2019年3月更新の第11版の計器飛行証明用「飛行実技検定ガイド」を参照して作成しています。
飛行検定に関する共通事項
自家用操縦士免許(PPL)、事業用操縦士免許(CPL)、多発機飛行資格(Multi)、計器飛行証明(Instrument)、飛行教育証明(Instructor)など、飛行実技検定が必要な免許や資格/証明がありますが、その中でも検定に関する一般事項として、申請要領、採点方法など共通の事項については、下の記事でまとめていますので、こちらをご覧ください。
飛行検定課目一覧
INSTRUCTOR飛行検定課目一覧
1 全体的な計画と教育の編成
2 地上準備指導
3 飛行前ブリーフィング
4 飛行技量
5 教育技法
6 学生のパフォーマンス分析
7 飛行後デブリーフィング
検定に関する各種事項
前提条件や必要な準備品は、検定がクラス4の初回で行われるものなのか、もしくは更新やクラスのアップグレードのために行われるものなのかによって変わってきます。
初回受検時の前提条件
初回受検時の前提条件
- 署名 / 写真付きの身分証明書
- 飛行機の事業用操縦士免許(CPL)または定期運送用操縦士免許(ATPL)と有効な航空身体適性
- 次に示す飛行時間の証明
飛行時間に関する要件
- 20時間の計器時間(10時間以上の計器飛行時間)を含む合計230時間の総飛行時間
- 24ヵ月以内に受検した筆記試験での合格証明
- 必要な訓練の完了を示す認定された操縦訓練記録 (PTR)
操縦訓練記録 (PTR) で確認する事項
- 計器飛行技術の教育訓練を含む必要な同乗飛行教育の完了
- 飛行教育証明の取得に必要な地上座学の完了
地上座学の内容について
- 学習の基本原則と指導技法の実践的応用
- 教育計画の作成と使用
- 地上準備指導 / 飛行前ブリーフィング / 飛行中の指導 / 飛行後デブリーフィングの計画とプレゼンテーション
- 上空課目の指導に必要な飛行理論
- 航空機飛行マニュアルと機体の運用制限
- パイロットの意思決定要領のプレゼンテーション
- 飛行教官ガイド / 飛行訓練マニュアル / カナダ航空規則 / 飛行実技検定ガイドの使用
- 有効なクラス1飛行教育証明の保有者が30日以内に署名した推薦書で、次に示す内容を証明するもの
推薦書に含まれる内容
- 飛行経験に関する要件を満足し、必要な飛行教育と地上教育を完了していること
- 受検者が飛行教育証明の飛行検定の受検を完了する能力があると認められること
- 受検者が飛行検定の実施に推奨されていること
- カナダ軍で認定された部内の飛行教官 (QFI) 資格を保有している場合や、締約国で発行された飛行教官資格を保有する場合には、PTRの提出は不要です。
- 曲技飛行機の教育教官資格を受検する場合には、PTRを維持する必要はありませんが、個人ログブックに教官訓練に関する詳細を記録しておく必要があります。
更新とアップグレードの受検時の前提条件
更新とアップグレードの受検時の前提条件
更新またはクラスのアップグレードを行うために飛行検定を受検する場合も、カナダ航空規則 (CARs)の第421.14項に基づいて必要な要件を満足していることを証明する必要があります。
有効な飛行教育証明と12ヵ月未満の期限切れ
有効な飛行教育証明を保有している場合や、有効期限が切れていても12ヵ月を超えていない場合には、飛行実技検定を行うことによって更新することができます。
有効期日の90日前までに更新もしくはアップグレードを行えば、更新後は元の有効期限からの期間分で発行されます。ただし、飛行検定記録にしたがって「フォローアップアクション」の対象者となった資格保有者は、アップグレードの対象外となります。
更新またはアップグレードのための飛行実技検定が正常に完了し、申請を行う場合には、クラス1飛行教官による推薦書の提出は必要ありません。
飛行教官証明の期限切れが12ヵ月以上24ヵ月未満
飛行教育証明の有効期限切れになった期間が12ヵ月以上24ヵ月未満である場合には、更新を行おうとする申請者は、クラス1飛行教育証明の保有者から、申請者が飛行実技検定に合格する技量があると認められることを示す推薦を受ける必要があります。
24ヵ月以上の飛行教育証明の期限切れ
飛行教育証明の有効期限切れになった期間が24ヵ月以上の場合、更新を行おうとする申請者は、クラス1飛行教育証明の保有者から、申請者が飛行実技検定に合格する技量があると認められること及び筆記試験で求められるような知識要件を有していることを示す推薦を受ける必要があります。
検定不合格後の再検定
いずれかの科目で「F」の評価を得た場合には、検定は不合格となります。
不合格になった受検者は、再検定を受ける必要があります。
再検定にあたり、クラス1飛行教育証明の保有者から、受検者が追加訓練を完了し、再検定で合格できる技量を有していると認められることを示す推薦を受ける必要があります。
部分再検定はありませんので、すべての科目を再実施する必要があります。
検定に必要な機体と装備品の要件
検定に使用する機体の要件
- 左右席で完全に機能する操縦系統
- 受検者と検定官の間で音声通信を維持できる双方向機内交話システム
- 運用制限上、必要な全課目を実施可能な機体
- 意図的なスピンができる機体
- 適切な視野制限装置
飛行教育証明の評価と不合格事項
資格発行に関する要件
飛行検定では、どのクラスの受検の場合も全科目を実施します。各受検クラスと、検定で求められるレベルは次のようになっています。
クラス3飛行教官に求められるレベル
クラス3飛行教官に求められるレベル
教育技法
- 許容できるコミュニケーション能力を示している
- 頻繁に軽微なエラーやいくつかの重大なエラーがあるものの、学習要素と指導技法を適用している
- 教育事項や課目に必要となる基本的な予備知識を適用している
- 十分に理解させるような方法で、学生に技術的な情報を示している
- 指導と時間の使用について管理しようと試みている
- いくつかの例外はあるが、教育事項や飛行法を教示しながら効果的な教育的説明を示している
- 学生の関与をある程度得られている
- 教育事項や飛行法に関連する一般的な模擬エラーについて教示し、分析し、修正するための許容可能な能力を示している
- 訓練や検定標準に関する許容できる知識を有している
学生パフォーマンスの評価
- 学生の理解度を指導の大部分において確認している
- 学生の飛行操縦パフォーマンスの一般的なエラーのほとんどを特定し、改善のための戦略を提案している
飛行技量
- 事業用操縦士免許 (CPL) の発行に必要な技量水準から重大な逸脱をせずに飛行操縦を行い、飛行指導を実施している
- 訓練と検定標準に関する許容可能な知識を有している
監督に関する知識
- 学生の監督や学生記録の管理に関し、適切な管理知識を有している
- クラス3飛行教官の場合は、監督的アドバイスを取得する責任に関する知識、クラス4飛行教官の場合は、クラス1または2の飛行教育証明の保有者からの直接監督を受ける要件に関する知識を有している
クラス2飛行教官に求められるレベル
クラス2飛行教官に求められるレベル
教育技法
- 良好なコミュニケーション能力を示している
- 軽微なエラーもほぼなく学習要素と指導技法を適用している
- 教育事項や課目に必要となる基本的な予備知識を良好に適用している
- 軽微なエラーもほぼなく学生に技術的な情報を正確に示している
- 指導や効率的な時間の使用について良好に管理している
- 教育事項や飛行法を教示しながら、審査官による教唆を得ることなく、明確、簡潔、正確かつ完全で効果的な教育的説明を示している
- 学生を積極的に参加させている
- 教育事項や飛行法に関連する一般的な模擬エラーについて教示し、分析し、修正するための平均的な能力を示している
学生パフォーマンスの評価
- 学生の理解度を確認している
- 学生の飛行操縦パフォーマンスのエラーを簡単に特定し、改善のための効果的な戦略を提案している
飛行技量
- 事業用操縦士免許 (CPL) の発行に必要な技量水準から重大な逸脱をせずに飛行操縦を行い、飛行指導を実施している
- 訓練と検定標準に関する十分な知識を有している
監督に関する知識
- 主任飛行教官の責任について理解している
- 教官スタッフの監督に適した管理知識を有している
- クラス4飛行教官の直接監督のための規則要件についての十分な知識と理解を有している
クラス1飛行教官に求められるレベル
クラス1飛行教官に求められるレベル
教育技法
- 平均以上のコミュニケーション能力を示している
- 教官訓練生の模範となるような方法で、学習要素と指導技法を適用している
- 教育事項や課目に必要な基本的な予備知識の優れた適用を示している
- 正確かつ十分な知識で技術的な情報を学生に示している
- 指導や特に効率的な時間の使用について非常に良好に管理している
- 教育事項または飛行法を教示しながら、非常に効果的な教育的説明を示している
- 学生を特に積極的に参加させている
- 教育事項や飛行法に関連する一般的な模擬エラーについて教示し、分析し、修正するための平均以上の能力を示している
- 訓練技法と検定標準に関し非常によく理解していることを示している
- 新しい飛行教官の訓練に必要な知識と技量を示している
学生パフォーマンスの評価
- 学生の理解度を確認している
- 飛行操縦のパフォーマンスのエラーを簡単に特定し、改善のためのさまざまな効果的な戦略を提案している
- 飛行教官や訓練生として、ロールプレイによく適応している
飛行技量
- 事業用操縦士免許 (CPL) の発行に必要な技量水準から重大な逸脱をせずに、飛行操縦を行い、飛行指導を実施している
- 訓練技法と検定標準に関する特に優れた理解を示している
監督に関する知識
- 主任飛行教官の責任について理解している
- 教官スタッフの監督に適した管理知識を有している
- クラス4飛行教官の直接監督の要件に関する知識を有している
共通の不合格事項
共通の不合格事項
教育技法
- ためらったり、明快さが欠如していたり、言動やボディランゲージが一致せず合同性が欠如しているために、学生を混乱させてしまうようなコミュニケーション能力がみられる
- 学習要素と指導技法の適用方法が効果的でない
- 教育事項や飛行法の指導に必要な基本的な予備知識が教育的に適用されていない
- 危険な飛行状態になるおそれのある理解の欠如や誤解をもたらすような技術的な情報を地上や上空の指導で学生に示していると検定官に判断される
- 指導に関する管理ができておらず、時間の使用も効果的でない
- 教育事項や飛行法を教示しながら、効果的でない教育的説明を行っている
- 学生の関与を得られていないもしくは排除している
- 教育事項や飛行法に関連する一般的な模擬エラーについて教示し、分析し、修正するための能力が見られない
- 頻繁に重大なエラーが発生したり、教育事項や飛行法に関連する知識が欠如しており、訓練や検定標準に関する知識も欠如している
学生パフォーマンスの評価
- 学生の理解度をほとんど確認しない
- 学生の飛行操縦パフォーマンスにおける多くの一般的なエラーを特定せず、改善のための戦略を提案していない
飛行技量
- 事業用操縦士免許 (CPL) の発行に必要な技量水準から重大な逸脱をした飛行操縦を行いながら、飛行指導を実施している
- 訓練や検定標準に関する知識が許容できないレベルである
監督に関する知識
- 学生の監督や学生記録の管理に関する管理知識が欠如している
- クラス3飛行教官の場合は、監督的アドバイスを取得する責任に関する知識が欠如しており、クラス3飛行教官の見習い期間中もしくはクラス4飛行教官の場合は、クラス1または2の飛行教育証明の保有者からの直接監督を受ける要件に関する知識が欠如している
飛行検定の実施と課目
指導の実演を行う課目
受検者は、求められる全課目における準備を行う必要がありますが、時間的な関係で自家用操縦士免許(PPL)、事業用操縦士免許(CPL)、夜間飛行資格(Night Rating)、クラス4飛行教官資格の学生を指導するような想定で指定された訓練課目について指導の実演を行います。
検定官は平均的な能力の学生に対し指導を行う訓練シナリオを付与します。
学生の状況については、説明が行われるか、想定の学生訓練記録 (PTR) もしくはログブックが提供されて確認することになります。これをもって、受検者はその学生に対して適した訓練の計画を行っていきます。
クラス2または1へのアップグレード検定
クラス2飛行教育証明にアップグレードするための飛行検定では、主任飛行教官 (CFI) と監督者の責任に関する知識に対する評価が行われ、クラス1飛行教育証明にアップグレードするための飛行検定では、飛行教官になろうとする学生を訓練する能力の評価が行われます。
各フェーズでの指導の実演
飛行実技検定は、地上 / 飛行中 / 飛行後の3つのフェーズで構成されます。
天候状況や機体トラブルなどの予期しない事態が無ければ、通常の所要時間は半日以内とされています。
1 地上のフェーズ
初めの地上のフェーズでは、受検者は地上準備指導と予定する教育内容に適した飛行前ブリーフィングを行います。
検定官は典型的なやる気のある学生パイロット役として、教官からの質問に回答したり、教官の説明が大雑把な場合には質問をするなどして、この関係のシナリオをできるだけ現実的に維持するように努めます。
2 上空のフェーズ
飛行中のフェーズでは、検定官が通常学生が使用する座席 (左席) に着席し、受検者に対し
テストの地上フェーズの地上準備指導で指導を行った課目について上空でも指導させます。
課目の終了後は、その場で指示する他の課目についての指導を指示します。この課目の指導については、必要なすべての地上準備指導や飛行前ブリーフィングは完了しているものと想定して行われます。
ロールプレイの開始タイミングについては、受検者がランナップ作業に集中できるように、ランナップ後に開始されます。
3 飛行後のフェーズ
飛行が終了して帰投後、受検者は学生役検定官の上空でのパフォーマンスに対する飛行後デブリーフィングを行います。
4 検定内容終了後のフェーズ
飛行検定の所要内容をすべて終了後、検定官は受検者の検定内容のパフォーマンスに関するデブリーフィングを行います。この受検者の検定に推薦を行った飛行教官はこの報告会に立ち会うべきでしょう。
さまざまな状況に対応するために、ロールプレイングを時々中断する必要がある場合があります。
検定官は、ロールプレイが一時停止されているときと再開されたときを明確にする必要があります。
受検者が想定学生に対して行った教示や説明が、不完全、不明確、または結果が不確実であると検定官が判断した場合には、その指導事項や飛行法の全部または一部について再度実施するよう指示する場合があります。
検定官または受検者は、求められる技量が飛行教育証明の水準に達していないと判断された場合にはいつでも検定を中止することができます。
課目1:全体的な計画と教育の編成
1 全体的な計画と教育の編成
「全体的な計画と教育の編成」の目的
学生が必要とする訓練内容を見極め、必要性に合致した教育を準備、選択して実施すること
「全体的な計画と教育の編成」の概要
- 検定官は、自家用操縦士免許(PPL)、夜間飛行資格、事業用操縦士免許(CPL)、または飛行教育証明を取得しようとする学生役を実施
- 受検者は、この学生との飛行教育において、約1時間の上空指導を計画、選択、調整し、どの課目で地上準備指導が必要かを決定
「全体的な計画と教育の編成」の合格基準
- 訓練計画の組み立てに関する知識を示す。
- 学生が目下必要とする訓練を判断する。
- 学生の訓練の必要性を満たすために訓練を計画、選択、調整する。
- 予定する訓練飛行に適した準備地上指導を計画する。
課目2:地上準備指導
2 地上準備指導
「地上準備指導」の目的
予定する飛行教育に関する地上準備指導について、学生に対し建設的な学習経験を提供できるレベルの細部指導と説明を実施できること
「地上準備指導」の概要
- 受検者は、予定する飛行教育に適した地上準備指導について説明(必要な地上座学教育は完了しているものと想定)
- 飛行教育の中に複数の課目が含まれる場合は、地上準備指導においては、通常そのうちの1つの課目のみについて実施
- クラス1飛行教育証明が実施する地上準備指導は、通常、教官になるための訓練を行う学生に適した内容
「地上準備指導」の合格基準
受検者に対する評価は、飛行教官ガイドに記載される指導法や学習要素の適用能力に基づいて実施される。
7つの学習要素
準備優位関係性鍛錬強度効果最新性
- 学生の効果的な学習のため、教育範囲を定める。(準備)
- 訓練用品を準備、確認する。
- 学生の学習準備状況を判断する。
- 教育内容が全体像のどこに該当するかを説明する。(関係性/準備)
- 主要な指導事項を示す。(準備)
- 教育内容を学生の過去や将来の経験と関連付ける。(関係性)
- 学生の理解度にあった新しい教材でプレゼンテーションを開始する。(準備/関係性/効果)
- 学生の理解度にあわせて進行する。(関係性/鍛錬/優位/効果)
- 発達的指導法を使用する。(鍛錬/効果/関係性)
- 教育の各段階を紹介し、それぞれの関係性について示す。(関係性)
- 教育全体を通して学生のフィードバックを得る。(鍛錬/効果)
- 学生のフィードバックに応答する。(効果)
- 学生に主要なポイントを特定して強調する。(鍛錬/効果)
- 明確な説明を与える。(優位/効果/関係性)
- 話す速さ、声量、ピッチに抑揚をもたせて、音声を効果的に活用する。(強度)
- 視覚的な補助を効果的に使用する。(効果/強度)
- 教育内容に対する熱意を示す。(強度)
- アイコンタクトを効果的に活用する。(強度)
- 学生を効果的に関与させる。
- 各段階の終わりで学生の理解状況を確認する。
課目3:飛行前ブリーフィング
3 飛行前ブリーフィング
「飛行前ブリーフィング」の目的
検定の初めの段階で飛行教育がどのように計画され編成されているかを理解できるよう、飛行前ブリーフィングを行う
「飛行前ブリーフィング」の概要
受検者は、予定の飛行教育に適した飛行前ブリーフィングを実施(必要なすべての地上準備指導は完了しているものと想定)
「飛行前ブリーフィング」の合格基準
- 訓練の実施空域、対象課目の手順、離陸時間や飛行時間を含む、予定する飛行の概要について説明する。
- 気象や飛行場の状況、NOTAMの確認について、学生の訓練の段階に応じて関与させる。
- 燃料の状況や訓練飛行の準備状況を含む、機体の使用可否を判定する。
- 冬季の運航など、安全上の考慮事項について確認する。
- 飛行訓練に関連する予想される飛行管理や意思決定状況について確認する。
課目4:飛行技量
4 飛行技量
「飛行技量」の目的
円滑で正確に飛行できること
カナダ航空規則にしたがって安全に飛行すること
※学生に対し、飛行課目中に理想的な教示を行う能力の評価については、次の項目の「5 教育技法」で行われる。
「飛行技量」の概要
飛行前手順を含む受検者の飛行技量は、検定全体を通じて評価
検定官は、検定中に受検者に対し特定の課目の実施を指示
「飛行技量」の合格基準
クラス1~3の飛行教育証明の検定の場合は、飛行指導中に実施する事業用操縦士免許 (CPL) の発行で求められる技量水準の飛行課目中に評価される。
飛行指導を実施中の飛行技量が、事業用操縦士免許 (CPL) の発行で求められる技量水準に満たない場合には「F」の評価が行われる。
課目5:教育技法
5 教育技法
「教育技法」の目的
効果的な上空での指導を行えること
「教育技法」の概要
受検者は、学生役を模擬する検定官に対し、計画された飛行教育もしくはその事前に合意を受けた部分について教育
検定官は、受検者の能力に関する評価を完了すると、検定におけるこのフェーズを終了
計画された飛行教育に加え、教育技法についてより広範な例から評価を行うため、検定官がその場で指示する課目について受検者は指導を実施
この課目については、地上準備指導や飛行前ブリーフィングが完了しているという前提で実施され、通常は予定された飛行教育で取り上げられているものとは関係のない課目が選択
「教育技法」の合格基準
- 教育パフォーマンスの方法としての教示を実施する。
- 教示する飛行法の要点について説明する。
- 飛行法について効果的な教示を行う。
- 効果的にコミュニケーションを行う。
- 複雑な飛行法を単純な要素に分割する。
- 利用できる時間を効率的に使用する。
- 適切な学生訓練を指示する。
課目6:学生のパフォーマンス分析
6 学生のパフォーマンス分析
「学生のパフォーマンス分析」の目的
学生の飛行操縦パフォーマンスを分析し、強点と弱点について精確で建設的なフィードバックを提供すること
「学生のパフォーマンス分析」の概要
検定官は、学生としてロールプレイングをしながらさまざまな飛行操作を実施
受検者は、そのパフォーマンスを分析して重要な要素を判断し、学生のパフォーマンスを最も向上させる指導を実施
「学生のパフォーマンス分析」の合格基準
- 現在の訓練段階における通常のパフォーマンスレベルを判断する。
- 強点を特定して評価する。
- 弱点を特定して評価する。
- 重大な弱点と軽微な弱点を区別する。
- 重大な弱点を修正するためのフィードバックを行う。
- フィードバックが必要な軽微な弱点を判断する。
- 必要に応じ、軽微な弱点を修正するためのフィードバックを行う。
- 求められる許可証 / 免許証 / 資格の技量要件に関する知識を示す。
課目7:飛行後デブリーフィング
7 飛行後デブリーフィング
「飛行後デブリーフィング」の目的
効果的な飛行後デブリーフィングを実施すること
「飛行後デブリーフィング」の概要
受検者は、学生役の検定官に対し、飛行中に指導した飛行法や指導事項について飛行後デブリーフィングを実施
受検者は、学生に強点と弱点を知らせ、弱点を改善する方法を説明
宿題を与える過程で、飛行訓練マニュアル、飛行教官ガイド、航空ハンドブックのヒューマンファクターの項目などの受検者の資料に対する習熟度を評価
「飛行後デブリーフィング」の合格基準
- 学生にパフォーマンスについての自己評価をさせる。
- 長所と短所を含む学生のパフォーマンスを評価する。
- 改善のための具体的な提案を行う。
- 学生の質問に答える。
- 次の飛行教育に対する課題を割り当てる。
関連