定期運送用操縦士免許(Airline Transport Pilot Licence)の取得条件
航空法(CAR)の421.34にて取り上げられている内容です。
年齢制限
申請時に21歳以上であること。
航空身体適性
- カテゴリー1の航空身体適性を保有していること
免許保有者は、PPLのための航空身体適性の有効期間(5年間有効)が残っている間は、PPLの権限を行使することが可能(CAT1が切れてもCAT3が有効) - 免許は、有効なカテゴリー1の航空身体適性がなければ無効
知識
次の3つの各筆記試験において、70%以上の得点を取得すること。
次の各科目を含むATPLの「気象、無線航法施設、飛行計画に関する筆記試験」(SAMRA)において、70%以上の得点を取得すること。
- 気象情報の収集と普及に関する一般的なシステムについて
- 天気図、天気予報、天気の略語、記号、名称について
- 気圧と前線、雲形、着氷状態との関連について
- 上層風と航空機の運航に与える影響について
- 航空機の運航に関する気象業務の告示法と航空路気象業務への指示について
- 航空機の運航に関する無線通信要領について
次の各科目を含むATPLの「航空法、航空機の運用法、航法全般に関する筆記試験」(SARON)において、70%以上の得点を取得すること。
- よく使う公式、計器、その他の航法補助装置などの航法の基本原則について
- 荷重と重量分布の基本原理と飛行特性への影響について
- カナダ航空法、航空交通の規則と手順、公示情報、NOTAMについて
- パイロットの意思決定を含むヒューマンファクターについて
計器飛行証明の筆記試験(INRAT)において、70%以上の得点を取得すること。
飛行経験
申請者は、CPLの発行に必要な、日中の飛行のみに制限されない訓練要件を満足し、次の時間を含む1500時間の総飛行時間を取得し、そのうち900時間は飛行機での飛行時間であること。
次の時間を含む飛行機における250時間の機長時間
規則421.11項で定められる監督下における機長時間は最大100時間適用可
100時間の機長または監督下機長としての場外飛行時間
25時間の機長としての夜間場外飛行時間
100時間の機長または副操縦士としての夜間飛行時間
うち30時間は飛行機での時間であること
規則421.10項で規定される計算法により求められた次のいずれかの時間または複合した時間
さらに100時間の機長としての場外飛行時間
上記の「機長時間」の項で必要な時間と共有可
200時間の副操縦士としての場外飛行時間
75時間の計器飛行時間
最大25時間は地上訓練装置による訓練時間を適用可
最大35時間はヘリコプターでの計器飛行時間を適用可
地上訓練装置による訓練時間は、1500時間必要な総飛行時間の要件には適用不可
技能
- 申請者は、申請の日から12ヵ月以内に、中央推力機ではない多発飛行機で、管制空域でのIFR飛行に適した計器や機上装置を搭載した機体において、慣熟度と次の技能を示す飛行を行うこと。
- 通常時および緊急時の飛行要領と、飛行検定を実施する飛行機に適した操縦を示すこと
- グループ1の計器飛行証明の発行に必要な要件として示されているすべての操作と手順を行うこと
- ATPLの発行にあたって免許に裏書できるのは、グループ1の計器飛行証明のみである。
他種航空機の飛行経験の転用
飛行機以外の種類の航空機での飛行時間を保有している場合は、それを適用することができる。
滑空機での50時間分の飛行時間は、1500時間必要な総飛行時間に加算できる。
3軸ウルトラライトプレーン、飛行機のレクリエーショナル飛行許可証、PPL、CPLを保有している申請者は、3軸ウルトラライトプレーンにおける50時間分の飛行時間は、1500時間必要な総飛行時間に加算できる。
国防省出身者に対する経験の転用
カナダ軍の現役及び退役軍人で、カナダ軍の部内資格である計器飛行証明について、多発飛行機で有効なグループ1で制限事項のないものを保有している申請者は、技能に関する要求事項については、満足しているものとみなされる。