カナダIFR航空無線交話法3【各種指示】

FLIGHT

公式サイト:NAV CANADA「IFR PHRASEOLOGY

誘導 (ベクター)

航空機の機首方位に関する指示は、「Heading」の用語の後に示される3桁の数字で方位が示されます。南部国内空域Southern Domestic Airspace (SDA) では磁方位、北部国内空域Northern Domestic Airspace (NDA) では真方位が利用されています。

誘導の開始 (理由の通報)

誘導開始理由を示す交話法

「(航空機) TURN RIGHT/LEFT or FLY HEADING (方位), (誘導理由)」

ATC
ATC

AFF, fly heading 310, vectors for traffic, expect direct OKREV in 20NM.

C-GAFF
C-GAFF

AFF, roger, heading 310.

ATC
ATC

AIR TRANSAT 537, turn left heading 210, vectors for sequencing.

TS310
TS310

Left heading 210, Air Transat 537.

ATC
ATC

PORTER 423, STAR cancelled, fly heading 140, vectors to intercept the localizer, expect a 10NM final.

PD423
PD423

PORTER 423, roger, check the STAR is cancelled, heading 140.

ATC
ATC

AIR CANADA 661, maintain present heading, expect a 10NM final.

ATC
ATC

WESTJET 844, maintain present heading, expect base leg in 6NM.

誘導の終了

誘導終了時の交話法

「(航空機) [IFR経路への会合指示] (航空路/フィックス名/アプローチ経路等)」

ATC
ATC

ROUGE 643, proceed direct VERKO on course.

ROUGE643
ROUGE643

Direct VERKO on course, ROUGE 643.

高度指示

高度帯の指定の本来的理由は、管制官により他機との安全感覚の確保です。
垂直間隔であれば1,000ft、同高度であればターミナル空域で3NM、エンルート中であれば5NMが基本です。

高度を指示される場合の交話法

「(航空機) CLIMB to / DESCEND to (高度)」

ATC
ATC

WESTJET 811, climb to FL330.

制限付きの高度指示

あるフィックスの通過高度に指定がある場合の高度指定の交話法は次のようになります。

通過高度指定がある場合の交話法

「(航空機) CROSS (フィックス) AT (高度). 」
「(航空機) CROSS (フィックス) AT OR ABOVE / BELOW (高度).」

「(航空機) NOT ABOVE / BELOW (高度) UNTIL (時間/フィックス).」

ATC
ATC

AIR CANADA 506, climb to 15,000, cross KATSY at 6,000 or below.

AC506
AC506

Climb to 15,000, cross KATSY at 6,000 or below, AIR CANADA 506.

上昇降下のタイミングや開始地点に指定がある場合には次のような交話法になります。

上昇降下のタイミング/開始地点に指定がある場合の交話法

「(航空機) CLIMB / DESCEND TO (高度) IMMEDIATELY / AFTER PASSING (フィックス).」

「(航空機) CLIMB / DESCEND TO (高度) AT (時間).」

「(航空機) STOP CLIMB / DESCENT AT (高度).」

「(航空機) CONTINUE / WHEN READY CLIMB / DESCEND TO (高度).」

「WHEN READY」という用語が使用されることがありますが、これはパイロットが適切だと思ったタイミングでその先の操作 (上昇降下等) をすることが期待される場合の交話法です。標準到着方式 (STAR) やRNAV進入、RNAVを利用した標準出発方式 (RNAV SID)を利用している場合、管制官から特別にキャンセルを伝えられない限り、パイロットは公示された制限事項にしたがう必要があります。

「WHEN READY」の最終目的は、最適な降下ポイントで降下ができるようパイロットに飛行管理システム (FMS) の設定を行う時間を与えることです。
かつて使用された「AT PILOT’S DISCRETION」の用語に代わって使用されます。
この新旧用語の一番の違いは、「WHEN READY」で降下をした場合には、暫定的なレベルオフが管制官の許可なくできないということです。

高度指定された地点名やタイミングへの到達を達成するため、次のような指示がされることがあります。

指定地点やタイミングでの上昇降下を達成するための追加指示

「(航空機) EXPEDITE CLIMB / DESCENT UNTIL PASSING / REACHING (高度)」

管制空域内

次の用語は管制空域 (controlled airspace) への出入域時の交話法です。

管制空域出入域時の交話法

「(航空機) MAINTAIN (高度) WHILE IN CONTROLLED AIRSPACE

ATC
ATC

CREE 551, maintain 9,000 while in controlled airspace.

CREE551
CREE551

Maintain 9,000 while in controlled airspace, CREE 551.

上昇降下の補足指示

上昇降下の補足指示の交話法

「(航空機) CONTINUE CLIMB / DESCENT TO (高度)」

「(航空機) STOP CLIMB / DESCENT AT (高度)」

高度帯の使用

乱気流の回避や所望の飛行を行うため、パイロットは次のような交話法を用いてある程度幅を持たせた高度帯での飛行を管制官に要求することが出来ます。

高度帯での飛行に関する交話法

「(航空機) MAINTAIN BLOCK (高度) TO (高度)」

ATC
ATC

CANADAIR 51, maintain block 14,000 to 16,000.

CANADAIR 51
CANADAIR 51

Maintain block 14,000 to 16,000, CANADAIR 51.

速度指示

管制官に「SAY AIRSPEED」もしくは「SAY MACH NUMBER」の用語で現在速度を求められた場合には、次ような交話法を用いて機体の指示速度をktもしくはMach数で通報します。

ATC
ATC

SPEEDBIRD 94, say Mach number.

SPEEDBIRD 94
SPEEDBIRD 94

SPEEDBIRD 94, Mach.84.

特定速度の維持

管制官は、次のようなパターンの交話法を用いて速度調整を指示することがあります。

速度調整の指示に関する交話法

「(航空機) MAINTAIN PRESENT SPEED / MACH NUMBER

「(航空機) MAINTAIN SPEED (kt速度) KNOTS / MACH (Mach数)」

「(航空機) MAINTAIN SPEED (kt速度) KNOTS OR GREATER / LESS

「(航空機) MAINTAIN MACH (Mach数) OR GREATER / LESS

増減速の指示

管制官は、次のようなパターンの交話法を用いて現在速度の増減速を指示することがあります。

現在速度の増減速指示に関する交話法

「(航空機) INCREASE / REDUCE SPEED BY (kt速度) KNOTS / MACH (Mach数)」

「(航空機) INCREASE / REDUCE SPEED TO (kt速度) KNOTS / MACH (Mach数)」

ATC
ATC

WESTJET 110, reduce speed to 250 knots.

WS110
WS110

Roger, reducing speed to 250 knots, WESTJET 110

速度制限

速度制限に関する交話法

「(航空機) REDUCE TO MINIMUM APPROACH SPEED

降下前の速度制限

降下前の速度制限に関する交話法

「(航空機) REDUCE SPEED TO (kt速度) KNOTS, THEN DESCEND TO (高度)」

降下後の速度制限

降下後の速度制限に関する交話法

「(航空機) DESCEND TO (高度), THEN REDUCE SPEED TO (kt速度) KNOTS / MACH (Mach数)」

「(航空機) DESCEND TO (高度), THEN REDUCE SPEED BY (kt速度) KNOTS / MACH (Mach数)」

特定速度の超過防止

特定速度の超過防止に関する交話法

「(航空機) DO NOT EXCEED SPEED (kt速度) KNOTS

「(航空機) DO NOT EXCEED MACH (Mach数)」

前後のトラフィックとの管制間隔の維持を目的として、最終進入時に管制官に速度指示されることがあります。
空港の安全で円滑な運用を実現するためには、この速度の維持が非常に重要です。

状況認識 (situational awareness) のアンテナを高く張るコクピット内のマネジメントを行うことが、航空安全において非常に重要です。

その他のIFR無線交話法まとめ

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