- 6.Pilot Responsibilities(操縦士の責任について)
- 7.Wake Turbulence(後方乱気流について)
- 8.Aeromedical(航空医学/生理学について)
- 9.Flight Plans and Flight Itineraries(飛行計画について)
- 10.Clearances and Instructions(クリアランス・インストラクションについて)
- 11.Aircraft Operations(航空機の運航法について)
- 12.Regulations – General Airspace(空域に関する各種規程について)
- 13.Controlled Airspace(管制空域の飛行法について)
- 14.Aviation Occurrences(航空事故要因について)
- まとめ
6.Pilot Responsibilities(操縦士の責任について)
VFR飛行中は、基本的にパイロットが責任をもって運航することを理解しておく必要があります。数値の問題は多くなく難しくもないですが、問題のジャンルが発散して分かりにくく、難易度:★★★☆☆です。
一般的に
学生飛行許可
SPP:学生飛行許可の保有者は、日中のVFR飛行のみ実施可能です。
周波数の調べ方
進入管制空域や混雑するVHFセクターに関する周波数は、VTAチャートとCFSに記載されます。
VFR飛行の計画
いかなるVFR飛行の前にも、パイロットは飛行に適した全ての情報の取得と理解に努める必要があります。
トランスポンダーの設定
VFR飛行中は、特にATCから指示がない限り、12,500ft 以下では1200、それ以上では1400を設定します。
また 「IDENT」の操作は、ATCから指示されたときのみ操作します。
管制指示に対する対応について
後方乱気流への配慮
低高度でアプローチしオーバーシュートした大型機に引き続いて速やかな離陸許可が出された場合は、クリアランスを一旦却下し、その理由をATCに報告します。後方乱気流回避の責任はパイロットにあります。
NORDO機の飛行
通信機故障/非搭載機が、着陸指示を受けるために飛行場上空を通過する場合、サーキット高度+500ftの高度を飛行します。
信号や標識の順守
機長は、安全が阻害されない限りにおいて、いかなる指向信号灯による指示や地上マーキングにも従う必要があります。
減速の指示
最終進入中にATCから減速を指示された場合、パイロットはそれに従うべきですが、機体の最小操縦速度を考慮します。
横風への配慮
着陸許可を受領したものの、横風による影響が強いと判断した場合は、一旦オーバーシュートして向かい風方向の滑走路の使用をリクエストします。
着陸許可のリクエスト
最終進入中に「CONTINUE APPROACH」が指示されているが、明らかに滑走路がクリア状態である場合、こちらから着陸許可をリクエストすればオッケーです。
サーキットへの進入
「CLEARED TO THE CIRCUIT」の指示があった場合、通常はダウンウィンドレグに入ります。
また、 左旋回パターンのサーキットがアクティブの場合は、ATCから特に指示がない限りクロスウィンドレグもしくは右旋回でダウンウィンドレグに入ります。
サーキット高度
NOTAMで特に高度が示されている場合であっても、シーリングが1,000ftであれば、管制飛行場においてはVFRを維持するため、雲底下500ftを飛行します。
常に1,000ft でDWに入ることがVFRの進入とは限りません。直線進入や天候状況によっては1000ftが不適となる場合や、NOTAMにより特別な手順が適用されている場合もあります。
レーダー誘導中のVFR維持
ATCによりレーダー誘導されているVFR機が、前方の低いところにOVCの雲を認めた場合は、必要に応じて針路を変更してVFRを維持するとともに、ATCに通報します。ほかにも代替の選択肢として、誘導の中断、IFRクリアランスの受領なども考えられます。
パイロットが責任をもつ各種状況について
特別有視界飛行方式状態の場合であっても、低シーリング・低視程の状況に関わらず、障害物や雲回避の責任はパイロットにあります。
VFR機がATCに誘導されている場合であっても、VFRを維持する責任はパイロットにあります。
インターセクションデパーチャーをATCから提案された場合、離陸に十分な残距離があるかどうかの確認はパイロットの義務です。
VFR機がATCに誘導されている場合、クラスC空域内で針路が他機と近づく態勢にある場合、他機との接近を防ぐためには、針路を変更してその旨ATCに通報します。
7.Wake Turbulence(後方乱気流について)
カナダでは、小型機の訓練であっても、大型機が運用する飛行場で訓練するケースが多いので、理解が必要です。基本的に、後方乱気流を回避するための責任はパイロットにあります。法則や性質を理解してしまえば簡単で、覚える数字等も少ないので難易度:★★☆☆☆です。
翼端渦の性質について
最も強い翼端渦を発生させる条件:重々量+クリーン形態+低速
なかでも最大の要因となるのは重量です。
危険な翼端渦は、2分以上滞留します。
ヘリコプターの後方乱気流についても、前進している限り飛行機と同じでローターブレードの回転により翼端渦が発生します。渦を強める要素についても飛行機と同様、大きさや重量です。
大型機に引き続く運航について
大型機の翼端渦が、小型機に与える影響
・コントロールできない状態に陥る
・最大出力を出しても降下し続ける
・構造上のダメージを受ける
離陸する大型機からの後方乱気流は浮揚する瞬間から開始し、接地する瞬間まで続きます。最も強いのは、 浮揚直後と言われます。
大型機に引き続いて離陸する場合、 後方乱気流の影響を回避するためには、 早めに浮揚して先行機の航跡より上を飛行するか、旋回を要求して回避します。
大型機に引き続いて着陸する場合、後方乱気流の影響を回避するためには、先行機の接地点よりも奥側に接地します。
大型機が上空で通過後2分間は、危険な翼端渦は非常に低速で発散していく特性があります。
8.Aeromedical(航空医学/生理学について)
飛行中の身体の不調の発生は事故に直結します。また、薬品の使用等、飛行に制限が掛かる行動も正しく理解しておく必要があります。 常識で判断できる内容が大半ですが、覚えなくてはならない項目もあり、難易度:★★☆☆☆です。
飛行中に起こる各症状の原因について
耳抜き
急降下時の耳抜きは、唾を飲み込むこと、口を大きく開けてあくびをすること、バルサルバ法、ガムを噛むことなどいずれの方法でも実施することができます。
耳管の損傷
飛行中の耳管の損傷は降下中に起きやすいです。
過呼吸
8,000ft 以下で過呼吸が発生した場合、呼吸を1分間に12回程度までゆっくりにしていく。
最も多い原因は、不安、恐怖心、困難な業務にともなうストレスと言われます。
疲労
AIMの医療情報ページにおいて、疲労は反応を鈍らせ単純なミスを起こす原因になると書かれています。
低酸素症
比較的少量のアルコールでも低酸素症を引き起こす原因になります。これは高度の上昇に伴って状況は悪化します。6,000ft で効果は約2倍に達します。
麻酔薬
一般的な麻酔薬を使用した後は、医師の許可があるまで、歯科用の麻酔薬の場合は24時間は飛行できません。
飛行の制限について
免許の取得や更新に支障のありそうな身体的な不調を抱えている乗員は、乗員として飛行を開始してはなりません。
一般薬品
風邪薬、咳止め薬、抗ヒスタミン剤、その他の薬局で買える薬品類や睡眠薬のような一般的な薬品類は、飛行中の判断や協調性に重大な影響を及ぼす可能性があります。航空専門医の許可がない限り、飛行業務を予定してはいけません。
潜函症
スキューバダイビングを実施後は、24時間の地上での減圧が必要です。
33ftまでの潜水で、その後の最大飛行高度が8000ftであれば12時間の減圧でOK
献血
実施後少なくとも48時間は飛行禁止です。
航空身体検査の期間について
PPL用のCAT3航空身体検査
40歳未満:60ヵ月ごと
40歳以上:24ヵ月ごと
9.Flight Plans and Flight Itineraries(飛行計画について)
フライトプランの取り扱いは、円滑な捜索救難と直結しています。自身の命を守ってくれる機関が適切に活動できるように正しく理解しなくてはなりません。難易度:★★☆☆☆です。
搭載燃料量について
日中のVFR飛行を計画する場合
天候の変化や予測され得る遅れに備え、目的地に到達するための燃料量に加えて通常巡航速度で30分間飛行可能な分を搭載しなければなりません。
ヘリの場合はこれの20分間分です。
飛行計画の記載と処理要領について
フライトプランの「所要時間」の記入法
フライトプランの予想所要時間の項目は、中間地での停止時間も加算した最初の離陸から最後の着陸までの全ての時間の合計を記入します。ROUTE欄の記入は、中間地点でのストップする地名を繰り返して記載し、その所要時間を4桁で記載します。
飛行旅程の提出
フライトプランを提出しない場合は、出発地点から25NM以上飛行する計画を立てている場合、飛行旅程の提出が必要になります。
到着報告について
フライトプランを提出して行ったVFR飛行後の到着報告は、管制機関に対して60分以内に行う必要があります。
飛行旅程の場合は、到着後できるだけ速やかに、遅くとも24時間以内に行います。
この時間は、捜索救難が開始される目安の時間になりますので、遅れてしまうと不要な捜索を発動させてしまうことになりかねません。
飛行計画からの逸脱
VFR飛行において、万が一計画からの逸脱が発生してしまった場合には、可及的速やかに管制機関にその旨を通報します。
到着通報責任者の指定
飛行旅程を提出して飛行する場合は、フライトサービス業務の代行者として、到着通報責任者を指定します。この責任者は、万が一の場合に捜索救難を適切に実施させるため、航空機の到着が遅延した場合にそれを管制機関に報告することに責任をもちます。パイロットは、到着後この人物に対し24時間以内に通報を確実に実施することが求められます。
10.Clearances and Instructions(クリアランス・インストラクションについて)
問題数は少ないですが、指示や許可の意味合いとそれを受け入れられるかどうか、受け入れられない場合はどうするかを正しく理解しなければ、選択肢に迷う問題が多く、難易度:★★★☆☆です。
管制指示と管制許可について
管制指示について
パイロットは、安全が阻害されない限りこれに従わないといけません。
管制許可について
機長がそれを受け入れた際に従うことが求められます。聴知したらすぐに従わなくてはならないものでなく、「聴知」+「機長による受け入れ」という2つが成り立った場合に行動が求められるものであり、根本的に管制指示とは性質が異なることを理解する必要があります。
もし管制許可そのものが受け入れられない場合は、機長は明確にそれを拒否して意図を管制機関に伝える必要があります。
管制許可を受けた後に、その全部または一部に従えないことが分かった場合は、その状況で出来る限りの部分に従い、併せて管制機関に速やかに通報します。
完全に従うことができないと分かった場合でも、速やかな対応が求められますので、一旦行動を開始してから、速やかにその旨を管制機関に通報します。
管制指示・許可とパイロットの責任
指示や許可が管制機関から与えられた場合でも、パイロットは他機回避の責任から逃れられることはできません。管制機関も認識してない機体が存在している可能性もあります。
11.Aircraft Operations(航空機の運航法について)
基本的な事項が多いものの、安全に直結する事項が多いため、すべて非常に重要な内容です。ブラストエリアの距離など、種類や状況によっても変わる数字を記憶する必要があることから難易度:★★★☆☆です。
一般的に
地上でエンジンを回したまま誰も残さずに航空機から離れてはいけません。
ELTの使用について
ELT: Emergency Locator Transmitter 航空機用救命無線機で、航空機が遭難した場合に遭難信号を自動又は手動で発信する装置です。
緊急時にELTの使用をする場合、速やかに使用を開始し、またONにし続けておきます。OFF⇔ONを繰り返すと、不時発進などと誤認される可能性があります。
ELTの送信試験を実施したい場合は、毎時正時~5分間で実施します。
ELTが発信状態にないかを確認するためには、 飛行後にエンジンを停止する前に121.5をモニターして確認することができます。
もし遭難信号を聴知した場合は、近くの管制機関に報告をしなければなりません。
自身からの発信を疑う場合は、ELTのスイッチをいったんOFFにしてから再度モニターしましょう。
雷雨の接近について
雷雨の接近を認めた場合、急激な風向変動や低高度での乱気流が発生し機体のコントロールができなくなる可能性があるので、離着陸は控えなくてはなりません。TSは軽い物と考えてはなりません。
孤立した雷雨が飛行場に近づいているときに着陸を企図している場合、顕著な地点の上空で待機して雷雨の通過を待ちましょう。
ブラストエリア(後方排気影響範囲)について
45ktでの地上滑走中の大型ターボプロップ機の後方排気危険範囲:60ft
ジェット機のGND IDLE推力での後方排気危険範囲
大型機:600ft 中型機:450ft 小型機:200ft
中型機の離陸推力での後方排気危険範囲 :1,200ft
VDF無線方向探知機について
VDF: VHF Direction Finderで、VHF周波数の電波の方向性を利用して航法に活用する装置のことで、パイロットのリクエストに応じ多くの管制塔やフライトサービス機関が提供しているシステムです。基本的にそれまで入系していた周波数を利用します。
VDFを活用した航法は、もし自機の機位の判定が困難となったり不安を感じれば、利用することができます。この際、他機や障害物の回避の責任は依然としてパイロットにあることに留意する必要があります。利用するための周波数はCFSにて参照することができます。VDF航法を利用できていることすなわち管制機関からのRADAR CONTACTを得られているとは限らないことにも注意が必要です。
滑走路の複数機同時運用について
複数機同時運用は、順序による管制と異なり、2機の着陸機または1機ずつの離陸機と着陸機の場合に限って同時に滑走路使用を許可する運用方法です。
交差する滑走路を運用する場合、着陸機が着陸指示とそれに引き続く「HOLD SHORT OF INTERSECTION」の指示を理解している場合に限って、その滑走路における離陸許可を発出することができる効率的な運用法です。
LAHSO: Land And Hold Short Operationsとも呼ばれています。
この運用法による管制許可を出された場合は、基本的には従いますが、もし従えない理由が何かある場合には速やかに管制官にその旨通報します。
12.Regulations – General Airspace(空域に関する各種規程について)
覚える数値や事項が多く、PSTAR内で最も覚えにくい項目だと思っています。難易度:★★★★☆です。
一般的に
VFR飛行を実施している間は、常に地上の地形目標を参照しながら飛行します。
物件の投下
飛行中の航空機から地上の人または家屋に危険を及ぼす物件を落下させてはなりません。日本のように運輸大臣の許可があれば、ではありません。
曲技運動
クラスFのアドバイザリー空域において、飛行視程3SM以上あれば実施可能です。
編隊飛行
航空機どうしで事前調整を行えば実施可能です。
飲酒後の飛行制限
航空法上、酒精飲料を摂取後12時間以内は航空機の乗員として行動することができません。
免許証の確認について
免許保有者は、必要に応じて大臣に指定された者や各種法執行官、入国管理官の点検を受けなくてはなりません。
各種空域の定義・飛行法
ADIZ: Air Defense Identification Zone 防空識別圏に関する規則は、全ての航空機に対して適用されます。
クラスF空域の通過
クラスF空域の通過は、使用機関が許可した場合にのみ可能となります。
アドバイザリー空域の通過
アドバイザリー空域の使用については特に制限はありませんが、予定された演習等に参加する予定でないVFR機は、空域内で行動中の航空機を回避することに努めなければなりません。そのため、NOTAMやチャート等を活用し、使用予定時間等を確認しておく必要があります。
低高度空域の定義
カナダ国内空域内で18,000ft 以下の空域です。
管制圏の範囲
管制圏は一般に地表から3,000ft まで延長された空域です。
巡航高度選定
巡航高度選定は、日本と同じく対地3,000ft 以上で適用されます。
これ以上の高度帯を飛行する場合は、西向きで偶数、東向きで奇数の単位の高度帯を選定する必要があります。例えば、280°に飛行する場合は4,500ft、100°であれば3,500ftなどです。
Southern Domestic Airspaceにおける巡航高度の選定は、磁針航跡に基づいて行います。磁方位ではありません。
真方位で真北に向かおうとする場合、磁差が17°Wの地域であれば、磁方位は343°になるので、高度帯選定においては偶数高度帯を適用して4,500ftなどを選定します。
最低安全高度・距離
ヘリコプタ―の飛行法
ヘリコプタ―で、離着陸の目的以外で建設エリアの上空を飛行したり、特に飛行高度を指定されたり緊急である場合を除いて人の密集する地域の上空を飛行したり、人または家屋に危険をもたらすような着陸をすることは禁じられています。
また、飛行中に最も高い障害物から1,000ft の空域内に水平距離500ftで近接してはなりません。
人口非密集地や広い水上の飛行法
人または家屋の密集していない地域及び水上では、人・船舶・構造物から500ftの距離に入ってはいけません。
建設エリアの離着陸の制限
気球や航空法で認められた場合を除き、市街地の建設エリアにおける離着陸は、それが空港もしくは軍用の飛行場でない限り禁じられています。
日中と夜間の定義
カナダにおける日中とは、Morning Civil Twilightの開始からEvening Civil Twilightの終了までをいい、夜間とは、その逆でEvening Civil Twilightの終了から、Morning Civil Twilightの開始までの間を指します。
非管制空域でのVFR飛行条件
13.Controlled Airspace(管制空域の飛行法について)
管制空域は一般に交通量が多く、適切な通信要領や飛行法を熟知しなければ危険につながる可能性もあります。覚える事項は多くありませんが、前項の非管制空域の飛行法との違いを理解しておく必要があります。難易度:★★★☆☆です。
一般的に
管制空域の定義
管制空域とは、ATCサービスが提供されるすべての空域と定義されます。
ポイント:雲と離隔する水平距離
管制空域では1SM以上、非管制空域では2000ft以上です。違うことを覚えておき、どちらか迷ったら、「どちらがより混雑した空域で、長い距離を離隔しないと安全を確保できないか」を考えてみましょう。(1SM=約1600m、2000ft=約600m)
管制空域内の飛行法
管制圏の通過
VFRのクロスカントリー機がクラスC空域の管制圏を通過しようとする場合、ATCに意図を通報し許可を得る必要があります。
特別有視界方式で管制圏内を通過しようとする場合、無線機を搭載し、飛行視程または通報された場合は地上視程1SM以上、 地形を引き続き視認しながら雲から離れて飛行することができれば、管制圏内の飛行を管制官から許可を得ることができます。(ヘリの場合は、地上視程1/2SM以上)
管制圏に入る際の通信のタイミング
到着するVFR機がイニシャルコールを管制塔に対して実施する場合、管制圏に入る前に実施します。
クラスB空域内の飛行
VFRでクラスB空域内を飛行しようとする場合は、ATCの許可を受けることで飛行可能です。
進入管制区内の飛行
VFRでクラスCの進入管制区を飛行しようとする場合、特に許可されない限り、適切な管制機関との通信を設定し維持する必要があります。
14.Aviation Occurrences(航空事故要因について)
定義を一度知っておけば迷うことはなく、問題も少ないため、難易度:★★☆☆☆です。
事故調査のための機関や報告について
航空安全調査の主要目的は再発防止です。
民間航空事故報告の詳細はAIMで参照が可能です。
TSB: Transportation Safety Board は運輸安全委員会のことで事故調査などを行います。
搭乗員は、事故発生後可能な限り速やかにTSBにその報告をしなくてはなりません。
TSBは航空機が行方不明になったり連絡が完全途絶えた場合に「報告すべき航空事故」と扱います。インシデントではなく、アクシデントです。
TSBによる「事故」の定義
●人員については・・・
航空機に搭乗して航空機自体や破損した部品等により直接受けた損傷の結果として、人員が死亡または重傷を負うこと(ジェット排気やプロペラ後流、ヘリのダウンウォッシュ被害も含む)
●機体については・・・
航空機が大規模修理をしなくてはならないレベルで飛行特性や性能に影響を及ぼす構造上の損傷を受けること
●航空機の行動的には・・・
航空機が行方不明になったり連絡が完全に途絶えた状態になること
事故が起きたら
基本的に搭乗員は事故が発生した場合は航空機の現場保存に努めなければなりませんが、
・生存者を救出するため
・人員や物品への危険を回避するため
・火災による崩壊の防止のため
であれば、大臣の許可なく移動させてもよいとされています。