カナダIFR航空無線交話法2【出発】

FLIGHT

公式サイト:NAV CANADA「IFR PHRASEOLOGY

IFRクリアランス様式

IFRクリアランス (管制承認) は、次のような様式で発出されることになるため、事前にメモを取る準備をしておきます。

IFRクリアランス様式
  1. コールサインPrefix/aircraft ID(航空機識別符)
  2. 管制承認限界点Clearance limit
  3. 標準出発方式 (SID)
  4. 経路Route
  5. 高度Altitude
  6. 速度Speed
  7. 出発Departure / エンルenrouteート / 進入approach / 待機指示holding instructions
  8. 特別指示Special instructionsまたは特別情報information
  9. 他機の情報Traffic information

管制官とのイニシャル・コンタクトの際に、クリアランスを受領する準備が出来たら次のように通報します。

イニシャル・コンタクト時のIFRクリアランス要求要領

「(管制機関), (航空機), IFR CLEARANCE

2つ以上のフライトプランを提出している場合には、目的飛行場名を伝えながらリクエストすることで管制官が間違うことなくクリアランス発出をしてくれることを念頭に置きましょう。

JAZZ
JAZZ

Charlottetown Radio, JAZZ 331, IFR clearance for Moncton.

FSS
FSS

JAZZ 331, Charlottetown Radio, roger, standby for clearance.

FSS
FSS

ATC clears Jazz 331,…

管制空港から出発する際に、予め地上でSIDも含まれたクリアランスを受領できていた場合には、パイロットは単にコールサインと指定されたトランスポンダーのコードを復唱することでその受信を了承します。SIDに含まれる高度に関する追加や訂正のクリアランスがある場合には、その分も復唱が必要です。管制官が完全文でのリードバックを要求する場合には、もちろんこれに従います。

出発前クリアランス (PDC)

出発前クリアランスPre-Departure Clearance (PDC) は、データリンク・サービスにより管制官との通信が可能となった端末を有するエアライン会社などが採用するシステムで、上空地上air-groundデータdataリンクlink (AGDL) を用いて電子的にクリアランスが伝達されるものです。

PDCの精度を確実にするため、管制官はパイロットが提出したフライトプランの内容flight plan unique identifier (FPUI) と管制塔内のEXCDS画面での情報とを比較します。もし間違いがあれば、通常の音声通信を通じてクリアランスが出されることになります。

「PDC623規定」にしたがっていれば、パイロットも応答は電子的に行うことができ、管制官はそれをEXCDS画面を通じて確認することが出来ます。誤りが検出された場合には、管制官とパイロットの両者に通知がなされ、音声通信での確認が求められます。

内容に変更があった場合や、FPUIに誤りがあった場合には、通常と同様の完全文でのリードバックが必要となります。
バンクーバーTWR、トロント・ピアソン空港、モントリオール/トルドー空港、オタワ・マクドナルド・カルティエ空港などの一部の空港や管制塔では、指定SIDのリードバックを義務付けているところもあり、カナダ飛行情報補足誌 (CFS) にてその内容を確認することが出来ます。

FSSがクリアランスの伝達を行う場合には、次のような文言が冒頭に付されます。

FSSがクリアランス伝達をする際の交話要領

ATC CLEARS (航空機) TO …」

FSS
FSS

ATC clears WESTJET 331, to Moncton, Romeo-Leblanc airport, via the
Charlottetown three departure, flight planned route. SQUAWK 5227.

WS331
WS331

WESTJET 331, SQUAWK 5227.

一方でATCがクリアランスを発出する場合には、次のような交話法になります。

ATCがクリアランス発出をする際の交話要領

「(航空機) CLEARED

AC401
AC401

Montreal clearance AIR CANADA 401, IFR clearance.

ATC
ATC

AIR CANADA 401, Montreal clearance, cleared to Toronto Pearson, Montreal
one departure, SQUAWK 1522.

AC401
AC401

AIR CANADA 401, roger, Montreal One departure, SQUAWK 1522.

SIDはIFR上の安全間隔の確保騒音対策障害物回避が考慮された方式です。誤ったSID方式を飛行することは、不安全な状況を誘発することとなりかねず、安全間隔の損失翼端渦の影響に陥る可能性もあります。とるべきSIDについて確信がもてない場合には、確認をしましょう。

クリアランス上で経路変更が生じた場合

発出されようとするクリアランスの中で変更が生じた場合には、管制官はそれをパイロットに次のような交話法を用いて伝えます。

クリアランス上で経路変更が生じた場合の交話法

「(航空機) ROUTING CHANGE / AMENDMENT TO YOUR ROUTE

ATC
ATC

AIR CANADA 173, routing change, advise ready to copy.

AC173
AC173

AIR CANADA 173, roger, go ahead.

ATC
ATC

AIR CANADA 173 is cleared to the Edmonton Airport via Ottawa two departure, flight planned route Thunder Bay VOR, direct Prince Albert VOR, direct Wainwright VOR, V350 Ryley, direct.

AC173
AC173

AIR CANADA 173, roger. Cleared to the Edmonton Airport via Ottawa two departure. Flight planned route Thunder Bay VOR, direct Prince Albert VOR, direct Wainwright VOR, V350 Ryley, direct.

出発指示

TOWER管制官が出発しようとする航空機に対して滑走路内に進入することを許可する際、次のような指示が併せて出されます。

滑走路進入許可の交話法1

「(航空機), ROUTING CHANGE / AMENDMENT TO YOUR ROUTE

「(航空機), LINE UP (滑走路)」

「(航空機), LINE UP AT (滑走路) INTERSECTION

同一滑走路内の別の進入地点が他機により使用中の場合、管制官は滑走路端 (threshold) にて進入待機 (line up) するよう特に指示を行います。

滑走路進入許可の交話法2

「(航空機), LINE UP AT THRESHOLD (滑走路)」

管制官が航空機に対して進入待機を指示したものの離陸許可の発出が遅れることが明らかな場合には、次のように伝えられます。

滑走路進入許可の交話法3

「(航空機), LINE UP AND WAIT (滑走路番号) [AT (誘導路)] (明白な場合は理由)」

ATC
ATC

JAZZ 151 line up and wait RWY24R, vehicle inspecting the runway.

必要に応じ管制官は、詳細な出発指示を次のような様式を用いて与えることがあります。

離陸許可のフォーマット

詳細情報のある場合の離陸許可の交話法
  • 航空機, 管制機関 (呼び掛け)
  • 特別情報 (危険hazards障害物obstructionsなどの詳細を含む)
  • 管制指示 (旋回turnや離陸後の機首方位headingなどの情報をinformation含む)
  • 風情報 (風速15kt以上の場合)
  • FROM (意図 / 滑走路末端)

誘導路や滑走路のインターセクション、同一滑走路上に複数の滑走路進入点がり、そうした箇所から離陸滑走を開始する場合に、この「FROM〇〇」が付けられます。

  • CLEARED FOR TAKEOFF (滑走路)
通常の離陸許可の交話法

「(航空機), (出発指示), CLEARED FOR TAKEOFF, RUNWAY (滑走路)」

ATC
ATC

JAZZ 151, turn right heading 280, cleared for takeoff RWY24R.

JAZZ151
JAZZ151

Right turn heading 280, cleared for takeoff RWY24R, JAZZ 251.

管制官は出発指示の内容を必ず離陸許可の前に付与します。これを離陸許可と勘違いしないように注意し、出発指示を正確にリードバックして離陸許可の発出を待ちましょう。

パイロット所定による離陸

At your discretion」という用語での離陸は、非管制空港で用いられるもので、パイロット自身の裁量により離陸を判断できるものです。水上機やヘリコプターに対しては頻繁に使用される用語となります。一般的にはVFR機に対して発出されるものではありますが、IFR機に対して発出されることもあります。安全と他機間隔の確保は、パイロットの責任となります。

管制官は、この用語による離陸許可が発出された後は、パイロットは安全上支障のない範囲で可及的速やかに離陸し、周囲を飛行する他機に対して、自機の飛行している事実を伝えることが求められます。

周波数変更

自身に対して発出された管制承認 (クリアランス) や管制指示 (インストラクション) については、周波数の変更に関しても同様にパイロットはそれを了承するacknowledgeことが求められます。
少数点2桁目が0もしくは5では終わらず、2や7で指示されることがあり、これは6桁目の存在である2575を示しますが、万が一6桁目の設定が出来ない機体で通信がうまくとれない場合が生じたら、代替周波数をアサインしてもらいましょう。

ATC
ATC

AIR CANADA 423, contact Toronto Departure on 124.67.

AC423
AC423

124.67, AIR CANADA 423.

周波数の変更に関する交話法

管制官:「(航空機), CONTACT/MONITOR (移管先機関) ON (新周波数) AT (時間) / OVER (管制機関)」

航空機:「(新周波数), (航空機)」

「ON 126.7」のように周波数に「ON」の前置詞を付けることは、あくまでもオプションでありマストではありません

ATC
ATC

AIR CANADA 423 in 3 minutes, contact Toronto centre on 124.67.

AC423
AC423

Toronto centre on 124.67 in 3 minutes, AIR CANADA 423.

ATC
ATC

AIR CANADA 423, over Quebec NDB, contact Quebec tower on 118.65.

AC423
AC423

Roger Quebec tower on 118.65 over Quebec NDB , AIR CANADA 423.

その他のIFR無線交話法まとめ

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