カナダのブリティッシュ・コロンビア州にある「ナショナル・ヒストリック・サイト」91ヵ所を、ジャンルごとに紹介しています。
このサイトについてや全体像を見るには下記記事へ！
本記事では、教会・寺院編として6ヵ所を紹介します。
キリスト教会
クライスト・チャーチ（1994年登録）
正式名称：Christ Church
設立年：1861年
登録年：1994年
所在地：ホープ
概要：イギリス国教会
ゴールドラッシュ時代に建設されたゴシック復刻様式で建てられた木製のイギリス国教会で、BC州で現存する最古の教会と言われます。
1861年に建造されたこのクライスト・チャーチは、19世紀半ばの宗教建築における中世ゴシック復刻様式の好例として保存されています。激動するゴールド・ラッシュの時代における安定化のための幅広い役割を担いました。
帝国のエンジニアによって設計された建物で、鐘楼の下に側面の入り口があり、ここから一段高くなった祭壇に向かうことができます。
この教会は、ジョージ・ヒルズ司教の指揮により1859年から1866年の間にBC州で相次いで建造された約14の同様の英国国教会のうちの1つで、ゴールドラッシュ時代に駐留していた王立工兵隊の後援を得て建造されました。
こうした教会の建設は、バンクーバー島や本土の新たな植民地にイギリスの機関を設立していくための計画の一部でした。
我らが主の教会（1990年登録）
正式名称：Church of Our Lord
設立年：1875年
登録年：1990年
所在地：ヴィクトリアのブランシャード通り
概要：キリスト教教会
建築家ジョン・ティーグ氏によって設計された改革派の聖公会教会で、カナダ西海岸のカーペンター・ゴシック様式の最高例の1つとして残されています。
絵の中の世界にあるようなこの美しい教会は、カナダにあるゴシック復刻様式の木造建築物として最高の表現の1つとされています。
教区内の分裂が激しかった当時、牧師のエドワード・リッジ氏により、ヴィクトリアの改革派聖公会教会として1875年に建設されました。建築家のジョン・ティーグ氏は、ボードとバテンのそれぞれの利点を活用して、尖った屋根と塔をデザインし、ゴシック様式の特徴を強化しました。内部は、柱のない広い空間を作るための英国ゴシック建築の木造トラス方式であるゴシック・ハンマービーム屋根が採用され、広い空間が実現しています。
1913年には、地域で有名な建築家のサミュエル・マクルー氏により、教会の南側にクリッジ記念館と呼ばれる別館が追加されています。
聖十字架教会（1981年登録）
正式名称：Church of the Holy Cross
設立年：1906年
登録年：1981年
所在地： スクーカムチャック保護区
概要：ローマ・カトリック教会
インシャックチの職人により建設されたカーペンター・ゴシック・ミッション教会です。その独特の形状から、地域のスカティン族の拠点とされています。
1905年頃に建設されたとされるこの聖十字架教会は、その内装の美しさと独創性が特徴的です。杉の彫刻、祭壇、椅子、そしてこの木造のカーペンター・ゴシック様式の全体像を作る職人技は、地元の職人の卓越した技術を証明しています。両隅に設置された塔やバラのかたどられた窓、3つの尖塔、アーチ型の窓も、この「荒野の大聖堂」の雰囲気を特徴づけています。
歴史的には、19世紀後半から20世紀初頭にカナダ西部の多くの先住民コミュニティに宣教を確立したローマ・カトリックの命を受けた、マリア無原罪の献身者らによって建造された多くの宣教教会の1つでした。
聖ポール・ローマ・カトリック教会（1980年登録）
正式名称：Saint Paul’s Roman Catholic Church
設立年：1884年
登録年：1980年
所在地：ノース・バンクーバーのエスプラネード通り
概要：ローマ・カトリック教会
ミッション・リザーブの「Eslha7an」にある双塔のゴシック復刻様式教会で、バンクーバー地区で現存する最古の伝道教会とされています。
バンクーバー地区で現存する最古の伝道教会は、長い間ミッション保護区の中心的存在でありました。スコーミッシュで有名な指導者であり、宣教師たちによって支援されたスナット首長は、1868年にこの地に最初の教会を建設し、翌年にこの土地を保護区として確保しました。
1884年に最初の礼拝堂が現在もある形状に改築され、1910年には角の塔と十字形教会堂の翼廊であるトランセプトが追加されました。
スコーミッシュの人々とともに生活し、宣教活動を行ったポール・デュリュー司教に敬意を表してその名が付けられました。
聖アンドリュー・ローマ・カトリック大聖堂（1990年登録）
正式名称：St. Andrew’s Roman Catholic Cathedral
設立年：1892年
登録年：1990年
所在地：ヴィクトリアのブランシャード通り
概要：ローマ・カトリック大聖堂
ヴィクトリアのダウンタウンの中心部にある印象的な双塔の教会で、ゴシック復刻様式の代表例とされています。
色とりどりのレンガや石、スレート(粘板岩)が大胆な配列で空にそびえ立ち、ヴィクトリア朝のゴシック様式の宗教建築を特徴付けています。
1892年にモントリオールのペロー氏とメスナード氏によって設計されました。
19世紀のローマ・カトリックの趣に加え、魅力的ともいえる垂直のデザインと絵のような非対称性は中世の大聖堂の影響を受けています。異なる色の建築材料を組み合わせて造形される外壁のパターンは、ゴシック復刻様式の成熟期の特徴と言われています。
シク教寺院
アボッツフォード・シク教寺院（2002年登録）
正式名称：Abbotsford Sikh Temple
設立年：1912年
登録年：2002年
所在地：AbbotsfordのSouth Fraser Way
概要：シク教の寺院
カナダで現存する最古のシク教寺院で、シク教徒によるカナダ移民当初に大きな役割を果たしました。
シク教の宗教的伝統の20世紀初めのカナダにおける建築基準の適応を示しています。
当時多くの教徒が働いていた近くの木材加工工場から運んだ木材で作られています。
伝統的なシク教の作り方に西洋式の見た目を融合しています。礼拝の場としてだけではなく、南アジア出身の者たちの社交の場としても利用されました。
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