カナダで車を運転してみたいけど、ここで免許証を取らなくてはならない?
また、カナダで免許証を取るには、日本のように教習所に通って、多額の教習費を払わないといけない?
本記事は、カナダでの免許取得の制度のしくみをBC州の制度から紹介したいと思います!
先に結論を言うと、「日本で生まれてよかった~!」と言える内容になっています。
BC州が運転者に求めるもの
BC州は、車の運転者に対して次の3つを求めています。
本記事では、この最初の項目である「有効な運転免許証の取得」の方法について詳しく書いていきたいと思います。
またBC州では、運転に関する注意事項として次の事項について注意喚起しています。
運転免許証について
そもそも「カナダの運転免許証」は存在するのか
カナダでは、運転免許証の発行を各州政府が実施しています。したがって、カナダという国で共通の運転免許証は存在せず、各州が発行する免許証のみが存在しています。
BC州では「ICBC」が運転免許の発行の責任をもつ唯一の機関となっています。
ICBCとは・・・
The Insurance Corporation of BCで、BC州の免許証の発行・管理、自動車保険などの業務を一手に担っている公的機関です。ウェブサイトはこちら
在留目的によってプランは変わってくる
最大6ヵ月間滞在可能な観光ビザであったり、それ以上の滞在を計画する就労ビザ、学生ビザなど在留の目的によって、免許証をどうするべきかというプランは変わってきます。
国際免許証は有効なのか
まず、カナダで在住する方の中には国際運転免許証を日本で申請・取得してカナダに持参しているかと思います。僕も日本で取得してからカナダに来ました。
こちらの効力は、1年間とされています。日本の免許証と併せて携帯することで、有効な免許証として使用することができます。ただし、観光目的での滞在期間は最大で6ヵ月ですので、BC州では、この方法による免許証の効力を「6ヵ月まで」としか言及していません。
6ヵ月以上運転する場合はどうするのか
6カ月以上の滞在、すなわち就労や留学として滞在する場合は、BC州への新規移住者とみなされます。この場合、最初の90日間は他国の運転免許証も有効ですが、この期間中にBC州の運転免許証を申し込むことが求められます。
ただし、この90日間ルールは、国が指定する指定教育機関へのフルタイム学生の場合など、一部の条件では適用が免除されています。
BC州の免許はどのように取得するのか
まず、BC州で運転免許を取得のためには、2つの方法があります。
はじめのプログラムを利用して一から取得する方法については後述します。
外国の免許証を書き換える、なんてそんな方法があるならもうこれで決まりですね。しかもこの方法であれば、試験が完全に免除されるなんて。・・・と思いますが、実はこれはあくまでもカナダと相互協定を結んでいる国々だけが対象なんです。
その協定国とは・・・
・・ありがとう!!
そう、なんとこれだけ数少ない協定国の中に、日本も含んでくれています!!
しかも、特に制限についての記載はありません!
したがって、日本の免許証をそのままBC州の免許証に書き換えることができるんです。
ちなみに、非協定国の場合だと、普通に学科試験や路上実技検定を受けることになります。
ここまで順調に来たBC州運転免許証の取得についてですが、3つの落とし穴を紹介しなくてはなりません・・・
運転免許の相互有効協定を利用してBC州の免許に書き換えよう!
日本は、ラッキーなことに運転免許証の相互有効協定をカナダと結んでいることが分かりました。
では早速書き換えに、・・・といきたいところですが、ここで書き換えに関するの3つの落とし穴に注意が必要です。
落とし穴その1:日本での2年間以上の運転経歴の証明が必要
フルライセンスの本免許への書き換えを行うためには、まず日本での2年以上の運転経歴の証明が必要になります。
この経歴の証明方法については、2019年9月1日付でルールが一部変更となりました。
以前は、自動車保険に加入していた期間の証明なども必要とされていましたが、こちらについては廃止となり、単純に免許の取得日からの計算で経歴を証明することとなりました!簡単になったんですね!
日本ではペーパードライバーだった皆さんも、免許保有期間=運転歴とみなされますので、取得から2年以上経過していれば対象になります!
落とし穴その2:日本の免許証はすべて日本語表記では・・・?
日本の免許証をICBCのスタッフに提出して、書いてある免許取得日を参照してもらえば、取得日は一目瞭然ですよね!だって最初にとったのは、平成・・・
そう、日本の免許は「英語併記なし+和暦記載」のガラパゴスコンボですので、そのままでは有効に扱われることはできません。不便です・・・
なら、公的機関に依頼して英語に翻訳してしまいましょう!
一番簡単でオススメの方法は、在バンクーバー日本国総領事館で翻訳を依頼することです!
窓口に行くと申請用紙をもらえますので、日本語で記載し、約1週間後に再度受領しに行きます。
手数料は24ドルです。僕の場合は、6営業日目を受け取り日に指定してもらいました!再度窓口に赴き、手数料を現金(セントは使用不可)で支払い、待ち時間ほぼなしで受け取ることができたので、その足でICBCドライバーズオフィスに行って書き換え申請を行いました。
こんな感じの翻訳証明を作成して頂きました!
僕は二輪免許も持っているんですが、それもしっかり記載してもらえましたし、右の中段付近にある「DATE FIRST LICENSED」欄も取得した免許の種類ごとに記載してくれていますので、前項で紹介した「2年間の免許保有実績」も、これで明らかになります。
実際に免許申請に行った際のこちらの記事もご覧ください。
他にも、ICBC公認通訳者による翻訳を利用することもできます。
リストを見ると、日本語の翻訳対応スタッフは2020年1月現在で10名登録されています。
連絡先も記載されていますので、直接依頼をして下さい。
落とし穴その3:日本の免許証は没収される
こちらは、恐るべきルールです。各州で定める法律により「運転免許証は1つしか保有できない」と定められているのです。
すなわち、他国または他州の運転免許証を保有したままBC州の運転免許証を受け取ることができません。申請の際にICBCに没収されます。
没収する理由は、交通違反の隠匿防止のための措置だそうです。
BC州では、免許証の管理と自動車保険を一括した会社ICBCが運営しています。交通違反をする悪質ドライバーに対しては、翌年の保険料の値下げを据え置く、もしくは逆に引き上げをするなど、免許証と保険料を紐づけた安全管理をとっていきたいところです。しかし一方で、複数の運転免許証を保持していると、違反の時だけ提示するいわゆる「捨て免許」のようなものが作られかねず、ICBCの交通安全に対する目的を達成しません。したがって、強制保険を敷く他の州でも、BC州と同じように複数の免許証保有を禁じているのであると考えています。
申請に行く際は、「没収される」と分かっていますので、免許に記載された情報を写真を撮っておくなどして記録しておくのがベストです。
日本では免許証の複数保有を禁じるルールはありませんので、帰国後に再発行することは可能です。
しかし、BC州の免許を保有している限り、これは州内のルールに違反することになるので、注意が必要です。
初心運転者プログラムを利用して一から免許証を取得する方法
さて、免許証を取得する2つの方法のうちの1つである、外国免許の書き換えについて紹介してきました。
もう一つの方法である初心運転者プログラムを利用した免許取得法については、別記事で詳細を紹介していますので、是非そちらをご覧ください。
BC州は日本と違い、「自動車教習所に通い、運転練習を行って免許を取る」という方法は一般的ではありません。家族などの免許保有者に同乗してもらい、「実際に路上で運転に慣れていく」というのが、基本の運転練習スタイルといえます。
そのため、このようなプログラム制度を設けて、運転技量と免許発行を管理しているのです。
日本人の皆さんの中で、先に述べた日本の免許の書き換え基準に満たない方は、この方法を使って免許を一から取得することは可能です。
しかし、よっぽどの理由がない限り、この方法での取得はオススメできません!
その理由は、このプログラムが大変制約が多く過酷なプログラムとなっているからです。
しかも最初にうける路上実技検定で合格をしなかった場合、Lクラスからスタートすることになるばかりか、日本の免許証は没収されたままとなるのです。。
詳しくは記事をご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?カナダ政府が日本を信頼ある国として認定してくれているおかげで、日本で取得した免許は、取得期間を証明すればBC州の免許証に書き換えられることが分かりました。
制度の概要を図にすると、次のようになります。
簡単に免許を取得できたとしても、決して交通ルール違反や、事故を起こしてはいけません。さまざまな試験や検定が免除されるからこそ、ルールに精通しておく必要があります。
交通ルールについてもまとめ記事を作成していますので、是非、併せてご覧頂き、カナダでの快適・安全なドライビングライフを!
カナダBC州での交通ルールに関するまとめ記事も作成予定です!