カナダVFR航空無線交話法7【到着から着陸まで】

FLIGHT

公式サイト:NAV CANADA「VFR PHRASEOLOGY

第7弾は、到着から着陸までについてです。

ARRIVAL/APPROACH(到着と進入)

飛行場に到着し着陸する前に、必要な管制機関に対してイニシャルコンタクトを行い、通信設定を行う必要があります。空域が混雑している場合には、空域外での待機を指示されたり、顕著なポイント上空でホールディングを指示される可能性があります。VFR機の場合は基本的に、サーキット経由で着陸をするので、場周経路内の進入順序を管制官から知らされます。もし「貴機はナンバー3」と言われたならば、2機が経路内の前方を飛行していることになります。

到着時の交話法

航空機:「(管制機関), (航空機) WITH INFORMATION (ATIS符号) (意図)
管制機関:「(航空機), NUMBER (進入順序) (アプローチ指示)
航空機:「NUMBER (進入順序) (アプローチ指示), (航空機)

C-FUWL
C-FUWL

Halifax Tower, Cessna 150 “FUWL” with information “M”, inbound to land.

ATC
ATC

Cessna 150 “UWL”, altimeter 3014, cleared to left base RWY32, you are number 2 follow the Katana on base.

C-FUWL
C-FUWL

3014, number 2 left base 32, traffic in sight, “UWL”.


ATC
ATC

“UWL”, cleared to left base RWY32.

C-FUWL
C-FUWL

Cleared left base RWY32, “UWL”.

VFR Hold(VFR待機)

管制官は、空域の混雑状況から、航空機に対して特定の空域内もしくはポイント上空での待機を指示することがあります。一般的に「ORBIT」の用語が使用されます。指定された地名または飛行場が定める位置通報点などの上空で旋回で軌道を描きながら、次の指示があるまで待機をします。

VFRで待機を指示される場合の交話法

管制機関:「(航空機), ORBIT NORTH/EAST/SOUTH/WEST OF (地名/チェックポイントなど) (旋回方向などの指示) (待機予定時間/周回数)

ATC
ATC

“FFX”, orbit north of Champlain Bridge, left turns, expect 3 min delay.

C-PFFX
C-PFFX

Left turns, north of Champlain Bridge, “FFX”.

クラスD空域外での待機を指示される場合

クラスD空域に入る前に通信設定を行う場合、空域内の混雑状況によっては入域を待たされることがあります。

ATC
ATC

“GABC”, due traffic, remain outside the control zone until further advised.

C-GABC
C-GABC

Remain outside of zone, “GABC”.

LANDING(着陸)

着陸のクリアランスは、あくまで着陸するための許可を与えられたということであって、実際に接地して着陸するのか、または着陸復行をして再度進入を試みるかはパイロット次第です。必ず着陸しなくてはならないということではありません。もし着陸復行(オーバーシュート)をした場合は、安全な範囲でできるだけ速やかに管制官にその旨を伝えます。

着陸や着陸訓練の際の許可が出されるときの交話法

管制機関:「(航空機), (必要に応じ他機や障害物等の情報) (着陸と着陸後の離脱指示) (風向/風速) CLEARED (LAND/TOUCH-AND-GOなど) RUNWAY (滑走路番号)
航空機:「CLEARED (LAND/TOUCH-AND-GOなど) RUNWAY (滑走路番号), (航空機)

ATC
ATC

“MFF”, wind 130/13, cleared to land RWY11.

C-PMFF
C-PMFF

Cleared to land RWY11, “MFF”.

着陸のクリアランスは、使用滑走路での着陸だけでなく、その後の適切な誘導路からの離脱までの意味を含んでいる許可です。そのため、新たに離脱のための許可を得る必要はありません。
ただし、離脱するために着陸後に使用滑走路上で反転をして逆走(バックトラック)をする必要がある場合は、改めて許可を得る必要があります。

OVERSHOOT(着陸復行/ゴーアラウンド)

着陸しようとしているときに、滑走路上に車両などの障害物があったり、着陸に支障がありそうだったら、管制官は「PULL UP AND GO AROUND」の用語でパイロットに着陸復行(オーバーシュート)を指示することがあります。指示されたら、着陸進入のための降下を取り止め、サーキット高度まで上昇します。

着陸復行を指示される場合の交話法

管制機関:「(航空機), PULL UP AND GO AROUND (理由)
航空機: 「GOING AROUND, (航空機)

ATC
ATC

“GTF”, pull up and go around, aircraft on the runway.

C-PGTF
C-PGTF

Going around, “GTF”.

パイロット自身が着陸復行を判断し実行した場合、事後できるだけ速やかに管制官に伝えます。

C-PGTF
C-PGTF

“GTF” going around.

TAXI AFTER LANDING(着陸後の地上滑走指示)

滑走路からの離脱指示は、着陸許可の範疇に含まれます。もしこれに従えないようであれば、できる限り速やかに管制官にその旨を伝えます。

着陸後の地上滑走指示の交話法

管制機関:「(航空機), (滑走路離脱指示) CONTACT GROUND (周波数) NOW/WHEN OFF/AT (位置)
航空機:「(周波数)または(周波数 AT 位置), (航空機)

ATC
ATC

“HTW” exit left on “D”, contact ground “121.8” when off.

C-PHTW
C-PHTW

“121.8” when off, “HTW”.

グラウンドコントロールの周波数に移れば、より詳細な地上滑走許可を得ることができます。

グラウンドからの地上滑走許可の交話法

航空機:「(管制機関), THIS IS (航空機), (現在地) REQUEST TAXI TO (目的地)
管制機関:「(航空機), (地上滑走指示)
航空機:「(地上滑走指示), (航空機)

C-PHTW
C-PHTW

Springbank Ground, this is “HTW” on “D”, request taxi to flying club.

ATC
ATC

“HTW”, taxi “C”, “A” to the flying club.

C-PHTW
C-PHTW

Taxi “C” “A”, “HTW”.

ARRIVAL REPORT(到着の報告)

フライトプランを処理(クローズ)するために、FSSFICを含む管制機関に対して到着報告を行う必要があります。電話や複合飛行計画システム(CFPS)を使って連絡することも出来ますが、無線通信で実施する場合には、まずは先にイニシャルコンタクトをして通信設定を行う必要があります。

飛行計画提出を伴う飛行時の到着報告の交話法

航空機:「(管制機関), (航空機), (フライトプランもしくはアイテナリかの種類) (出発飛行場) (到着飛行場) (到着日時)

C-GBUD
C-GBUD

Winnipeg Radio, Cessna 172 “GBUD” to close VFR flight plan from Boundary Bay “CZBB” to Collins Bay “CYKC”. Arrive “CYKC” May 25, time 1200Z.


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