【運転中の携帯電話】運転中の不注意に関する罰則などまとめ

CAR LIFE

運転中の「注意散漫」について

注意散漫になることはDistractという一言で表現されます。

出典: www.citynews1130.com

運転中に携帯電話を使用した場合の事故率は5倍ほどになると言われています。
渋滞中赤信号で停まっているいるときに「ちょっとメールをチェックしよう」というのも、事故の可能性を少なからず高めるものであり、BC州では2010年から禁止されています。 

違反になるかならないかは別として、いわゆる「注意散漫」「不注意」に該当する事項は、次のようなものになります。

注意散漫/不注意に含まれる行動
  • 携帯電話の操作
  • 乗客とのおしゃべり
  • 飲食
  • カーナビ操作
  • オーディオ操作

中には「そんなことも?」と思われる事項もありますが、目的は事故や危険を防ぐことであり、これらはすべて路上の安全を守る上では危険になる可能性のある項目になります。

数字で示す「Distracted Driving」の危険性

不注意運転の危険性に関するデータ (2019年)
  • 注意散漫な運転に起因する事故による年間死者数:76名
  • 事故全体に占める注意散漫な運転が原因となる割合26%
  • 通話している際に失われる視覚情報への注意:50%
  • 携帯電話使用中に事故が発生する確率:5倍
  • 運転中の携帯電話の使用が危険になるかについて同意する運転者:94%
  • 上記の質問の中で「強く同意する」と考える運転者:69%
  • 実際に運転中に携帯電話を何らかの理由で使用している運転者3人に1人

不注意運転にかかる違反金

日本の場合

日本では「交通三悪」と言われる交通違反がありますが、それは次のようなものです。

日本の「交通三悪」
  • 無免許運転
  • 悪質な速度超過
  • 飲酒運転

もちろんこれらは、即重大かつ危険な交通事故を誘発する危険性が高いため、極めて悪質な交通違反と認められています。

カナダの場合はどうでしょうか。

カナダの場合

カナダではこのような「交通三悪」のような概念は耳にしません。そして、日本とも微妙に様相が異なっています。
無免許運転や悪質な速度超過が重大な違反で危険なことは共通していますが、飲酒運転については、状況が異なります。結論から言うと、カナダ (BC州) では、「少しの飲酒を伴う自動車の運転は適法」となっているのです。しかし、あくまでも飲酒に伴う身体への影響は少なからずありますし、危険に繋がりかねないということ国に関係なくありますので、しっかりとした意思を有しておくことが肝要です。

カナダ (BC州) における飲酒運転の許容範囲、罰則等については下記の記事をご覧ください。

カナダの場合は、この「三悪」があるとすれば、おそらく「運転中の電子機器の使用」が含まれると思います。その理由は次で説明していきます。

運転中に電子機器を使用した場合の罰則

もし、赤信号での停止中も含めて運転中に携帯電話を操作している際に警察官に車を停車させられたとしましょう。支払わなくてはならない違反金は合計でいくらになるでしょう?

違反自体に対する反則金

まずは違反金そのものです。

運転中の電子機器の操作は、カナダの道路道路交通法「車両運送法」の第214条にて禁じられています。これにより支払う反則金は「$368」です。さらに、「4点」の違反点数が加算されることになります。

ちなみにこの「4点」という点数についてですが、速度超過は「3点無免許運転も「3点です。いかに重い点数であるかが理解頂けると思います。

違反自体に対する反則金

$368 + 4点

違反運転者に対する追加罰金

違反点数「4点」を獲得すると、漏れなく違反運転者に対する追加罰金制度 (Driver Penalty Point Premium)の対象となります。4点以上で1点ごとにこの追徴金は変わってきますが、この違反1回だけとすると「​$252」になります。

違反運転者に対する追加罰金

$252

危険運転者に対する追加徴収

まだ終わりません。BC州が運営する自動車保険会社ICBCでは、2019年に保険料金の算出方法に関する改革を行っていて、端的に言うと「基本的に値下げをしたい、そのためには危険なドライバーからは高い保険料を、安全なドライバーには安く」という方針です。

見事「危険な運転者」として認定されたあなたは、危険運転者に対する追加徴収 (Driver Risk Premium)」の対象となる可能性があります。
ただしこれは過去3年間のうちに1回であれば対象になりません。もし過去3年間で2回目の「運転中の電子機器使用」で検挙されてしまうと、この追徴金として「$533」支払うことになります。

違反自体に対する反則金

$533 (過去3年で2回の場合)

BC州の交通違反金と違反点数の一覧記事がありますので、詳しくはこちらをご覧ください。

携帯電話の使用に関する提案

運転と携帯電話の使用の両立を図る方法はないのでしょうか。
正確に言えば両立ではありませんが、ICBCでは次のような方法を提案しています。

携帯電話使用に関する提案事項
  • 自分や他人の命を危険に晒す以上に大事な電話やメールは存在しません。留守番電話に回したり、運転後に確認をしましょう。
  • 運転中の着信やメールの受信が気にならないように、音が鳴らないようにして見えないところに置きましょう。
  • 同乗者がいる場合には、電話の着信やメールの返信を任せる人を決めておきましょう。
  • 安全であれば路肩に停車させて対応しましょう。高速道路での長距離運転では、各所に設置された休憩ポイントを活用することができ、場所によってはWi-Fiも利用できます。
  • iPhoneの機能にある「Do Not Disturb While Driving」やサムソンの「In-Traffic Reply」のような機能、他にも似たような機能のあるアプリをダウンロードして最大活用しましょう。

よくある「これはどうだろう?」ということ

赤信号でも使用してはダメなの?

ダメです。
法的に携帯電話など電子機器の操作が禁じられている期間の定義は、自動車を「操作している間」となっています。赤信号で停止中も「停止操作」を行って運転している期間になります。速度をもって移動している時間だけではありません。停止中の注意散漫より低速でも前の車のバンパーに衝突するような事故の可能性も十分にあります。

ちなみにこの質問は定番で、BC州で運転免許を取得する際にされる質問のひとつにもなっています。

ワイヤレスの使用はOK?

OKです。
機器を手に取って使用することが禁止されているだけですので、Bluetoothのワイヤレスイヤフォンや、有線式のイヤフォンなど、カーオーディオとリンクできるスピーカーフォンの使用は適法です。
ただし、運転前に携帯電話などの所用の設定をしておく必要があり、ボイスコールなどで操作をする必要があります。ICBCでは通話の開始と終話の際の操作の規定として「ワンタッチ起動でき、」と記していますが、この操作も厳密には注意散漫になりがちですので十分に注意が必要です。また、通話も広義での「注意散漫」に該当しますので、事故への注意は引き続き必要です。

電話番号を手で入力して電話する場合には、機器の操作とみなされ検挙の対象になります。ボイスコマンドなどを活用しましょう。

また装着する場合には、片耳だけにしておく必要があります。
両耳にイヤバズなどを装着している場合、たとえそれがアクティブ状態でない携帯電話などに接続されていても摘発対象であるという判例がBC州の最高裁で示されています。

ナビとして使用はしていいの?

OKです。
携帯電話のGPSとしての使用は許可されています。ただし、カップホルダーにとりあえず置いて使ったりということは認められておらず、携帯電話を固定するホルダーのようなものでしっかりと固定して使用する必要があります。
また、それでも触って操作することは認められていませんので、事前に目的地設定をしておく、ナビの音声ガイドをオンにしておき、また音声コマンドも使用できるように設定しておく必要があります。

「L」「N」などの運転練習者も使用できる?

NOです。
こういったプレートの着用が義務付けられている間は、ワイヤレスフォンなども含めて如何なる方法においても電子機器の使用はできません。
明確な記載が見つけられませんでしたが、おそらくカーナビとしての使用も禁じられるものと推測します。

緊急時の「911」への通報のための使用は?

OKです。
BC州が発行する手引きにおいて、「安全に停止できる場合」「911への通報を行う場合」には使用の制限がない旨が公表されています。
この例外規定は、「L」や「N」の運転練習者にも適用されます。

まとめ

運転中に気軽に触ってしまいがちな携帯電話ですが、非常に危険で罰則も重たいことをご理解頂けたかと思います。

運転中の通話は絶対に出来ないわけでなく、片耳のみイヤバズを使用したりスピーカーフォンにすることで利用できるようになっていますから、そうした設定や設備を導入していなければ言い逃れの余地はありません。

こうした事実は、是非周囲の運転者にも広めてあげて、引き続き皆で安全を運転をしていきましょう。

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