カナダBC州の国定史跡【建築物編】

カナダのブリティッシュ・コロンビア州にある「ナショナル・ヒストリック・サイト」91ヵ所を、ジャンルごとに紹介しています。
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本記事では、建築物編として9ヵ所を紹介します。

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建築物

ベグビー会館（1989年登録）

新渡戸稲造が最期を迎えたことでも知られるヴィクトリアのロイヤル・ジュビリー病院にある3階建ての看護師用住居で、20世紀初めの看護技術の向上と、カナダの医療や健康増進の象徴となっています。

建物は、同病院付属の看護学校の学生寮として平屋根の大型のレンガ造りで、柱廊式の正面玄関をもち、近代的な講義室や研究室、図書室を持っていたことで知られています。
病院自体は1890年に設立されたもので、学校はその翌年に開校しています。

看護師の卵たちは、職業訓練の一環として患者を実際に看護しており、ここで学んだ女性たちの多くの活躍が、その後の女性の社会進出を促進させました。

現在も、地域健康事務局の本部として活用されています。

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チーカントン建屋（2008年登録）

標高1,280メートルのカリブー地方山脈に囲まれた地にあり、チーカントン組織が元々使用した2階建てのボード・アンド・バテン構造の建物で、カナダ入植におけるの中国人移民労働者と商人コミュニティの歴史的象徴の建築物です。

19世紀の中国の慈善協会館として、ホステル、キッチン、会議卒および儀式用の部屋などが供えられ、会員の避難所としても機能しました。
当館が果たした慈善的な業務の数々や、行われた式典や祝賀会を通じ、多くの移民中国人の帰属意識を育み、カナダへの移民中国人文化における対人関係やビジネスの促進に貢献しました。

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ロジャーズ商業ビル（1991年登録）

クイーン・アン復刻式で当時のまま残されたインテリアや装飾のヴィクトリア朝時代の小さな商業ビルです。

この店は、クイーン・アン復刻様式を小さな商業ビルに美しく取り入れた好例で、英国を起源とするこの折衷的で絵画的な構成は、カナダで長年愛されてきました。
正面部分は、クラシックな細部と商業ビルの特徴ともなっている出窓とが組み合わさり、アン女王復活祭を模した店先のガラスと調和することで室内は明るく、商品の陳列に適した商店スタイルとなっています。
建築家のフーパー氏とワトキンス氏は、この独特の店先の雰囲気とそのおしゃれなインテリアで当時の様式の精神を再現しています。

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エマニュエル集会所（1979年登録）

フレーザー川のゴールドラッシュ期間中、この地にユダヤ人開拓者が到着して以来、わずか5年後に建てられた2階建てレンガ造りの現存する最古のユダヤ教会堂で、カナダにおける19世紀のロマネスク復刻様式のユダヤ教会堂としては現存する貴重な例として価値があります。

ヴィクトリアのユダヤ人コミュニティの会衆メンバーは、その数は少ないですが、町と植民地両方に対して社会的、経済的、政治的に主活発で導的な役割を果たし、創設者の献身と機知に富んだ証であると言われます。

著名な西海岸の建築家ジョン・ライト氏によるデザインは、19世紀にユダヤ人が文化と精神性の適切な表現としてロマネスク朝の復刻様式となりました。
かつてヨーロッパと北アメリカ全体で一般的でしたが、このスタイルは現在ではほとんど残っていません。

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クレイグフラワー荘園家屋（1964年登録）

ピュージェット・サウンド農業会社のために建設された木造家屋です。
カナダ西部で最初の農業団体の1つであるクレイグフラワー農場がもつ建物の1つで、毛皮取引の時代から定住へと移り変わる時代の変化を象徴しています。

1853年から1856年にかけ、執行官のケネス・マッケンジー氏は、ハドソン湾会社の子会社であったピュージェットサウンド農業会社のため、住居としてこの家を建設しました。
島内にあった4つの農場は、入植者に対する雇用が毛皮貿易から北西海岸への定住へと移行していく中で、監視人の住居として注目されていきました。

マッケンジー氏がマネージャーとなり、荘園はヴィクトリアの居住者やエスキマルト基地のイギリス海軍将校の生活の中心地となりました。
主に地域の素材を用いて造られたカナダ西部初期の建築の好例とされています。

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マラハット・ビル / 旧ヴィクトリア税関（1987年登録）

ヴィクトリア港を見下ろす位置にある3階建てのマンサード屋根の税関施設です。ヴィクトリアがカナダ西海岸で著名な商業中心地であった時代の象徴とされています。

1875年に第二帝国様式として完成したヴィクトリア州の税関施設は、連邦成立後に新連邦政府によって建立された建築物です。公共事業省の初代主任建築家であるトーマス・シートン・スコット氏により設計され、その控えめなデザインと素材は、当時のヴィクトリアの相対的な規模に合わせられていると言われています。

ヴィクトリア税関として機能していたこのマラハット・ビルは、金の採掘のライセンスを管理していたため、金を探しにクロンダイクKlondikeに繰り出すため鉱山労働資格を取得しようと世界中から集まった者達で溢れかえりました。西海岸で最も繁栄した港の貿易が規制され、19世紀後半に商業の中心地として栄えたヴィクトリアを象徴する建物です。

建物は3階建ての立方体のようなデザインで、屋上には展望台が設置されています。中央玄関のある3室構造のファサードで、傾斜のついたマンサード屋根、クラシックな装飾のある一方で、石造りの基礎の上に築かれた頑丈なレンガ造りの重厚なデザインが特徴的です。

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鉱夫組合会館（2019年登録）

ゴシック復刻様式の建物には、BC州で最初となる鉱夫の労働組合があり、公正で安全な労働条件を求めて労働者が戦い、1日8時間を上限とする労働条件を獲得した歴史ある場でもあります。

建築家のE. J. ウェストンWeston氏による設計で、内部にはダンス・ルームや小さなステージも設けられており、組合事務所としてのみならず地域住民にとっての多目的公共施設としても活用されました。
木造の建物とともに、その存在時代がクーテネイKootenay・バウンダリーBoundary地域、さらには州の発展を鉱業面から支えた象徴として価値があるとされています。

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ペンバートン記念手術室（1905年登録）

ロイヤル・ジュビリー病院にある八角形のレンガ造りの手術室です。病院の存在自体が、慈善団体から科学機関に移行していった時代を象徴する現存する施設として価値があります。

この手術室は、1896年に建設され、当初は木製の廊下でロイヤル・ジュビリー病院と連接されていましたが、外部からの汚染のリスクを最小限に抑制するために、後に病院の本館とは独立した形とされました。19世紀における医学や外科技術の劇的な発展を反映しています。

簡単に掃除できるセラミック・タイル張りの床、近代的な温水システム、ジョセフJoseph・リスターLister氏の無菌原理に由来する付属の滅菌室は、術後の不要な感染を減少させ、より複雑な手術の可能性を実現させました。
ヴィクトリア朝時代には大型の円形競技場型の外科施設が主流でしたが、20世紀に入ると、より小さな手術室のスタイルが主流となっていきます。この手術室は、そうした時代の流れを象徴するデザインとなっています。

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BCユニオン・クラブ（1913年登録）

ロンドンのクラシックなクラブの雰囲気に影響を受けた初期の紳士クラブで、1913年以来の優雅なボザール様式のクラブハウスです。

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