2013年発効の初版「学習参考ガイド」をもとに、記事を作成しています。
他の免許や資格のガイドとは異なり、この飛行教育証明のガイドだけは何故かPDFでの公開がされていません。
飛行教官証明の受検に求められる知識要件
クラス4の飛行教官は、以下のような学生に教育を行うにあたって、出題される科目の内容には十分な理解をしていることが求められます。
クラス4飛行教官が指導できる学生
- レクリエーショナル操縦許可証
- 自家用操縦士免許 (PPL)
- 事業用操縦士免許 (CPL)
- 有視界飛行方式 (VFR) 雲上飛行資格
- 夜間飛行資格
上記の免許や資格の取得のために訓練する学生
クラス2またはクラス1の飛行教官は、他の教官を効果的に監督するため、必要な科目についてクラス4やクラス3の飛行教官よりも優れた理解を行う必要があります。また同時に、主任飛行教官の役割や管理事項についての理解も求められます。
特に、クラス1飛行教官は、飛行教官になるための指導も行うことから、学生を免許や資格に効果的に導くことができるかどうかを見極めるとともに、各科目について特に習熟をしておく必要があります。
飛行教育証明の筆記試験について
ヘリコプターのクラス4飛行教官の資格を24ヵ月保有している場合には、飛行機でのクラス4飛行教官の筆記試験要件は満足しているものとみなされ、受検の必要性は免除されます。
クラス3飛行教官になるための筆記試験は設定されていません。
クラス2とクラス1飛行教官になるための筆記試験は同一のものですが、合格点のスコア基準が異なります。
受検資格
カナダ航空規則(CARs)の第401.13(1)項では、筆記試験受検の条件として、次に示す条件が求められています。
筆記試験の受検に必要な条件
- 航空身体適性
- 身分証明証
- 受検者の訓練に責任を有する飛行教官による推薦状
飛行教育証明(AIRAF/AIRAT)の受検前提条件
- クラス4の飛行教官資格の受検者は、所要の飛行訓練内容の50%とすべての地上座学教育を履修済みであること
- クラス3以上の飛行教官資格の受検者は、所要の飛行訓練内容の50%を履修済みであること
筆記試験内容
科目は全部で3つに分かれています。
第1部: 航空法
個人の免許等と訓練
搭乗員の許可証 / 免許証 / 資格・証明
一般
401.03 搭乗員の許可証 / 免許証 / 資格・証明の取得要件
401.04 カナダ以外の締約国での登録機の搭乗員
401.05 更新要件
401.06 搭乗員の許可証 / 免許証 / 資格・証明の発行
401.07 外国の免許証の有効性
401.08 個人の飛行記録
401.09 搭乗員の許可証 / 免許証 / 資格・証明の要件に関する経験転用
試験
401.13 筆記試験の受検前提条件
401.14 飛行実技検定の受検前提条件
401.15 飛行実技検定の実施
401.16 飛行実技検定の不合格
401.17 資格更新のための飛行実技検定の不合格
学生操縦許可証
401.19 SPPの許可範囲
操縦許可
401.21 ウルトラライト機の免許範囲
401.22 レクリエーショナル機の免許範囲
自家用操縦士免許 (PPL)
401.26 PPL (飛行機) の免許範囲
401.28 飛行機やヘリの飛行に関して発生した費用の払い戻し
事業用操縦士免許 (CPL)
401.30 CPL (飛行機) の免許範囲と要件
定期運送用操縦士免許 (ATPL)
401.34 ATPL (飛行機) の免許範囲
飛行機の等級資格
401.38 資格/証明
401.39 資格範囲
航空機型式証明
401.40 包括式と個別式の型式証明
401.41 資格範囲
夜間飛行資格
401.42 資格/証明
401.43 資格範囲
VFR雲上飛行資格
401.44 資格/証明
401.45 資格範囲
乗客輸送資格(ウルトラライトプレーン)
401.55 資格/証明
401.56 資格範囲
飛行教育証明(飛行機とヘリ)
401.61 資格/証明
401.62 クラス4教官に対する監督要件
401.63 クラス1または2教官のクラス4教官に対する監督資格
401.64 クラス4教官の記録保管
401.65 有効期間
401.66 飛行教育証明の更新
401.67 飛行実技検定記録
飛行教育証明(飛行機)
401.69 クラス4教官の資格範囲
401.70 クラス3教官の資格範囲
401.71 クラス2教官の資格範囲
401.72 クラス1教官の資格範囲
飛行教育証明(ウルトラライト)
401.87 資格/証明
401.88 資格範囲
401.89 有効期間
401.90 ウルトラライト機の飛行教育証明の更新
飛行教育証明(曲技飛行機)
401.91 資格/証明
401.92 クラス2教官の資格範囲
401.93 クラス1教官の資格範囲
航空身体適性要件
航空身体適性
404.03 航空身体検査証明書(MC)の取得要件
404.04 航空身体検査証明書(MC)の発行、更新と有効期間
404.05 身体適性基準の柔軟性、制約と制限
404.06 身体検査証明の許可範囲に関する禁止事項
航空身体適性要件
404.10 個人免許における航空身体適性要件
身体適性
404.11 大臣検査
404.12 検査結果の再考察
飛行訓練
飛行訓練プログラム
405.11 飛行訓練プログラム
405.12 飛行訓練プログラム認定
405.13 飛行訓練プログラム概要
405.14 飛行訓練プログラム要件
個人と機体
405.21 飛行教官の資格
405.22 機体の慣熟
405.23 訓練機の要件
405.24 飛行場での飛行訓練
飛行訓練要務
405.31 訓練飛行のブリーフィング
405.32 訓練飛行の認定
405.33 操縦訓練記録 (PTR)
飛行訓練施設
一般
406.01 序説
406.02 適用
406.03 飛行訓練施設の運用許可の取得要件
406.04 飛行訓練施設の運用認定の保有適性
406.05 通知要件
認定・資格
406.11 飛行訓練施設の運用認定の発行
406.12 飛行訓練施設の運用認定の内容
406.13 飛行訓練施設の運用認定の一般条件
406.14 統合コースの品質保証プログラム
個人
406.19 整備担当の資格保有者の義務
406.21 主任飛行教官の任命
406.22 主任飛行教官の要件
主任飛行教官 (CFI) の要件
406.22.1 主任飛行教官補佐の要件
406.22.2 検定教官の任命
406.22.3 検定教官の要件
406.23 飛行教官の任命
406.24 地上教官の要件
406.25 運用要員記録
406.26 航空機の慣熟
航空機
406.31 機体登録要件
406.32 航空機の飛行権限
406.33 安全ベルトとショルダーハーネスの要件
406.34 チェックリスト
406.35 整備管理システム
406.36 整備管理システムの担当者
406.37 整備士と施設
406.38 整備管理マニュアル
406.39 整備調整
406.40 技術的派遣手順
406.41 不具合記録と修繕管理要領
406.42 使用支障報告
406.43 初等作業
406.44 サービシング
406.45 訓練計画
406.46 整備個人記録
406.47 品質保証プログラム
飛行訓練運用
406.50 運用管理システム
406.51 航空機運用要件
406.52 運用拠点の施設
406.53 航空機の派出
406.54 水上での運用する航空機
406.55 単独場外飛行経路
406.56 日施飛行記録
406.57 ジャーニーログ記載
406.58 遠隔訓練地での飛行訓練
マニュアルとコースの認定
406.61 飛行訓練運用マニュアル
406.62 訓練マニュアル
406.63 在籍認定
406.64 コース修了認定
訓練
406.71 運航個人訓練プログラム
統合コース
406.75 要件
406.76 前提条件
406.77 移行
第2部: 指導の要旨
指導の要旨
学習の要素
- 準備
- 優位
- 関係性
- 鍛錬
- 強度
- 効果
- 最新性
学習に影響する要素
- 教官の姿勢と態度
- 学生の姿勢と態度
- 学習曲線
- 個性の違い
- 異なる個性の問題と推奨行動
- 大人の学習の特徴
- 感情
感情の種類
- 穏やかな感情
- 強い感情
- 破壊的な感情
- 感情的逃避メカニズムの使用
- 記憶
- 学習の保持
事前準備
- 学習の目的
- レッスンプラン
- 教室の準備
- 視覚的機器
- 知識閾値テスト
プレゼンテーション
- 教師の役割
- 指導方法
- 発達的指導と誘導議論
- 教示と実演方法
- コンピューターを利用した訓練
批評
- 効果的な批評の特徴
- 批評の法則
評価方法
- 質問(効果的質問法と口頭出題の特徴)
- 筆記試験
- 実用試験
- 自己評価
飛行教育の技術と方法
- 操縦権の積極的な交替
- 飛行前ブリーフィング
- 飛行後ブリーフィング
- 地上準備指導
- 教示 / 実演方法
- 運動基準の訓練
- シナリオ基準の訓練
- 役割の実演
- シミュレーターや訓練装置の使用による指導
飛行教育(上空課目)
- 飛行機の飛行訓練マニュアル
- 飛行機の飛行指導ガイド (TP 975)
指導に関するヒューマンファクター
- 教官の役割
- 指導におけるヒューマンファクターの統合技法
- ヒューマンファクターの技術と態度に関する知識の評価
- 意思決定要領の指導
- 学生の意思決定の評価
コミュニケーション
- 良好なコミュニケーション様式
- 良好なコミュニケーションの表示
- コミュニケーション技術の発展
- 効果的なコミュニケーションへの障壁
第3部: 航空関連科目
航空関連科目
スレットエラーマネジメント
- スレットエラーマネジメントのモデル
- スレット(脅威)
- エラー(失策)
- 不慮の機体状態
- 対策
- クルーリソースマネジメント
- 単独操縦士リソースマネジメント
航空機飛行マニュアルと航空機運用制限
飛行教育証明の受検者は、事業用操縦士免許(CPL)の勉強参照ガイド (12881E) に示されている各科目の内容について、習熟していることを示すこと。
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