僕はカナダBC州での生活に車を活用しています。
正直、カナダやBC州の交通ルールをよく知らないまま、日本の免許から試験もなく書き換えができ、免許証を手にしてしまいました。
カナダBC州の免許証の取得のしくみついてはこちらの記事で紹介しています。
実際に車で道路を走ってみると、日本での運転経験から、感覚的に理解できる指示や標識は多いことに気づきます。一方で、正直よく分かっていない表示も多くあります。
今回は、道路のマーキング、特に黄色や白の実線、破線の意味について、日本との違いに触れながら紹介します。
参考にしたのは、BC州の免許取得時の学科試験で役立てる参考書「Learn to Drive Smart」です。ICBCのWebサイトでPDFを公開しています。
はじめに
道路にマーキングされる線ですが、黄色と白色があるのは日本もカナダも同じです。
カナダBC州では、色の区別は方向を示します。すなわち、黄色は対向車線との境界を、白色は同一進行方向内での車線を示します。この点は、日本の交通ルールと全く違うので注意が必要です。また、日本のように黄色と白色の組み合わせによる線はありませんし、破線と実線の使い方も異なっています。
余談ですが、塗りたての標示がされたラインを踏む行為は違法で、罰せられるそうです。。
黄色線
対向車線との分離を示す境界線です。運転者は、この黄色線を常に必ず左に見て走ることになります。
1本の破線
1本の黄色破線は、「安全を確認できれば越えてもいい」対向車線との境界線です。
一車線ずつの山道などで、追い越しのためにはみ出すのもOKですし、特に禁じられていなければUターンなども可能です。
「切れ目があるので入れる」というイメージでいいかと思います。
日本には「黄色の破線」はありそうで存在しません。なぜなら、日本では「黄色線は基本的には踏んではいけない線」と位置付けられているためです。
1本の実線
1本の黄色実線は、「特に注意すれば越えてもよい」対向車線との境界線です。不思議ですね。上でみた1本の破線にも似ていますが、越えてもよいことに注意の度合いがあるなんて。
「切れ目がないので入れない」はずだけど「特に注意すればOK」とちょっとこじつけてイメージしておくといいかと思います。
日本だと「追い越しのためのはみ出し禁止」という位置付けでした。カナダなら、特に注意して安全を確認できれば、越えてもいいラインです。
1本の破線+1本の実線
1本ずつの黄色破線と実線は、「破線のある側からのみ安全なら越えていい」対向車線との境界線です。
山道などカーブが多い所で、見通しの効く箇所ではみ出して前の車を追い越してもいいが、そうでないところは禁じるように、この線が左右交互に入れ替わる場面をよく見かけます。
これも「切れ目があるので入れる」というイメージでいいかと思います。逆の場合なら、自分側に切れ目がないので間違って入ることはありません。
2本の実線
2本の黄色実線は、「絶対に越えてはいけない」対向車線との境界線です。
はみ出して追い越すのはもちろん、反対車線の店に入るために左折して越えるのも禁止です。
「特に注意しないと越えられないレベルのラインが2本も=越えられない」というイメージでいかがでしょうか。
2重破線
2本の黄色破線は、分離式(リバーシブル)の道路に使われ「時間帯によって変わる」対向車との境界線を意味します。このタイプの道路の場合、必ず車線を管制する信号機が機能しているはずですので、「↓」または「×」に従います。BC州で一番有名なのは、ダウンタウンとキャピラノのあるノースバンクーバーを結ぶ3車線の「ライオンズゲートブリッジ」でしょう。
双方向の左折レーン
双方向に向かい合う左折レーンは、「双方向共用左折レーン」です。
破線+実線パターンのところでみたように、実線側からは越えてはならないはずですが、「例外的に越えてよい」ことになるので、心配要りません。
ただし、必要な時に対向車の状況を見ながらさっと入り、必要なところでさっと左折してしまいましょう。
場所によっては、この図とは実線と破線の関係が逆になっているマーキングのパターンもあるそうなので、注意が必要です。
白色線
同方向の車線を分離する境界線です。歩道や横断歩道、停止線、路肩との分離にも使われます。
また、この白線は一方通行かどうかの識別にも役立ちます。黄色線がなければ、対向車線が存在しないと分かるからです。
1本の実線
1本の白色実線は、「車線変更禁止」のラインです。交差点付近やハイウェイの車線合流時、トンネル内などで見かけます。
これもカナダの不思議なのですが、黄色実線は条件によって踏むことができますが、この白実線は、何があっても踏みません。そう覚えてください。市街地の一番左車線がこの白実線になっている場合に左折待ちの車がいると、後続車は追い越すことができないので渋滞が発生しがちです。このため多くの地域で、不要なこのラインを減らす動きがあるようです。
1本の破線
1本の白色破線は、「安全を確認できれば車線変更可能」なラインです。これは幹線道路で一般的にあるラインです。
「切れ目があるので、越えてもよい」イメージです。
停止線
停止線は、停止線です。日本もカナダも違いはありません。
停止するときはこの線の前で止まるようにしてください。
信号無視や、黄色信号での行け行け!は、カナダではせっかちで卑しいドライバーとして本当に冷たい視線を浴びます。その際の交通違反になる基準が「〇信号で停止線を越えた」というところですので、交差点に自動カメラも多いカナダでは、言い逃れができません。
横断歩道
横断歩道にはいくつかのパターンがあります。まず、日本でもお馴染みのこのゼブラタイプです。こちらは信号機や停止線のない交差点において、特に目立つように書かれています。カナダでは、歩行者への絶対的な保護義務がありますので、歩行者は「車が必ず止まる」と思って横断します。注意が必要です。もちろん横断しようとしている歩行者がいる場合は、横断終了まで停止します。
このタイプの横断歩道は、交差点に信号機も停止線もある場合のものです。比較的交通量の覆い交差点ということになり、歩行者数も多くなりす。車の往来が一時的に途切れた場合など、赤信号でも横断する歩行者もいますので、注意が必要です。
このタイプの横断歩道は、歩道に横断用の押しボタンがあるタイプで、横断中は黄色のランプが点滅しますので停止が必要です。必ずしも点滅終了まで停止する必要はなく、歩行者の横断が終了し、安全が確保出来たら、発進することができます。
地面に埋め込まれたタイプだけでなく、標識に吊り下げられたランプや、道路脇に設置されるタイプなど様々です。
その他の記号など
ひし形◇レーン
ひし形は「Reserved」で何かの専用レーンを示します。ひし形に加えて標識などで何かの指定があれば、その専用のレーンです。基本的には入れません。
専用になるのは、バスや自転車の他にも、多人数が乗車する乗用車も対象になる場合があります。
自転車専用レーン
自転車専用のレーンです。自転車も車線方向を守らなくてはならないので、必ず同じ進行方向の自転車が走ります。ひし形が合わせて付く場合もあります。
この自転車専用レーンをはさんで右折専用レーンがくる場合があります。破線の部分からでしか車はこの専用レーンを通過できないので、注意してください。
交差点などの前の矢印
レーン内に矢印で示された場合は、日本と同じく「必ずその矢印の示す方向にしか進行できない」ことを示します。あるあるですが、一番左や一番右のレーンを走っていると、左折・右折専用レーンになっていて焦ることがあります。。特に、渋滞で車に隠れ矢印の表示が良く見えない場合です。そんな時は、落ち着いてラインが実線か破線かを見てください。破線なら、まだ戻るチャンスはありますよ。
黄色のゼブラゾーン
ゼブラというのか正式名称は分かりませんが、「絶対に入っては行けないゾーン」を示します。このしましまの島?があると、必ずこの右側を走らなくてはいけません。日本のような白いゼブラゾーンは、ショッピングモールの駐車場などでよく見かけますが、正式な道路標識としては設定されていません。
白の縞模様ゾーン
分岐点にある白い三角地帯の縞模様のエリアを「Gore Area Marking」といい、こちらも「入っては行けないゾーン」になります。上の黄色のゼブラソーンに比べてなぜ語勢が若干弱いかというと、BC州において入っては行けない根拠を見つけられなかったからです。。アメリカで禁止する州があり、交通違反になるという注意喚起を見つけましたが、白実線であることと、その存在目的を考えれば、当然入ってはいけないものと考えられます。
まとめ
ルールをしっかり理解して、安全運転で行きましょう!