カナダには便利なシステムがたくさんあります。
BC州では運転免許証に関連した違反や事故などの運転記録をオンラインで無料でしかも超スピーディーに取得できるシステムがあるんです。
BC州の運転免許証を保有している人なら誰でもすぐに簡単にできます。
しかも、運転に関することだけでなく、ちょっとした便利なデータを照会することもできます。実際に僕がデータを照会してみた際のレポートも最後に載せていますのでご覧ください!
運転記録とは?
運転記録とは、「運転者摘録」とも言われるもので、運転者としての経歴を示すものです。
免許証が発行された時から、違反切符の発行やその他の交通違反の履歴がリストアップされ、過去5年間分が保存されています。
オンラインでの運転記録の取得法
運転記録だけでなく、自動車保険やその使用実績の記録の取得は簡単に行うことができます。就職の際に雇用主から求められ提出する「商業車の運転記録」も同様です。
下記のリンクからフォームに必要事項を入力します。
取得の申請を行うと、運転記録と自動車保険の使用履歴(申請時のみ)がEメールで送られてきます。添付ファイルに含まれる運転記録データは、ICBCにより電子的に証明されたものとして扱うことができます。
ICBCが注意喚起をしていますが、個人情報の取り扱いにおいては、Eメールの利用は安全でない可能性がありますので、リスクに同意する方のみ利用をしてください。心配な場合は、下記の手段も利用可能です。もし届いてなければ、ゴミ箱やスパムに分類されていないかよく確認してください。
運転記録の種類
個人の運転記録 (運転者摘録)
カーシェアのメンバーになったり、学校行事の一環でのボランティア運転手などとして、BC州から他州に車で移動する場合、運転記録が必要になります。この場合は、コピーしたものを使用することができます。運転者摘録は、最新の5年間の基本的運転経歴を示す公的な記録として扱うことができます。
自動車保険の使用履歴
BC州から他の州に引っ越す場合は、引っ越し先で自動車保険に新規加入する必要があります。その際に、自動車保険の使用実績を示す必要があります。運転記録とともにこの保険使用実績を取得して、保険会社に提示することで必要な割引などを受けることができます。最大で過去20年間分の保険使用実績を照会することができます。
業務用運転記録
自動車を利用する就職の際には、商業車用の運転記録である「国家安全コード(NSC)摘録」の取得が求められます。この通称「(N)プリント」は、基本的な運転経歴の記録と、過去5年間分の商用車に関連する違反歴が記録されています。
ドライバー・ファクター
2019年9月に行われた保険に関するルール改正の一部として、BC州の全ドライバーには「ドライバー・ファクター」と呼ばれる数値が付与されています。
これは、小数点以下3桁で示される数値で、運転経験や事故記録により数値が変動する仕組みです。また、BC州での居住期間の長さによってもこれは影響します。
基準数値を「1.000」として、数値が少なければ少ないほど好ましいものになります。
運転経験を無事故で積むほど、年々この値は小さくなっていきます。
ドライバー・ファクターは、保険料算定のための要素にすぎません。本当の運転者としてのファクターはほかにも様々な要因によって変化します。この数値だけでは運転のスキルなどは正確には分かりませんので、過信したり落胆しないようにしましょう。
このファクターは、自動車の個人使用に関するものと商業使用に関するものの両方について、PDFでダウンロード可能です。
運転記録の送付や第三者への転送
書類はEメールもしくは書簡で取得することができます。宛先は、申請者自身だけでなく、会社などの第三者に直接送ることもできます。その場合は、宛先の電話番号または住所やファックス番号が必要になります。運転免許証番号を控えておいて、営業時間の8am~5pmにICBCに電話で申請をして下さい。メールアドレスだけであれば、オンライン申請で簡単に追加できます。
実際に取得してみる
実際にオンラインで申請をして取得してみましたが、3ページ分の簡単な必要事項入力だけですので、所要時間は3分程度でした。気になる方は、是非一度トライしてみてください。
取得申請のしかた
申請は3ページ分の簡単な情報入力のみで完了します。免許証に書かれた情報を記入するところは、どの数値を記入すればいいのかが右側の画像の中に赤〇で示されているため、非常に分かりやすいです。
まずは、名前(ラストネームだけ)と7桁の免許証番号を記入し、申請者本人であることと、個人情報の使用に関する同意をしたらチェックします。
2ページ目は、秘密の答え(免許証発行時に決めたもので、通常は母の旧姓らしいです)を入力し、免許証の発行日をカレンダーから選びます。
次に、シリアルナンバーですが、図のとおり裏面のバーコード番号をそのまま記入すればOKです。
3ページ目は、取得したい必要な書類のボックスにチェックを飛ばします。
摘要年数は、1年から20年の中で選べます。
次に、送付したい宛先のアドレスを2回入力します。雇用主など、他にも転送してほしいところがあれば1件追加記入できます。
今回、僕は初めてなので試しに5種類全部を取得してみます。
そして送信(Submit)を押すと、次の画面が表示されて申請は無事に完了です。
超簡単です。
実際に届いたメールと運転記録データ
自動サービスですので、夜中でしたが送信(Submit)した瞬間にPDF5件の添付されたメールが送られてきました。すごい。。
届いたEメール
しっかり申請した5件について、PDFの個別データで送られてきました。
個人運転記録(運転者摘録)
何も心当たりはないのに、開くときは何故かドキドキ。。
この感じは何なんでしょう?
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
よかった!
NO RESTRICTIONS / ENDORSEMENTS:制限なし
NO CONTRAVENTIONS:違反なし
NO CORRESPONDENCE:対応事項なし
ちなみに業務用車の記録も併せて取得しましたが、内容は全く同じでしたので割愛します。
保険使用実績
次に、交通事故を起こしてしまった際に、ICBCで保険を使用した実績の証明です。本当に全く心当たりがないのでここはさらっと見ていきます。
保険番号と保険期間が示され、過去5年間に過失25%以上の交通事故がないということが書かれています。
免許証の番号と免許証の有効期限まで示されているのは、免許証発行と自動車保険の両機能をICBCが一元して担っているからならではですね。日本ではあり得ないので興味深いところです。
ドライバー・ファクター
個人的に気になっていたのがこちら。
小数点以下3桁の数値で示されるドライバー・ファクターです。「1.000」を基準数値として、数字の少ない方がよりよく、交通事故や交通違反を起こすと数字が加算されてしまう仕組みの自動車保険料算定指標です。ドキドキ。。
僕のドライバー・ファクターは、自家用車・業務用車ともに「0.651」でした。う~ん、
この数値がどの程度のものなのか分からなかったので、グーグル検索してみて、フォーラムで共有されていた情報をいくつかピックアップしてみました。
僕の運転経歴は、「15年」と表示されていますが、これは原付免許を取得したときからの加算です。自動車免許を取得したのはもっとずっと遅く、経歴だと「8年」程度になります。
そうすると、上記の無事故無違反で運転歴8年~9年の人達とだいたい同じ数値になります。
ですので、
①二輪を含めた経歴を使用しているがBC州での経験が少ない分を加味している
もしくは
②二輪を除いた自動車免許取得からの経歴を見て数値化している
のどちらが適用されていると思われますが、はっきりしません。
どちらにしても悪くはなさそうなので少し安心しました。
住所歴
個人的にこれは便利と思ったのがこちら。
住所の変遷歴の証明です。カナダでは住民票のようなものがなく、個人の住所の記録は、この免許証の登録がおそらく唯一の公的データになります。(他にあれば教えて下さい)
そのため、このように過去にどこでいつから住んでいたかを示す公的なデータとしてはこれが最も信頼度が高く、かつ簡単に(無料で)取得できる書類ではないかと思っています。
僕の場合は、まだ引っ越したことがないので、1行だけで書かれていました。
発行日(Eff. Date)は、実際に住み始めた日ではなく、免許証を発行した日(免許申請時に登録したので)になるので注意が必要です。
ですので、公的な説明資料として今後これを有効活用しようとするのであれば、
住所を変更したら、免許証の住所変更も必ず併せて行いましょう!