IFRクリアランス様式
IFRクリアランス (管制承認) は、次のような様式で発出されることになるため、事前にメモを取る準備をしておきます。
- コールサイン(航空機識別符)
- 管制承認限界点
- 標準出発方式 (SID)
- 経路
- 高度
- 速度
- 出発 / エンルート / 進入 / 待機指示
- 特別指示または特別情報
- 他機の情報
管制官とのイニシャル・コンタクトの際に、クリアランスを受領する準備が出来たら次のように通報します。
「(管制機関), (航空機), IFR CLEARANCE」
2つ以上のフライトプランを提出している場合には、目的飛行場名を伝えながらリクエストすることで管制官が間違うことなくクリアランス発出をしてくれることを念頭に置きましょう。

Charlottetown Radio, JAZZ 331, IFR clearance for Moncton.

JAZZ 331, Charlottetown Radio, roger, standby for clearance.

ATC clears Jazz 331,…
管制空港から出発する際に、予め地上でSIDも含まれたクリアランスを受領できていた場合には、パイロットは単にコールサインと指定されたトランスポンダーのコードを復唱することでその受信を了承します。SIDに含まれる高度に関する追加や訂正のクリアランスがある場合には、その分も復唱が必要です。管制官が完全文でのリードバックを要求する場合には、もちろんこれに従います。
出発前クリアランス (PDC)
出発前クリアランス (PDC) は、データリンク・サービスにより管制官との通信が可能となった端末を有するエアライン会社などが採用するシステムで、上空地上データリンク (AGDL) を用いて電子的にクリアランスが伝達されるものです。
PDCの精度を確実にするため、管制官はパイロットが提出したフライトプランの内容 (FPUI) と管制塔内のEXCDS画面での情報とを比較します。もし間違いがあれば、通常の音声通信を通じてクリアランスが出されることになります。
「PDC623規定」にしたがっていれば、パイロットも応答は電子的に行うことができ、管制官はそれをEXCDS画面を通じて確認することが出来ます。誤りが検出された場合には、管制官とパイロットの両者に通知がなされ、音声通信での確認が求められます。
FSSがクリアランスの伝達を行う場合には、次のような文言が冒頭に付されます。
「ATC CLEARS (航空機) TO …」

ATC clears WESTJET 331, to Moncton, Romeo-Leblanc airport, via the
Charlottetown three departure, flight planned route. SQUAWK 5227.

WESTJET 331, SQUAWK 5227.
一方でATCがクリアランスを発出する場合には、次のような交話法になります。
「(航空機) CLEARED」

Montreal clearance AIR CANADA 401, IFR clearance.

AIR CANADA 401, Montreal clearance, cleared to Toronto Pearson, Montreal
one departure, SQUAWK 1522.

AIR CANADA 401, roger, Montreal One departure, SQUAWK 1522.
クリアランス上で経路変更が生じた場合
発出されようとするクリアランスの中で変更が生じた場合には、管制官はそれをパイロットに次のような交話法を用いて伝えます。
「(航空機) ROUTING CHANGE / AMENDMENT TO YOUR ROUTE」

AIR CANADA 173, routing change, advise ready to copy.

AIR CANADA 173, roger, go ahead.

AIR CANADA 173 is cleared to the Edmonton Airport via Ottawa two departure, flight planned route Thunder Bay VOR, direct Prince Albert VOR, direct Wainwright VOR, V350 Ryley, direct.

AIR CANADA 173, roger. Cleared to the Edmonton Airport via Ottawa two departure. Flight planned route Thunder Bay VOR, direct Prince Albert VOR, direct Wainwright VOR, V350 Ryley, direct.
出発指示
TOWER管制官が出発しようとする航空機に対して滑走路内に進入することを許可する際、次のような指示が併せて出されます。
「(航空機), ROUTING CHANGE / AMENDMENT TO YOUR ROUTE」
「(航空機), LINE UP (滑走路)」
「(航空機), LINE UP AT (滑走路) INTERSECTION」
同一滑走路内の別の進入地点が他機により使用中の場合、管制官は滑走路端 (threshold) にて進入待機 (line up) するよう特に指示を行います。
「(航空機), LINE UP AT THRESHOLD (滑走路)」
管制官が航空機に対して進入待機を指示したものの離陸許可の発出が遅れることが明らかな場合には、次のように伝えられます。
「(航空機), LINE UP AND WAIT (滑走路番号) [AT (誘導路)] (明白な場合は理由)」

JAZZ 151 line up and wait RWY24R, vehicle inspecting the runway.
必要に応じ管制官は、詳細な出発指示を次のような様式を用いて与えることがあります。
離陸許可のフォーマット
- 航空機, 管制機関 (呼び掛け)
- 特別情報 (危険や障害物などの詳細を含む)
- 管制指示 (旋回や離陸後の機首方位などの情報を含む)
- 風情報 (風速15kt以上の場合)
- FROM (意図 / 滑走路末端)
誘導路や滑走路のインターセクション、同一滑走路上に複数の滑走路進入点がり、そうした箇所から離陸滑走を開始する場合に、この「FROM〇〇」が付けられます。
- CLEARED FOR TAKEOFF (滑走路)
「(航空機), (出発指示), CLEARED FOR TAKEOFF, RUNWAY (滑走路)」

JAZZ 151, turn right heading 280, cleared for takeoff RWY24R.

Right turn heading 280, cleared for takeoff RWY24R, JAZZ 251.
パイロット所定による離陸
「At your discretion」という用語での離陸は、非管制空港で用いられるもので、パイロット自身の裁量により離陸を判断できるものです。水上機やヘリコプターに対しては頻繁に使用される用語となります。一般的にはVFR機に対して発出されるものではありますが、IFR機に対して発出されることもあります。安全と他機間隔の確保は、パイロットの責任となります。
管制官は、この用語による離陸許可が発出された後は、パイロットは安全上支障のない範囲で可及的速やかに離陸し、周囲を飛行する他機に対して、自機の飛行している事実を伝えることが求められます。
周波数変更
自身に対して発出された管制承認 (クリアランス) や管制指示 (インストラクション) については、周波数の変更に関しても同様にパイロットはそれを了承することが求められます。
少数点2桁目が0もしくは5では終わらず、2や7で指示されることがあり、これは6桁目の存在である25や75を示しますが、万が一6桁目の設定が出来ない機体で通信がうまくとれない場合が生じたら、代替周波数をアサインしてもらいましょう。

AIR CANADA 423, contact Toronto Departure on 124.67.

124.67, AIR CANADA 423.
管制官:「(航空機), CONTACT/MONITOR (移管先機関) ON (新周波数) AT (時間) / OVER (管制機関)」
航空機:「(新周波数), (航空機)」

AIR CANADA 423 in 3 minutes, contact Toronto centre on 124.67.

Toronto centre on 124.67 in 3 minutes, AIR CANADA 423.

AIR CANADA 423, over Quebec NDB, contact Quebec tower on 118.65.

Roger Quebec tower on 118.65 over Quebec NDB , AIR CANADA 423.






