛行機の訓練指導ができるカナダ軍の認定教官資格(QFI)24ヵ月以内に保有していた申請者は、30時間必要な同乗教育時間のうち、15時間分は修了しているものとみなされる。

外国からの申請者に対する経験の転用

知識に関する経験の転用

締約国ヘリ教官の免除要件

取り決めのある国におけるヘリコプターの教育証明24ヵ月以内に保有していた申請者は、25時間必要な地上座学時間のうち、10時間分は修了しているものとみなされる。

締約国飛行機教官の免除要件

取り決めのある国における飛行機の教育証明24ヵ月以内に保有していた申請者は、
25時間必要な地上座学時間のうち、15時間分は修了しているものとみなされる。

飛行時間に関する経験の転用

飛行時間に関する経験の転用

取り決めのある国における飛行機の教育証明24ヵ月以内に保有していた申請者は、30時間必要な同乗教育時間のうち、15時間分は修了しているものとみなされる。

(参考)クラス4教官の監督要件

クラス4の飛行教育証明の保有者は、クラス1またはクラス2の飛行教育証明の保有者による監督の下で学生指導を行い、監督教官に対し、所見として次の各書類を提出すること。

クラス4教官が監督教官に提出するもの
  1. クラス4教官の指導により訓練が行われる学生に対する訓練計画
  2. 少なくとも最初の単独飛行前と免許発行に際しての飛行実技検定前に1回を含む、監督教官が指定する適宜のタイミングで実施される飛行訓練に関する進捗状況の確認
  3. 「直接監督下の教官訓練記録」の様式にそって記載される訓練状況の記録
  4. 学生の最初の単独飛行と、飛行実技検定にあたって学生の技量を承認し推薦するための飛行訓練記録(PTR)

記録の保管

クラス4飛行教育証明保有者は、「直接監督下の教官訓練記録」の様式にそって訓練が行われる全学生の訓練状況の記録を保管維持しておくこと。


クラス3

有効期間

クラス3の飛行教育証明は、検定が行われた月から換算して、25ヵ月目の初日までが有効期間となる。

前提条件

  • 申請者は、クラス4飛行教育証明を保有し、知識、飛行経験、技能の要件を満足していること。
  • 次に示す追加の知識、飛行経験、技能の要件を満足している場合は、クラス4飛行教育証明の保有の必要はない
クラス4の保有が不要な条件
  • カナダ軍における飛行機の飛行教官資格を保有していること
  • 取り決めのある国で取得した飛行教育証明の保有者で、次に示す各条件を満足する場合
取り決めのある国で取得した教育証明の場合
  1. 教育証明を発行した国とカナダが相互免除協定を正式に締結していること
  2. カナダとは相互免除協定を正式に締結していない国が発行した教育証明に基づいて発行された教育証明でないこと

知識

クラス3教官になるための筆記試験はありません

軍の教官または締約国の教官資格保有者に対する要件
  • 上記の2つ目の前提条件に合致し、750時間以上飛行教育時間を保有する申請者は、次を行うこと。
750時間以上の教官経験者に対する知識条件
  • クラス4で求められる各科目を含む地上座学を完了すること。
  • クラス4飛行教育証明の筆記試験(AIRAF)において70%以上の得点を取得すること。
  • 筆記試験の受検に際し、クラス1飛行教官による推薦書を入手すること。
  • 上記の2つ目の前提条件に合致し、300時間以上750時間未満飛行教育時間を保有する申請者は、次を行うこと。
300時間以上の教官経験者に対する知識条件
  • クラス4で求められる各科目を含む10時間地上座学を完了すること。
  • クラス4飛行教育証明の筆記試験(AIRAF)において70%以上の得点を取得すること。
  • 筆記試験の受検に際し、クラス1飛行教官による推薦書を入手すること。

飛行経験

同乗教育時間の要件

申請者は、飛行機における免許取得時の100時間同乗教育時間を証明すること。

免除条件

カナダ軍の教官経験者または相互協定国で教育証明を取得した申請者は、同乗教育時間の要件は満足しているものとみなされる。

技能

クラス3教官の技能要件
  • 申請者は、次に示す内容を示した「直接監督下の教官訓練記録」を完了すること。
クラス3の技能要件
  • 3人以上の学生を最初の単独飛行に認可したこと
  • 知識と技能の要件を満足した3人以上の学生を、許可証または免許取得のための飛行技能検定に推薦したこと
  • 最近10時間における学生指導の同乗教育時間において、上記の2要件50%以上で満足していること
  • カナダ軍の教官経験者または相互協定国で教育証明を取得した申請者は、さらに次に示す事項を完了すること。
軍の教官または締約国の教官資格保有者に対する要件
  • クラス1教官による同乗教育訓練プログラムを完了すること
  • クラス1教官からの飛行実技検定を実施に関する推薦書を入手すること
  • 下記に則して行われる飛行機による機長として行う飛行実技検定に合格すること
  • 上記の「クラス3の技能要件」に合致していれば、申請にあたってクラス4教官資格の有効期間が残っている限り、飛行技能検定受検する必要はない
  • 飛行技能検定記録について技能改善措置の対象となっている申請者は、クラス4から3へのアップグレード対象外である。

飛行実技検定を行う前提条件

クラス3飛行教育証明の発行に向けた飛行技能検定を実施する前に、検定官に次の各書類を提出する。

検定官に提出する書類
  • 受検者が12ヵ月以内クラス4の教育証明を保有していること
  • 飛行機のCPLまたはATPLの免許
  • 受検者が、規則第421条「飛行搭乗の許可、免許と資格」の項目の第421.14項に定められる必要条件を満足していることの証明
  • 検定実施30日以内クラス1飛行教官資格を保有する教官により署名され、次の内容を含む推薦書
クラス1教官による推薦書に含まれる事項
  • 必要な飛行訓練及び地上教育を実施したこと
  • 受検者が検定の実施に推薦されていること
  • 受検者の検定受検に際し十分な基準に達していると認められること

更新のための飛行実技検定を行う前提条件

更新のための飛行実技検定の実施前に、検定官に次の各書類を提出する。

【更新】検定官に提出する書類
  • 免許または許可証航空身体適性証
  • 受検者が、規則第421条「飛行搭乗の許可、免許と資格」の項目の第421.66項に定められる必要条件を満足していることの証明

再検定のための飛行実技検定を行う前提条件

先に実施された実技検定の結果により再検定となった場合、検定官に次の書類を提出する。

【再検定】検定官に提出する書類

再検定実施30日以内クラス1飛行教官資格を保有する教官により署名され、次の内容を含む推薦書

クラス1教官による推薦書に含まれる事項
  • 受検者が追加の補備訓練を受けたこと
  • 受検者の検定受検に際し十分な基準に達していると認められること

飛行実技検定に必要な航空機と装備品

飛行実技検定に必要な航空機と装備品
  • 検定官は、受検者が次を提示することを確認する。
必要な航空機と装備品
  • 検定に使用する航空機が、規則第425条「飛行訓練」の425.23(1)~(4)の項目の要求に適合し、意図的なスピンに対応していること。
  • 外の視覚的目標物に頼らずに計器飛行状態を模擬できつつ、検定官に対しては安全な視界を確保できる効果的な手段(フード等)
  • 資格の更新に使用する航空機は、意図的なスピンに対応しているものである必要はない

飛行実技検定の実施

飛行実技検定を実施する際、検定官は以下の事項を実施する。

飛行実技検定の実施
  • 受検者に対して、教官としての要務内容を確認できる位置から飛行機を飛行させることを要求する。
  • 受検者がフードを着用している場合などに、安全を確保する操縦士としての責任を果たす。

飛行実技検定での要求水準

検定官は、受検者の次の知識と技能を評価する。

飛行実技検定での要求水準
  • 学生が理解できる水準に達している場合には、学習に関する要素を適用しつつ、指導テクニックを駆使し、よく起こり得る軽微な間違い操作だけでなく、重大な間違い操作も含む教示を行うこと。
  • 学生をうまく惹きつけるような指導法を活用すること。
  • 軽微な間違いについてのみ、学生に技術的な情報を教示すること。
  • 飛行時の運動における間違いを認識し、改善に向けた方策を示すこと。
  • 訓練や検定に関して、正しい知識を適用すること。
  • よく起こり得る小さな間違いを許容しつつ、飛行時の必要な運動を安全に行うこと。

検定内容

飛行実技検定内容
1 飛行前

a. 訓練の全体的な計画と組み立て
b. 地上における事前指導
c. 飛行前ブリーフィング

2 飛行中

a. 飛行技量
b. 指導技量
c. 学生のパフォーマンス分析

3 飛行後

a. 飛行後ブリーフィング


クラス2

有効期間

クラス2の飛行教育証明は、検定が行われた月から換算して、27ヵ月目の初日までが有効期間となる。

前提条件

前提条件

申請者は、12ヵ月の間クラス3飛行教育証明を保有し、知識飛行経験技能の要件を満足していること。

知識

筆記試験

申請の24ヵ月以内に、飛行教育証明の筆記試験(AIRAT)70%以上の得点を取得すること。
※クラス4に必要なのはAIRAF、クラス2以上はAIRATの受検が必要

飛行経験

飛行教官時間

申請者は、飛行機において次の時間を含む500時間飛行教官時間を証明すること。

同乗教育指導時間

民間免許または軍の部内飛行資格取得に向けた400時間同乗教育での飛行教官時間

10人の検定への推薦実績

10人以上の免許取得のための飛行実技検定の推薦を行った実績
レクリエーショナルへの推薦も含むが、最大3人まで

カナダ軍飛行教官の免除条件

単発機における飛行指導ができるカナダ軍資格認定飛行教官(QFI)のカテゴリーA1またはA2資格の保有者は、PPLまたはCPLの検定に推薦する10人のうち5人分は修了しているものとみなされる。

技能

クラス2教官の技能要件
  • 下記に則して行われる飛行機による機長として行う飛行実技検定に合格すること。
  • 飛行技能検定記録について技能改善措置の対象となっている申請者は、クラス3から2へのアップグレード対象外である。

飛行実技検定を行う前提条件

飛行実技検定の実施前に、検定官に次の各書類を提出する。

検定官に提出する書類
  • 受検者が12ヵ月以内クラス3の教育証明を保有していること
  • 受検者が、規則第421条「飛行搭乗の許可、免許と資格」の項目の第421.14項に定められる必要条件を満足していることの証明

更新のための飛行実技検定を行う前提条件

更新のための飛行実技検定の実施前に、検定官に次の各書類を提出する。

【更新】検定官に提出する書類
  • 受検者が、規則第421条「飛行搭乗の許可、免許と資格」の項目の第421.66項に定められる必要条件を満足していることの証明

飛行実技検定に必要な航空機と装備品

飛行実技検定に必要な航空機と装備品
  • 検定官は、受検者が次を提示することを確認する。
必要な航空機と装備品

検定に使用する航空機が、規則第425条「飛行訓練」の425.23(1)~(4)の項目の要求に適合し、意図的なスピンに対応していること。

  • 外の視覚的目標物に頼らずに計器飛行状態を模擬できつつ、検定官に対しては安全な視界を確保できる効果的な手段(フード等)
  • 資格の更新に使用する航空機は、意図的なスピンに対応しているものである必要はない

飛行実技検定の実施

飛行実技検定を実施する際、検定官は以下の事項を実施する。

飛行実技検定の実施
  • 受検者に対して、教官としての要務内容を確認できる位置から飛行機を飛行させることを要求する。
  • 受検者がフードを着用している場合などに、安全を確保する操縦士としての責任を果たす。

飛行実技検定での要求水準

検定官は、受検者の次の知識と技能を評価する。

飛行実技検定での要求水準
  • 学生が理解できる水準に達している場合には、学習に関する要素を適用しつつ、指導テクニックを駆使し、よく起こり得る軽微な間違い操作だけでなく、重大な間違い操作も含む教示を行うこと。
  • 学生をうまく惹きつけるような指導法を活用すること。
  • 軽微な間違いについてのみ、学生に技術的な情報を教示すること。
  • 飛行時の運動における間違いを認識し、改善に向けた方策を示すこと。
  • 教官を監督するのに適した訓練や検定基準に関する知識を教示すること。
  • よく起こり得る特に軽微な間違いのみを許容しつつ、飛行時の必要な運動を行うこと。

検定内容

飛行実技検定内容
1 飛行前

a. 訓練の全体的な計画と組み立て
b. 地上における事前指導
c. 飛行前ブリーフィング

2 飛行中

a. 飛行技量
b. 指導技量
c. 学生のパフォーマンス分析

3 飛行後

a. 飛行後ブリーフィング

クラス1または2教官によるクラス4教官の監督

クラス4教官への直接の監督を行う場合、クラス1または2の教官は、以下を実施すること。

クラス4教官に対する監督内容
  • クラス4教官が飛行訓練教範指導ガイドに基づいて学生毎に作成する訓練計画確認し、承認すること。
  • 学生の進捗状況の確認査察を行う間隔を決めること。(初の単独飛行前と検定飛行前には必ず1回実施)
  • 学生の進捗状況の確認査察行うこと。
  • クラス4教官により学生が初単独飛行に認定された場合と、検定飛行の実施に推薦された場合の学生の飛行訓練記録について承認をし、署名を併記すること。
  • 学生の初単独飛行の認定と検定飛行の実施の推薦に関して、クラス4教官が作成する「直接監督下における教官の指導記録」を確認し、証明すること。

クラス1

有効期間

クラス1の飛行教育証明は、検定が行われた月から換算して、49ヵ月目の初日までが有効期間となる。

前提条件

申請者は、12ヵ月の間クラス2飛行教育証明を保有し、知識飛行経験技能の要件を満足していること。

知識

筆記試験

申請の24ヵ月以内に、飛行教育証明の筆記試験(AIRAT)80%以上の得点を取得すること。
※クラス4に必要なのはAIRAF、クラス2以上はAIRATの受検が必要

飛行経験

飛行教官時間

申請者は、飛行機において次の時間を含む750時間飛行教官時間を証明すること。

同乗教育指導時間

民間免許または軍の部内飛行資格取得に向けた600時間同乗教育での飛行教官時間

10人の検定への推薦実績

10人以上の免許取得のための飛行実技検定の推薦を行った実績
レクリエーショナルへの推薦も含むが、最大3人まで

技能

クラス1教官の技能要件
  • 下記に則して行われる飛行機による機長として行う飛行実技検定に合格すること。
  • 飛行技能検定記録について技能改善措置の対象となっている申請者は、クラス2から1へのアップグレード対象外である。
  • 技能検定において不合格となっている申請者は、クラス2飛行教育証明の復帰を果たすまではクラス2から1へのアップグレード対象外である。

飛行実技検定を行う前提条件

飛行実技検定の実施前に、検定官に次の各書類を提出する。

検定官に提出する書類
  • 受検者が12ヵ月以内クラス2の教育証明を保有していること
  • 受検者が、規則第421条「飛行搭乗の許可、免許と資格」の項目の第421.14項に定められる必要条件を満足していることの証明

更新のための飛行実技検定を行う前提条件

更新のための飛行実技検定の実施前に、検定官に次の各書類を提出する。

【更新】検定官に提出する書類
  • 受検者が、規則第421条「飛行搭乗の許可、免許と資格」の項目の第421.66項に定められる必要条件を満足していることの証明

飛行実技検定に必要な航空機と装備品

飛行実技検定に必要な航空機と装備品
  • 検定官は、受検者が次を提示することを確認する。
必要な航空機と装備品
  • 検定に使用する航空機が、規則第425条「飛行訓練」の425.23(1)~(4)の項目の要求に適合し、意図的なスピンに対応していること。
  • 外の視覚的目標物に頼らずに計器飛行状態を模擬できつつ、検定官に対しては安全な視界を確保できる効果的な手段(フード等)
  • 資格の更新に使用する航空機は、意図的なスピンに対応しているものである必要はない

飛行実技検定の実施

飛行実技検定を実施する際、検定官は以下の事項を実施する。

飛行実技検定の実施
  • 受検者に対して、教官としての要務内容を確認できる位置から飛行機を飛行させることを要求する。
  • 受検者がフードを着用している場合などに、安全を確保する操縦士としての責任を果たす。

飛行実技検定での要求水準

検定官は、受検者の次の知識と技能を評価する。

飛行実技検定での要求水準
  • 教官養成者に模範を示すような方法で、学習に関する要素を適用しつつ、指導テクニックを駆使しすること
  • 学生をうまく惹きつけるような指導法を活用すること。
  • 学生に対して正確で技術的な情報を教示すること。
  • 訓練や検定基準に関して非常によく理解していることを示すこと。
  • 飛行時の運動における間違いを認識し、改善に向けた多様で効果的な方策を示すこと。
  • 当日の条件下において圧倒的に理想的な方法で飛行の運動を行うこと。
  • 教官養成者に大事な知識と技能を示すこと。

検定内容

飛行実技検定内容
1 飛行前

a. 訓練の全体的な計画と組み立て
b. 地上における事前指導
c. 飛行前ブリーフィング

2 飛行中

a. 飛行技量
b. 指導技量
c. 学生のパフォーマンス分析

3 飛行後

a. 飛行後ブリーフィング


飛行教育証明の更新について

更新条件

次の条件を満足している場合に飛行教育証明の更新が行われる。

飛行教育証明の更新条件
  • 飛行技能検定に合格すること
  • コースの最終日に資格が更新されるような教官の再養成コースを修了すること
    (コースの最終日が既存の教育証明の有効期限の90日以内である場合、更新された資格は、それまでの資格の有効期限の前の月に更新コースが完了した場合と同じ日付まで有効)
  • 過去24ヵ月で、300時間飛行教官時間を取得し、その期間に飛行技能検定に推薦した学生の80%以上最初の受検で合格していること(更新の際にも5人以上の実績があること)
  • 教育証明の更新またはアップグレードのための技能検定が、有効期限の90日以内に実施された場合でも、更新された資格の有効期限は、有効期限の月に技能検定を行った場合と同じ日付まで有効

更新方法

飛行技能検定以外の手段2回連続で教官資格の更新を行った場合は、次回の更新時には飛行技能検定を行うこと。

資格の過去の有効状況に応じた更新方法は次のとおり

資格の過去の有効状況に応じた更新方法
  • 飛行教育証明が過去12ヵ月以内に有効である場合、更新の申請者は飛行技能検定に合格すること。
  • 飛行教育証明が12ヵ月以上24ヵ月未満の間で無効であった場合、更新の申請者は次を行うこと。
教育証明が12ヵ月以上24ヵ月未満の間で無効だった場合の更新
  • クラス1飛行教官資格の保有者により、申請者が飛行技能検定の受検に際して、十分な基準に達していることを認められる推薦書を提出すること
  • 飛行技能検定に合格すること
  • 飛行教育証明が24ヵ月以上無効であった場合、更新の申請者は次を行うこと。
教育証明が24ヵ月以上無効だった場合の更新
  • クラス1飛行教官資格の保有者により、申請者が筆記試験及び飛行技能検定の受検に際して、十分な基準に達していることを認められる推薦書を提出すること
  • 「知識」の項で示される飛行教育証明に関する要件を満足すること
  • 飛行技能検定に合格すること

飛行検定記録

維持管理

飛行検定に推薦する学生に関する学生飛行検定記録flight test recordは、次の内容を含む。

飛行検定記録の内容
  • 検定の各課目に関する結果の評価
  • 全体の結果
  • 合否に関する情報

評価

記録の内容が次のいずれかに該当する場合は、フォローアップアクション(技能改善措置)が必要となる。

技能改善措置が必要となる内容
  • 推薦した最近10人分免許取得のための飛行実技検定において、3人以上の不合格が生じた場合
  • 推薦した最近10人分飛行教育証明の飛行実技検定において、3人以上の不合格が生じた場合
  • 飛行実技検定への推薦実績が10人に満たない場合は、上記の合計3人以上の不合格が生じた場合

技能改善措置

  • 技能改善措置は、飛行検定の不合格者が、推薦した教官の指導内容に起因すると思われる場合に行われる。
  • 上記の因果関係が認められ、問題の範囲が特定されていれば、運輸大臣の命により、効果的に問題を取り扱うための技能改善措置が行われる。
  • 飛行訓練が認定の指導教範に基づいて行われているのであれば、フォローアップアクション計画は、教範に示される手順にしたがって主任教官が作成して実践する。
  • 上記の実施計画は、次を基準に作成すること。
技能改善措置の実施計画に含むべき内容
  • 飛行教官による飛行中または地上における学生指導要領の視察
  • 飛行教官が勤務する飛行学校の主任教官(CFI)との協議
  • 適切な指導者による補備訓練飛行または地上座学における指導

  • 計画の実施後に実施する5人の飛行検定のうち2人以上が不合格となった場合は、飛行実技検定の再実施を検討すること。

各種免許/資格の取得要件まとめ

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