免許に関する例外規定ついては、夜間飛行の技量維持に関する規定や、免許申請後に実際の免許が到着するまでの間の権限の行使に関する措置が設けられています。
操縦許可証、免許、資格における全部または一部を夜間飛行として行う場合の技量維持要件について (NCR-034-2019)
NCR-034-2019
カナダ航空規則 第401.05(2)(b)(i)(B)項の例外規定
対象者
対象者
操縦許可証、免許、資格の保有者
措置の具体的内容
措置の具体的内容
予定する飛行の一部または全部が夜間で実施される場合で、大臣に指定された検定官以外の乗客を同乗させて飛行する場合に、6ヵ月以内に5回以上の夜間離着陸経験がなくても飛行ができると認められるものです。
ただし、これはあくまでもVFRで飛行する飛行訓練などに適用されるものではなく、路線で運航する機体が、定期路線や貨物運航などへの影響が最小限となるように定められた例外規定とみられ、下記で示すように適用条件も厳しく設定がされています。
適用条件
当例外規定の適用条件
- 運航事業社もしくは個人運航者が、カナダ航空規則(CARs)第107.03項に合致する安全管理システム(SMS)を保有していること
- 操縦士が過去90日以内に15時間以上の飛行時間を有すること
- 使用する航空機は、運航に2人の操縦士を要する多発機で輸送カテゴリーで使用される航空機とする
- 操縦士は、両方とも最新の有効な計器飛行証明を保有していいること
- 機長は、定期運送用操縦士免許(ATPL)を保有し、使用する機体の型式において250時間、合計で1500時間の飛行経験を有していること
- 第2操縦士は、少なくとも事業用操縦士免許(CPL)を保有し、使用する機体の型式において100時間、合計で500時間の飛行経験を有していること
- ビジュアル・アプローチやコンタクト・アプローチを実施しないこと
- 周回進入 (サークリング・アプローチ) を実施しないこと
- 実際の計器気象条件で実施される進入方式にしたがって、最小制限まで公示された計器進入方式にしたがって飛行し、着陸に向けた視認飛行への移行を行うこと
有効期限
有効期限 (次のうちいずれか早いもの)
- 2025年3月31日 23:59 (EST) まで
- 公益性が失われた、もしくは運輸大臣が航空安全やセキュリティ上の悪影響を与える可能性が高いと判断した場合に、書面によりこの例外規定を取り消すまで
臨時の追加資格が付随する許可証もしくは免許の保有者に対する新しい許可証もしくは免許を受領するまでの一時的な有効期間延長措置について (NCR-073-2020)
NCR-073-2020
カナダ航空規則 第401.06(2)項の例外規定
対象者
見出し
臨時の追加資格が付随する許可証もしくは免許の保有者
措置の具体的内容
措置の具体的内容
新たな資格を得て発行までに時間を要する状況があるため、新しいものが到着するまでの間に有効期限が失効してしまう場合には、90日間の追加の期間延長を認めるものです。
通常、新規で免許を取得したり、それに付随する追加資格を取得した場合には、初回でADBが発行される場合を除いて、追加情報はADBに貼付するステッカーが郵送される形式がとられています。
カナダ運輸省(TC)の業務が引き続き限定的であることから、これらの発行業務に遅れが出ていることが予測され、それに伴って追加資格を申請したものの、受領できていないことで業務や訓練に支障が出ることを防ぐための例外規定と推察されます。
適用条件
当例外規定の適用条件
- この期間延長の例外規定は、新しい免許証や追加資格などを受領した時点で失効
- すべてのカナダ航空規則(CARs)に準拠すること
有効期限
有効期限 (次のうちいずれか早いもの)
- 2020年12月31日 23:59 (EST) まで
- 公益性が失われた、もしくは運輸大臣が航空安全やセキュリティ上の悪影響を与える可能性が高いと判断した場合に、書面によりこの例外規定を取り消すまで