カナダ多発機飛行資格「Multi-Engine Rating」の飛行実技検定課目

FLIGHT

2021年1月更新の第11版多発機操縦資格用「飛行実技検定ガイド」(飛行機)を参照して作成しています。

飛行検定に関する共通事項

自家用操縦士免許(PPL)、事業用操縦士免許(CPL)、多発機飛行資格(Multi)、計器飛行証明(Instrument)、飛行教育証明(Instructor)など、飛行実技検定が必要な免許や資格/証明がありますが、その中でも検定に関する一般事項として、申請要領採点方法など共通の事項については、下の記事でまとめていますので、こちらをご覧ください。

飛行検定課目一覧

オレンジ色で示されている課目が採点対象であるが、123つ選択されるので、合計26項目となる。
各項目「4点」(満点)~「1点」(不合格)の4段階で評価され、合計点数が70%以上73点以上にて合格となる。

多発機資格の飛行検定の平均検定飛行時間は、1.1時間です。(TP 14277「飛行検定官マニュアル」より)

第11版での変更 (追加) 事項

第11版での変更 (追加) 事項

2019年9月25日発効のアドバイザリーサーキュラー第408-002号「飛行検定における2点の制限数について」に基づき、検定内で取得する「2点」の上限数が、4つまでと明記されました。つまり、検定の結果「1点」の項目がなければ、「2点」を4つまで取得しても合格であるということです。
この条項は、再検定や部分再検定場合にも、シミュレーターを使用した検定にも適用されるとされています。
再検定については、「2点」と「1点」の合計ポイントが「4」になるかどうかで完全再検定か部分再検定になるかが変わります。

【完全再検定になる例】
「2点」×4以上+「1点」×1で検定は終了、完全不合格
「2点」×5以上で検定は終了、完全不合格
【部分再検定になる例】
「2点」×2+「1点」×2で「4」と計算、部分合格となり不合格課目×2を再検定
「2点」×3+「1点」×1で「4」と計算、部分合格となり不合格課目×1を再検定
【合格になる例】
「2点」×4まで+「1点」なしなら合格

なお、各検定における「2点」の取得許容数は、以下のとおりです。

レク操縦士
RPP
自家用操縦士
PPL
事業用操縦士
CPL
多発資格
Multi Rating
計器飛行証明
Instrument Rating
65443

用語の定義

臨界発動機

臨界発動機Critical engine
故障failureに際し、機体の性能performance操縦性handling qualitiesにもっとも悪影響adversely affectを及ぼすエンジン

設計フラップ速度(VF)

設計フラップ速度Design Flap Speed(VF)
フラップflaps展張できるmay be extended最大速度maximum speed

意図的片発不作動速度(VSSE)

意図的片発不作動速度Intentional One Engine Inoperative Speed(VSSE)

  • 1つのエンジンが突然停止したsuddenly rendered inoperativeときに、横方向lateral方向管制directional controlに対する余裕marginを確保するために選択されるVMC失速速度stall speedよりも大きい速度speed above both
  • この速度未満belowでの意図的Intentional片発故障failing of one engine非推奨not recommended
  • POH/AFMにVSSE示されstateていない場合は、VMC+10ktを使用
運動速度(VA)

運動速度Manoeuvring Speed(VA)
空力的な制御aerodynamic controlをできる限り最大限full available行っても、機体には過大な負荷overstressとならない最大速度maximum speed

最大フラップ展張速度(VFE)

最大フラップ展張速度Maximum Flap Extended Speed(VFE)
フラップwing flaps展張状態extended positionにおける最大許容速度maximum speed permissible

最大脚下げ速度(VLE)

最大脚下げ速度Maximum Landing Gear Extended Speed(VLE)
着陸装置landing gear展張extended状態における最大許容速度maximum speed permissible

最大脚操作速度(VLO)

最大脚操作速度Maximum Landing Gear Operating Speed(VLO)
着陸装置landing gear操作operatingにおける最大許容速度maximum speed permissible

最小操縦速度(VMC)

最小操縦速度Minimum Control Speed(VMC)
臨界critical発動機engine突然sudden故障failureの際に、最大ラダーmaximum rudderバンク5°未満not more than 5 degrees of bankで機体の操縦retain control水平飛行straight flight維持maintainすることができる最小飛行速度minimum flight speed

機体の種類ごとのVMC決定条件
  1. 臨界critical発動機engine不作動failureのときに全エンジン最大出力maximum rated powerを発揮
  2. 機体が実用上practical最小重量minimum test weightで、重心位置center of gravity後方限界rearmost
  3. ギア格納landing gear retractedフラップflaps離陸位置in take-off position故障しfailed臨界critical発動機engine側のプロペラpropellerウィンドミルwindmilling状態速度VMC未満below、機体は故障エンジン側towards the failed engineヨーyaw及びロールroll
    作動goodエンジンengine側の出力を減少reduction in powerさせること、またはピッチ姿勢pitch attitude変化changeによる増速increasing、またはその両方bothだけで操縦性controlが十分回復regainedすることを特に強く強調emphasized
片発不作動時の最良上昇角速度(VXSE)

片発不作動時の最大上昇角速度One Engine Inoperative Best Angle-of-Climb Speed(VXSE)
片発不作動one engine inoperative状態における水平距離horizontal distanceあたり最大の高度maximum altitudeを獲得できる速度speed

片発不作動時の最良上昇率速度(VYSE)

片発不作動時の最大上昇率速度One Engine Inoperative Best Rate-of-Climb Speed (VYSE)
片発不作動one engine inoperative状態における時間per minuteあたり最大の高度maximum altitudeを獲得できる速度speed

失速速度(VSO)

失速速度Stalling Speed(VSO)
機体が着陸形態landing configuration操縦可能controllableとなる最小飛行速度minimum steady flight speed

課目1:航空機の慣熟と飛行準備

1A 書類および耐空性(地上課目)

1A 書類および耐空性Documents and Airworthiness(地上課目Ground Item)
「書類および耐空性」の目的
  • 機内搭載carried on boardが必要な書類documents有効性validity正しくcorrectly評価assessできること。
  • 文書による確認reviewing判断determinedできる限り、機体が耐空性airworthyを有しており飛行業務可能released for serviceな状態であること、予定の飛行をしても次回next整備作業maintenance actionまでに十分adequate飛行air時間timeあるremainingことを確認すること。
「書類および耐空性」の概要
  • 機内搭載carried on boardするすべてall書類documents有効性validity確認determine
  • 所要整備maintenance完了completed認定certificationsの取得の確認
  • 予定の飛行時間中に計画整備maintenance事項actionsが発生しないことの確認
「書類および耐空性」の合格基準
  1. 機内に搭載on boardする書類documents有効validであること示すdetermine
  2. 整備maintenanceに関する認定certificatioがあること、機体が使用可能状態serviceabilityであること、予定飛行に必要な計画整備inspectionが行われているかを確認determineする。
  3. 次回の整備業務や作業next service or maintenance taskまでの残飛行時間数number of flying hours remaining示すdetermine
  4. 整備に関すmaintenance release状況conditions制限limitationsがないことを確認ensureする。
  5. 機体の運用operationsに関する先送りdeferredされた欠陥defects事項が予定の飛行に及ぼし得る影響impactについて示すdetermine
  6. 飛行中に機体に使用不可能unserviceabilitiesな事項見つかったdiscovered場合の対処要領process for dealing withについて説明explainする。

飛行訓練施設(FTU)における整備Maintenance管理ControlマニュアルManual(MCM)や、使用する機体に関する認定Approved整備Maintenance計画Schedule(AMS)に関する知識knowledge示すdemonstrate必要はないno requirement

1B 性能諸元と運用制限(地上課目)

1B 性能諸元と運用制限Performance and Limitations(地上課目Ground Item)
「性能諸元と運用制限」の目的
  • 検定に使用する機体に関する性能諸元performance運用制限limitationsに関して、実用上practical知識knowledgeを有していることを示すdetermineこと。
  • 重要essential速度speedsに関する事項は記憶memoryからquoted示すこと。
「性能諸元と運用制限」の概要
  • 航空図chartsや、離陸距離take-off distance上昇climb巡航cruise片発巡航single-engine cruise飛行可能時間endurance着陸距離landing distanceなどの機体の性能performanceを算出するための各種性能表tables/dataなどの実用的practical使用法useについて示すdemonstrate
  • 制限超過exceeding limitations時に起こり得る悪影響adverse effectsについて説明explain
  • 重要Essential性能速度performance speeds記憶memoryから説明quoted
  • 機体の性能performanceデータdataはPOH/AFMから参照determined
「性能諸元と運用制限」の合格基準
  • 記憶memoryから次の重要essential速度speedsについて示すstateこと。
記憶から示す重要速度
  1. 最大maximum着陸landing重量weight時の失速stall速度speed着陸形態landing configuration(VSO)
  2. 片発不作動one engine inoperative時の最良best上昇率rate of climb速度speed(VYSE)
  3. 片発不作動one engine inoperative時の最良best上昇角angle of climb速度speed(VXSE)
  4. 運動manoeuvring速度speed(VA)
  5. 最小minimum操縦control速度speed(VMC)
  6. 最大maximum脚下げlanding gear extended速度speed(VLE)
  7. 最大maximumlanding gear操作operating速度speed(VLO)
  8. 最大maximumフラップflap展張extended速度speed(VFE)
  9. 意図的intentional片発不作動one engine inoperative速度speed(VSSE)
  • 予定飛行に関する次の事項を算出calculateすること。
算出する諸元等
  1. 加速停止accelerate–stop距離distance(データdataあるavailable場合)
  2. 50ftまたは実在existing障害物obstacle回避clearするための合計total離陸take-off距離distance
  3. 特定specified高度altitudeまでの上昇climb必要required所要時間time所要燃料fuel
  4. 片発不作動one engine inoperative時の上昇率rate of climb
  5. 予定planned巡航cruising高度altitudeにおける片発不作動one engine inoperative時のエンルートenroute性能performance
  6. 計画planned巡航cruisingにおける出力power設定setting(%/MP/RPM)と予想expected巡航cruise速度speed(KTAS)
  7. 搭載燃料fuel load予定proposed出力設定settingsでの飛行可能時間available flight time
  8. 50ftまたは実在existing障害物obstacle回避clearするための合計total着陸landing距離distance

1C 飛行原理-片発不作動(地上課目)

1C 飛行原理Principles of Flight片発不作動One Engine Inoperative(地上課目Ground Item)
「飛行原理-片発不作動」の目的

片発不作動one engine inoperative飛行flight原理principlesに関する実用的practical知識knowledgeを有していることを示すdetermine

「飛行原理-片発不作動」の概要
  • 片発不作動one engine inoperative飛行原理principles of flightに関する実用的practical知識knowledge
    • 航空機の性能performance影響affectingを及ぼす要素several elements重要性importanceの説明
    • 臨界critical発動機engine推力損失loss of power操縦性controlの説明
「飛行原理-片発不作動」の合格基準
  1. 最良best性能performanceを発揮するため、効力の減少reducing drag作動エンジンoperative engine側への適切properlyバンクbanking重要性importanceについて説明explainする。
  2. 推奨速度recommended airspeed設定establishingすることとそれを維持maintainingすることの重要性importance説明explainする。
  3. 適切proper機首pitch位置バンクbankを入れた姿勢attitudes操縦controls調和coordinationトリムtrim使用use維持maintainingすることの重要性importanceについて説明explainする。
  4. 臨界critical発動機engine意味meaningするところ説明explainする。
  5. 最小操縦速度(VMC)に影響affectingする要素factorsについて説明explainする。
  6. 意図的な片発不作動速度(VSSE)について説明explainする。
  7. 次の各形態configurationsにおける片発不作動one engine inoperative使用可能available性能performanceについて説明explainする。
    • ギアlanding gear展張extension
    • フラップflaps展張extension
    • ギアlanding gearフラップflaps両方both展張extension
    • 不作動エンジンinoperative engineウィンドミルwindmilling状態プロペラpropeller
  8. 検定で使用する機体で片発不作動one-engine inoperative時に着陸復行overshootを実施しなくてはならない場合の形態configuration速度airspeed飛行諸元flight profileについて説明explainする。

1D 重量平衡と負荷(地上課目)

1D 重量平衡と負荷Weight and Balance, Loading(地上課目Ground Item)
「重量平衡と負荷」の目的

検定で使用する機体に関する重量平衡weight and balance計算calculation正しくcorrectly実施completeすること。

「重量平衡と負荷」の概要
  • 検定で使用する機体の実際actual重量weight公式approved重量平衡weight and balanceデータdataを用いて、離陸take-off重量weight着陸landing重量weightzero燃料fuel重量weightを含むほぼすべての座席passenger荷物区画baggage stations割り当てassignedられた実用上practical負荷loadに関する精確accurate算出computationsを実施
  • その機体で使用可能available負荷loadingに関する性能表graphコンピューターがあれば使用可utilized
  • 重量平衡weight and balance性能表graphs包囲線図envelopesに関する知識Knowledgeと、重心位置center of gravity変化various飛行特性flight characteristicsに与える影響effectについて示すdemonstrated
  • 重心位置center of gravity制限範囲外out of limitsであったり、総重量gross weight超過exceededしている場合の修正要領how to correctについて、実用上practical知識knowledge示すdemonstrate
「重量平衡と負荷」の合格基準
  1. 指定された負荷loadを搭載した場合にも、離陸take-off重量着陸landing重量zero燃料fuel重量weights重心位置center of gravity locations制限範囲内within permissible limitsにあることを判断determineする。
  2. 重心位置center of gravity location制限範囲外out of limitsにある場合、重量制限weight limit超過exceededしている場合の修正要領how to correctに関する実用上practical知識knowledge示すdemonstrate
  3. 重心位置の変化various center of gravity locations飛行特性flight characteristicsに与える影響effectについて説明explainする。

1E 飛行前点検(飛行課目扱い)

1E 飛行前点検Pre-Flight Inspection(飛行課目Air Item扱い)
「飛行前点検」の目的
  • POH/AFMにしたがって、航空機が予定intendedされた飛行を実施できるreadyことが確認できる機内外点検internal and external checksをよく整理されsystematicallyた要領で実施determineすること。
  • 異常irregularities発見foundされた場合の対処法how to deal withに関する知識knowledge示すdemonstrateこと。
「飛行前点検」の概要
  • 予定intendedする飛行ができるready状態にあるのかどうかを確認determine
  • 搭載すべき機器equipment書類documentsが所定の場所に搭載locatedされており、飛行前pre-flight点検inspectionで確認できる限り、機体が耐空性airworthyを有していることを確認confirmed
  • 燃料量fuel quantity燃料規格roper grade of fuel燃料fuel混濁度contamination潤滑油量oil levelsについて、POH/AFMにしたがい目視Visual点検checks実施carried out
    • 航空機の設計design上、POH/AFMに燃料量fuel levels目視visual点検checkを実施する要領が示されていない場合には、燃料fuel搭載票chits搭載記録fuel logsやその他の信用credibleに足る要領proceduresをもって実際の搭載onboard燃料量amount of fuelを確認
  • 飛行前pre-flight点検inspection終了後、検定官により検定flight testに使用する機体に関する質問questions実施be asked
    • 飛行前点検時に不具合事項unsatisfactory item発見detectedされた場合、どのような対処actionを行うべきかについて説明explain
    • そうした事項consequencesが発見されなかったundetected場合には、その後consequencesに起きる事項に関する知識knowledgeを示す
  • 口頭で搭乗者passengerに対する安全safetyブリーフィングbriefingを実施
    • これを省略omitsした場合、検定官examinerが実施するように受検者に促すask
「飛行前点検」の合格基準
  1. 少なくとも航空機の製造社manufacturerまたは所有者owner列挙listedする事項itemsを含んで、順序orderly立った手順procedureで航空機を点検inspectする。
  2. 各種スイッチswitchesサーキットブレイカーcircuit breakers / fuses予備spareフューズfuses識別identifyし、日中day夜間nightいずれにも適切に使用可能pertinentであることを確認verifyする。
  3. 予定intendedの飛行に十分sufficient燃料fuel潤滑油oilを搭載していること、緊急対処contingencies要領必要required予備reserves燃料確認confirmする。
  4. 機体が安全safe飛行flight実施しうる状態conditionにあることを確認verifyする。
  5. 検定官examinerにより指摘describedもしく発見detectedされた不具合unsatisfactory事項itemに対する適切appropriate対処action要領示すdescribe
  6. 荷物baggage搭載機器required equipment搭載位置location安全性security確認verifyする。
  7. 飛行に使用する物件material機器equipment使用可能readily availableになるように整理organizeしておく。
  8. 次の各事項を含む効果的effective安全safetyブリーフィングbriefing搭乗者passengerに対して行うperform
安全ブリーフィングに含むべき内容
  1. ドアdoor使用operation安全性securityについて
  2. シートseatベルトbeltsショルダーshoulderハーネスharnesses使用法useについて
  3. 非常emergency出口exits緊急位置発信機emergency locator transmitter(ELT)、消火器fire extinguisher位置location使用法useについて
  4. 喫煙smokingに関する制限limitations
  5. 緊急着陸emergency landingの際にとるべき行動actionについて
  6. 航空機からの脱出evacuationに関する搭乗者passenger考慮considerationsすべき事項について
  7. 検定に使用する航空機特有specific事項items
  8. 緊急時emergencyに関するその他other事項items

1F エンジン始動/試運転/チェックリストの使用

1F エンジン始動/試運転/チェックリストの使用Engine Starting, Run-up and Use of Checklists
「エンジン始動/試運転/チェックリストの使用」の目的

POH/AFMにしたがいエンジンengine始動start暖機運転warm-up試運転run-upシステムsystem点検checksを行って飛行できるreadiness状態にあることを判断determineすること。

「エンジン始動/試運転/チェックリストの使用」の概要
  • 航空機の製造社manufacturerまたは所有者ownerが示すチェックリストchecklists使用use
  • エンジンengine始動starting暖機運転warm-up試運転run-up機体aeroplaneシステムsystems点検checksについて推奨recommendedする手順を用いて、機体が耐空性airworthyを有し飛行できるready for flight状態にあることを判断determine
  • 外部電源external power source使用useした方法や、あらゆる状況various atmospheric conditions下に適応した方法を含む、推奨されるエンジンengine始動starting手順proceduresについて実用的practical知識knowledge示すdemonstrate
  • 誤ったincorrect手順エンジン始動を実施した場合の影響effectsについても示す
  • 検定官により確認encounteredまたは指摘specifiedされた不具合事項unsatisfactoryについて、とるべき適切appropriate対処actionについて実用的practical知識knowledge示すdemonstrate
「エンジン始動/試運転/チェックリストの使用」の合格基準
  1. エンジン始動前または始動中に、周囲の人や物other persons and propertyに対する配慮awareness示すdemonstrate
  2. 航空機の製造社manufacturer/所有者ownerが示す適切appropriateチェックリストchecklist使用useする。
  3. 誤ったincorrect手順によってエンジン始動starting proceduresをした場合の影響effectsに関する知識knowledgeを示す。
  4. 推奨recommendedされるエンジン始動starting手順procedures知識knowledgeについて示すdemonstrate
  5. 推奨手順recommendedによりエンジン始動starting procedures完了accomplishする。
  6. 周囲に物がなくclean航空機移動できる適したsuitableエリアにおいて、試運転run-upによる点検checks行うconduct。 
  7. エンジンと機体に関する各種点検system checks精確accurately完了completeする。
  8. 操縦系統flight controls自由freedom動くoperationこと正しいcorrect動きmovementをすることを確認checkする。
  9. 実際に発生した不具合事項unsatisfactory conditionsに対し、適切appropriate対処actionを行う。
  10. 検定官に指摘specifiedされた不具合事項unsatisfactory conditionsに対し、どのように対処how to dealするかについて実用的practical知識knowledge示すdemonstrate
  11. 飛行検定中に使用する無線航法機器radio navigation aids使用可能serviceableな状態であることを確認determineする。

適切appropriateチェックリストchecklist使用しないFailure場合は、この課目は不合格failureとなる。

課目2:航空機システム付属装置の操作

2 航空機システム付属装置の操作Ancillary Controls/Operation of Aircraft Systems
「航空機システム付属装置の操作」の目的

選択selectedされたシステムsystemsに関する実用的practical知識knowledgeを示し、POH/AFMにしたがって航空機のシステムsystems操作すること。

「航空機システム付属装置の操作」の概要

検定で使用する機体に搭載installedされるシステムsystems運用法operationに関する実用的practical知識knowledgeを示し、POH/AFMにしたがって機体aeroplaneシステムsystems操作operate

「航空機システム付属装置の操作」の合格基準

POH/AFMにしたがって機体に搭載されたシステム適切applicableに運用できることを示し、次に示すうち検定官が指示する3つ機器の操作法について説明explainする。

説明する付属装置の操作法(3つ)
  1. 主操縦装置primary flight controls/トリムtrim system
  2. キャブレターcarburetorヒートheat/代替空調alternate air装置
  3. カウルcowlフラップflaps
  4. ミクスチャーmixture
  5. プロペラpropeller
  6. 燃料fuel系統/潤滑油oil系統systems
  7. 燃料fuel噴射injection系統system
  8. 過給機turbo-charger
  9. 作動油hydraulic系統system
  10. 電気electrical系統system
  11. フラップflaps
  12. 降着landing装置gear(ギア)
  13. ブレーキbrakes
  14. 航法機器avionics suite
  15. 自動操縦auto-pilot装置
  16. プロペラpropeller同調装置synchrophaser
  17. ピトー静圧系統pitot-static system/吸気vacuum圧力系統pressure system/関連associated飛行flight計器instruments
  18. 暖房heater/空調environmental系統systems
  19. 防除氷系統de-icing and anti-icing
  20. 検定に使用する機体に関するその他other系統system

課目3:地上滑走(タクシー)

3 地上滑走Taxing(タクシー)
「地上滑走」の目的

他機に対し不必要unnecessary干渉interferenceをすることなくavoid航空機を安全safely地上で操作manoeuvreすること。

「地上滑走」の概要
  • 検定中に特に指示requiredされない限り、駐機場から使用する滑走路runwayの間、機体を地上滑走taxi
  • 他機trafficの状況が許せば、誘導路taxiway中心線centerlinesに沿って実施taxi
  • タクシーtaxiing中に飛行計器flight instruments作動functioning確認を実施
    • 計器の点検checks省略omitした場合には、検定官が離陸の前prior to taking offに実施を促す
「地上滑走」の合格基準
  1. ブレーキbrake点検check行うperform
  2. 出力装置power controls操縦装置flight controlsブレーキbrakes適切appropriately使用useする。
  3. 適切appropriateタクシーtaxiing速度speedsを用いる。
  4. 駐機場移動エリアにいる他機traffic配慮consideringしつつ、安全safely機体を移動させる。
  5. 飛行場の方針directives手順procedures航空交通業務Air Traffic Services (ATS)許可clearances指示instructionsしたがうadhere
  6. 飛行場にある誘導路taxiway滑走路runway標識signsマーキングmarkings灯火lighting識別identify正しくcorrectly読み取るinterpret
  7. 飛行計器flight instruments正しくproper作動functioningすることを確認confirmする。
  8. 着陸後、滑走路や誘導路エリアをクリアclear適しsuitable駐機場parking給油refuelingエリアまでタクシーtaxiする。
  9. 付近の人や物persons or propertyの安全に配慮consideringしつつ、航空機を正しくcorrectlyかつ適切appropriately停止parkさせる。

課目4:離陸/場周飛行/着陸

4A 離陸

4A 離陸Takeoff
「離陸」の目的
  • 実際actualwind状況conditions滑走路runway表面surface滑走路lengthに応じた正しいcorrect手法technique手順procedureを用いて安全safely離陸できること。
  • ウィンドwindシアshear後方wake乱気流turbulenceなどのさらなるfurther状況conditions可能性possibilityについても評価assessできること。
「離陸」の概要
  • 通常normal離陸takeoff実施demonstrate
  • 可能であれば、横風demonstrate状況conditions下での離陸takeoffを実施
  • 離陸に先立ち、コックピットでの良好better連携co-ordinationを実現するため、機長PIC要務を行うrole-playing受検者が搭乗者に対し、離陸takeoff最初initial上昇climb時の手順procedures使用速度speedsに関するブリーフィングcrew briefingを実施
    • 実際actualエンジンengine故障failureが発生した場合の内容を含む

ガストgusty横風crosswindが吹いている状況で推奨速度recommended speeds変動variationさせなくてはならない必要性necessityについて説明explainできるようにしておく。

「離陸」の合格基準
  1. 搭乗者passengerに対する効果的effective安全safety確認review行うperform
  2. 適切な離陸前pre-takeoffチェックリストchecklists行うcomplete
  3. 実際のなどの状況conditionに応じて操縦装置flight controlsの使用飛行形態configureの設定を行う。
  4. 離陸take-off滑走開始位置positionまでタクシーtaxiして進入し、機体を滑走路runway中心線centerlineアラインalignさせる。
  5. スロットルthrottles円滑smoothly離陸take-off出力powerまで進めるadvance
  6. 離陸take-off出力power出ているachievedかを確認confirmする。
  7. 離陸take-of滑走run中、滑走路runway中心線centerlineに沿った円滑smooth操作control維持maintainする。
  8. 推奨速度recommended airspeed引き起こしrotate操作を行う。
  9. 推奨上昇速度recommended climb speed+10kt~-5ktまで増速accelerateし、その速度を維持maintainする。
  10. 正のpositive上昇率rate of climb確認established後またはPOHで示されるタイミングでlanding gear格納retractする。
  11. 安全safe高度heightで必要に応じフラップflaps格納retractする。
  12. 安全safe運動manoeuvring高度heightに達するまで離陸take-off出力power維持maintainし、その後に上昇climb出力power(±0.5” MP/±50RPM)に設定setする。
  13. 左右プロペラpropellers同調synchronizeさせる。
  14. 偏流drift修正eliminateし、滑走路runway中心線centerlineとその延長線extended上に沿った航跡trackを飛行する。
  15. 騒音noise低減abatement方式proceduresがあればそれにしたがう。
  16. 適切な離陸後after-takeoff各種点検checks実施completeする。

4B 場周飛行

4B 場周飛行Circuit
「場周飛行」の目的

飛行場aerodrome周辺vicinityの空域において機体を安全safeかつ一定の精度内degree of accuracy運航operateさせること。

「場周飛行」の概要
  • 使用する飛行場aerodromeにおける出発departure会合joiningを含む正しい場周circuit飛行要領proceduresを実施
  • 他機と間隔separation維持maintainingしつつ、ATFやMF手順procedures管制許可clearances/管制指示instructionsにしたがう
「場周飛行」の合格基準
  1. 実際actual管制許可clearances管制指示instructionsにしたがう。
  2. 場周経路circuit進入entry要領出発departure要領にしたがう。
  3. 既定established場周経路circuit patternsにしたがう。
  4. 他機との間隔separation修正correctしつつ精確accurate場周circuit経路を維持する。
  5. 実航跡ground trackを適切に維持maintainするために偏流修正を行うcorrect for wind drift
  6. 使用中の滑走路runwayに対して常に注意向けるoriented
  7. 場周飛行高度circuit altitude±100 ftと宣言した適切な速度appropriate airspeed±10kt維持maintainする。
  8. 適切appropriate点検checks完了completeする。
  9. その時に有効effectになる必要な手順proceduresにしたがうこと。

離着陸中during takeoffs and landingsに使用する滑走路runway横方向位置lateral positioning精度accuracyは、次の基準criteria評価assessedされる。

離着陸中の滑走路内横方向精度

「4」機体胴体fuselage中心線centerline維持remains over
「3」主翼wingの位置が中心線centerline上を維持remains over
「2」翼端wing tip中心線centerlineを超えるほどに逸脱drifts
「1」機体の縦軸longitudinal axis中心線centerlineから滑走路幅の半分以上more than halfwayを超えるほどに逸脱drifts

4C 進入と着陸

4C 進入と着陸Approach and Landing
「進入と着陸」の目的
  • 実際のwind状況condition滑走路長に対応した正しいcorrect手順procedure手法techniqueを用いて、安定stabilizedした進入approach着陸land安全safelyに実施できる適したsuitable接地点touchdown point選定selectすること。
  • ウィンドwindシアshear後方wake乱気流turbulenceのようなさらなる状況の発生の可能性possibilityについても評価assessすること。
「進入と着陸」の概要
  • 適切appropriate滑走路runwayに向けて安定stableした進入approach着陸landing示すdemonstrate
  • 可能であれば、横風の状況下で実施
  • 実際actua状況conditionsに対応した受検者が適切に進入要領approach profile選定selectできるかによって、進入approaches着陸landingsに関する評価assessmentを実施

ガストgusty横風crosswindが吹いている状況で推奨速度recommended speeds変動variationさせなくてはならない必要性necessityについて説明explainできるようにしておく。

「進入と着陸」の合格基準
  1. 搭乗者passengerに対する効果的effective安全safety確認reviewを行う。
  2. 適切appropriate着陸前pre-landing点検checksを実施する。
  3. wind着陸表面landing surface障害物obstructions状況conditions考慮considerする。
  4. 適切suitable接地点touchdown point選定selectする。
  5. 推奨されrecommended進入approach着陸landing時の形態configuratio確立establishする。
  6. ファイナルfinalにおいては滑走路runway中心線centerlineの飛行を維持maintainする。
  7. VFRでの安定stabilizedした進入approachに関する一般事項Generic Descriptionにしたがい、+10kt~-5ktの範囲内での安定stabilizedした進入approach維持maintainする。
  8. 進入approach着陸landingを通して、横風crosswindに対する修正correctionを行い、方向管制directional control維持maintainする。
  9. 着陸前引き起こしflare接地touchdownには、円滑smooth適時timely正しいcorrect操作controlを行う。
  10. 機体ごとに推奨recommendedされる姿勢attitude接地touch downする。
  11. その時の状況に応じて、最小minimum安全safe速度airspeed円滑smoothlyに特定の接地点touchdown point+300ft~-100ftの範囲内に接地touch downする。
  12. 滑走路runway中心線centerlineに機体の縦軸longitudinal axisをしっかりアラインalignedさせて接地touch downする。
  13. 前脚nose wheelの滑走路接地contact制御controlする。
  14. ロックlockup滑りskiddingのないように必要に応じてブレーキbrakes使用applyする。
  15. 適切appropriate点検checks完了completeする。

課目5:巡航飛行

5 巡航飛行Cruising Flight
「巡航飛行」の目的

POH/AFMにしたがい、課目1B事前算出した出力設定巡航飛行させること。

「巡航飛行」の概要

POH/AFMの性能表performance chartsや機体に掲示されるプラカードplacardsまたは製造社manufacturerが定めるその他の手段meansに基づいて事前にpre-planned算出した出力power設定settings巡航飛行cruising flight

「巡航飛行」の合格基準
  1. 指定assigned針路heading±10°と指定高度altitude±100ft維持maintainすること。
  2. スロットルthrottlesプロペラpropellerミクスチャーmixtureをPOH/AFMにしたがって事前計画pre-plannedした出力power設定setする。
  3. 左右プロペラpropellers同調synchronizeさせる。
  4. 機体の形態configurationやその他の考慮事項considerationsごとに製造社manufacturerが定める追加additional推奨要領measures recommended適用applyする。
  5. 巡航性能cruise performanceを確認し、ETA燃料量修正revisionなどにより予想性能expected performance変化variancesがあった場合には、それに適切に対応できる意思決定decision-makingを行う。
  6. 適切appropriate点検checksを行う。

課目6:エンジン故障(巡航中)と片発運用での飛行

6 エンジン故障Engine Failure(巡航中Cruise Flight)と片発運用での飛行Manoeuvring with One Engine Inoperative
「エンジン故障(巡航中)と片発運用での飛行」の目的

巡航飛行中エンジンengine故障failureが発生した後にも機体の制御control維持maintainすることができ、片発が不作動engine inoperativeの機体においても飛行できることを示すdetermineこと。

「エンジン故障(巡航中)と片発運用での飛行」の概要
  • 運用安全高度operationally safe altitudeまたは製造社manufacturerによる推奨recommended最小高度minimum heightいずれか高いwhichever is higher高度において、水平直線飛行straight and level flight水平飛行level flight水平旋回level turn実施中に検定官が片発an engine不作動failure想定simulateを付与
  • 水平旋回中during a turnにこの想定failure付与occursされた場合には、操縦control立て直しgainingメモリーmemory緊急処置emergency対処drillを完了した後にafter指定針路まで引き続きcontinue旋回turn
  • 機体aeroplane制御control故障failedエンジンengine特定identify原因cause確認checks想定simulateプロペラpropellerフェザリングfeathering適切なappropriateチェックリストchecklistにしたがって故障failedエンジンengine停止shutting down
  • 不作動inoperativeエンジンengine使用せずaway from指示specificされた針路headingsまで旋回turnを継続し、30°を超えない適切なバンク角を使用しつつ指定assigned高度altitudesまで上昇climbまたは降下descendを行ったのちに水平直線飛行straight and level flight維持maintain
  • 巡航中cruising flightのこうした不具合failureに対処するための良好good意思決定decision-making実施demonstrate

6A 機体制御

6A 機体制御Aeroplane Control
「機体制御」の合格基準
  1. 機体を制御controlする。
  2. 方向管制を行って指定針路directional control維持maintainする、もしくは機体の制御を回復gainingしたらすぐに指定assigned針路heading±20°まで30°を超えないバンク角angles of bankを用いて旋回を継続maintainする。
  3. 出力power controls設定setし、ギアgearフラップflaps upを上げ巡航形態cruise configuration確認confirmし、不作動inoperativeエンジンengine識別identify確認verifyする。
  4. 最良best性能performanceを発揮するため、作動operatingエンジンengine側へのバンクbank確立establishする。
  5. 出力power回復restoreさせるための適切appropriate対処actionを行う。
  6. プロペラpropellerフェザリングfeather故障failedエンジンengine停止shut downするための想定の対処actionを行う。
  7. 機体をしっかりとトリtrimさせる。
  8. 推奨速度recommended airspeeds±10kt維持maintainする。
  9. 指定高度assigned altitudes±100ft維持maintainする。

6B コックピット点検

6B コックピット点検Cockpit Checks
「コックピット点検」の合格基準
  1. エンジンengine故障failure時の重要vital点検事項action checksメモリーmemory実施completeする。
  2. 想定エンジンengine故障failure原因possible cause特定determine努めるattempt
  3. 飛行中のエンジン故障時の緊急emergencyチェックリストchecklistにしたがってすべてall対処actionsを行う。
  4. 故障エンジンaffected engine再始動restarting蓋然性feasibilityについて判断し、必要であれば再始動restart手順proceduresにしたがって実施する。
  5. 再始動が不適であれば、緊急emergencyチェックリストchecklistにしたがってエンジン停止shut-down点検checksとその他の必要な点検を行う。
  6. 作動エンジンoperating engineモニターし、制限内within limitationsで運用できるように適切appropriate対処actionを行う。
  7. 故障failureに対する一連の流れconsequencesの中で、良好good意思決定decision-makingを行うこと。

6C 片発飛行

6C 片発飛行Single-engine Manoeuvring
「片発飛行」の合格基準
  1. 適切な機首pitch位置バンクbank姿勢attitudesを維持する。
  2. 上昇降下climbing/descending指定針路assigned headingsへの旋回turning時に適切な操作controlsトリムtrimを行う。

課目7:低速時の飛行

7 低速時の飛行Manoeuvring at Reduced Airspeed
「低速時の飛行」の目的

最終進入final approach時の速度speed範囲rangeでの飛行時にすべてall形態configurationsにおける安全safe操縦flight control維持maintainingすることで、推力power効力dragなどのエネルギーenergy制御managementする技術skills示すdemonstrateこと。

この課目はスローSlowフライトFlightではないNOT

「低速時の飛行」の概要
  • 運用上operationally安全safe高度altitudeまたは製造社manufacturerが示す推奨recommended最小minimum高度height以上のいずれか高いwhichever is higher高度で開始
    • 機体を1.3 VSO KIASまたはVMC+10ktのいずれか大きいgreater速度で安定stabilize
    • 偏向deflectionを増やすためにギアgearフラップlanding flapを展張してこの減速reduced時の飛行を維持maintaining
  • 低温時はcolder temperatures初期initial進入approach時のフラップflapとして最大maximum半分one-half展張extensionし、指定速度まで減速slowingして安定stabilizingさせることにより、エンジンへの逆効果adverse effects低減reduceさせる良いgoodエアマンシップairmanship発揮dictate
「低速時の飛行」の合格基準
  1. 良いgood出力管制power management行うdemonstrate
  2. 調和coordinatedのとれた飛行を行うため十分sufficientラダーrudder使用useする。
  3. 選択selected速度airspeed+10kt~-5kt維持maintainする。
  4. 適切appropriateバンク角bank angles使用useする。
  5. 直線飛行straight flight中に指定specified針路heading±10°維持maintainする。
  6. 指定specified高度altitude±100ft維持maintainする。
  • この課目は水平飛行level flightで実施
  • 目標速度target airspeedにおける上昇降下climb or descend不要

課目8A:失速(ストール)

8A 失速Stall(ストール)
失速(ストール)」の目的

クリーンclean形態configurationでの実際actual失速stall認識recognizし、そこから迎え角angle of attackを減少させて安全safely円滑smoothlyかつ正しくcorrectly回復recoverし、通常飛行normal flight復帰returningすること。

「失速(ストール)」の概要
  • 回復recoveryが可能な対地2,000ft以上または製造社manufacturerが示す最小minimum高度heightのいずれか高い運用上operationally安全safe高度altitudeで、allエンジンengines出力powerアイドルat or near idle付近として、クリーンclean形態configuration水平直線飛行straight and level flightから失速stall開始entered
  • 失速に入ったことを認識recognizeしてから、迎え角angle of attack減少reducingにより実際actual失速stall状態からの復帰操作を開始し、通常飛行normal flight復帰returnする

POH/AFMで意図的intentional失速stalls推奨されないavoidedもしくは禁止prohibitedされている場合は、最初first失速stall兆候indicationが表れた際に回復recoverを実施

「失速(ストール)」の合格基準
  1. 失速stall近づくapproachingに、適切appropriate安全safety事前注意precautions完了completeする。
  2. 指定specified形態configuration確立establishする。
  3. 失速stall近づくinduceような姿勢attitude円滑smoothly移行transitionする。
  4. 失速警報stall warning最初first空力バフェットaerodynamic buffeting操縦効果control effectiveness低減decayの体感をもって、失速stall認識recognize宣言announceする。
  5. 失速stallに入れる。
  6. 迅速な迎え角angle of attack減少reducingにより失速stall状態から回復breakさせ、翼を水平leveling the wingsに戻すという正しいcorrect手順sequenceによる適切な操作円滑smoothly回復recoverする。
  7. 二次失速secondary stallに入れず、高度損失loss of altitude最小化minimizeするために出力powerを使用する。
  8. 検定官が指示specifiedする高度altitude針路heading速度airspeed復帰returnするための姿勢attitudeを確立する。

課目8B:失速への接近

8B 失速への接近Approach to Stall
「失速への接近」の目的

着陸形態landing configurationにおける失速stallへの接近approach認識recognizeし、そこから迎え角angle of attack減少reducingにより安全safely円滑smoothlyかつ正しくcorrectly回復recoverし、通常飛行normal flight復帰returningすること。

「失速への接近」の概要
  • 回復recoveryが可能な対地2,000ft以上または製造社manufacturerが示す最小minimum高度heightのいずれか高い方の運用上operationally安全safe高度altitudeで、allエンジンenginesの出力アイドルat or near idle付近として、着陸形態landing configuration水平直線飛行straight and level flightから失速stallへの接近approachedを開始
  • 失速stall最初first兆候indicationの発生で認識recognizeをしてから、失速“STALL”」を宣言announce
  • 迎え角angle of attack減少reducingにより円滑smoothly回復recoverし、高度損失loss of altitude最小化minimizeするため加速accelerating
「失速への接近」の合格基準
  1. 失速stall近づくapproaching前に、適切appropriate安全safety事前注意precautions完了completeする。
  2. ギアlanding gearフラップfull flap最大に展張extendedし、着陸形態landing configuration確立establishする。
  3. 失速stall近づくinduce姿勢attitude円滑smoothly移行transitionする。
  4. 失速警報warning horn最初の空力バフェットbuffet操縦効果control effectiveness低減decayingの体感などの最初first兆候indicationの発生をもって、失速“STALL”」を認識recognize宣言announceする。
  5. 失速stall入れないavoid enteringようにする。
  6. 迎え角angle of attack減少reducingさせる正しいproper手順sequenceによる操作で、最初first兆候indicationの発生の時点で、迅速promptlyかつ円滑smoothly回復recoverする。
  7. 方向管制directional control維持maintainする。
  8. 二次失速secondary stall入れずavoid高度損失loss of altitude最小化minimizeするために出力powerを使用する。
  9. 推奨されrecommendedる要領で、フラップflaps格納retractする。
  10. 正のpositive上昇率rate of climbを確立後、またはマニュアルにしたがいギアlanding gear格納retractする。
  11. 検定官が指定specifieする高度altitude針路heading速度airspeed復帰returnする。

課目9:急旋回(スティープターン)

9 急旋回Steep Turn(スティープターン)
「急旋回(スティープターン)」の目的

水平level調和coordinatedのとれた急旋回steep turnを実施すること。

「急旋回(スティープターン)」の概要
  • 運用上operationally安全safe高度altitudeで、バンク角angle of bank45°180°スティープsteepターンturnを行い、途中で止まることなくwithout pause反転reverseして開始original針路headingロールrollアウトout
  • 旋回開始前prior to enteringに検定官が選定selected高度altitude開始initial針路heading速度airspeedを指示
「急旋回(スティープターン)」の合格基準
  1. 効果的effective見張りlookout継続maintainする。
  2. 円滑smoothかつ調和coordinatedのとれたピッチpitchバンクbank出力管制power controlを使用してロールイン/ロールアウトする。
  3. 指定specified高度altitude±100ft指定assigned速度airspeed±10kt維持maintainする。
  4. 安定stabilizedした旋回を確立している間バンク角bank angle45°(±5º)維持maintainする。
  5. 180°旋回終了後反転reverseして逆方向opposite directionで同様の旋回を実施する。
  6. 逆方向reversal headingの旋回からロールアウトし、開始entry針路heading±10ºに向首する。
  7. 外のoutside視認visual目標references計器instrument指示indicationsとを適切に注意分配divide attentionする。

課目10:復行時のエンジン故障

10 復行時のエンジン故障Engine Failure during Overshoot
「復行時のエンジン故障」の目的

離陸takeoffまたは復行overshoot時のエンジン故障後にも安全safe操縦control維持maintainし、適切appropriate緊急処置emergency actionsを実施すること。

「復行時のエンジン故障」の概要
  • 進入approach降下descent安定stabilizedした後に、検定官が着陸復行overshoot指示し、離陸take-off出力powerまでの出力が増加increasedし、landing gearまたはフラップflaps格納retractsしたらすぐに検定官がスロットルone throttle/power leverアイドルidle/flight idleまで絞り想定simulate片発故障failure of an engineを模擬
  • 適切proper手順sequence操縦controlし、重要vital処置actions行いperform安全safe復行go-aroundのための片発最良上昇率速度best single-engine rate of climb speed確立establish
  • 受検者がプロペラpropeller想定simulatedフェザリングfeatheringしたらすぐに、検定官は想定simulated不作動inoperativeエンジンengineゼロ推力zero-thrustとする

10A 機体制御

10A 機体制御Aeroplane Control
「機体制御」の合格基準
  1. 1発oneエンジンengine推力を損失lost poweしたことを迅速promptly認識recognizeする。
  2. 機体を制御controlする。
  3. 操縦control適切proper手順sequence行いapplication出力管制power controls効力低減reduce dragを行う。
  4. 不作動のエンジンinoperative engine識別identifyし、確認verifyする。
  5. 推奨性能best performanceを発揮するため作動エンジンoperating engineバンクbankを取る。
  6. 方向管制directional control指定assigned針路heading±20°以内維持maintainする。
  7. 可能であれば、正のpositive上昇率rate of clim維持する。
  8. 片発不作動one engine inoperative時の最良best上昇率rate-of-climb速度speed(VYSE)+10kt~-5ktまで、障害物obstacleとの間隔clearanceを維持する必要がある場合には、片発one engine不作動inoperative時の最良best上昇角angle-of-climb速度speed(VXSE)+10kt~-5ktまで加速accelerateしそれを維持maintainする。
  9. 必要に応じ機体をトリムtrimさせる。
  10. 特定specified高度altitudeまで着陸復行overshoot継続continueする。

10B コックピット点検

10B コックピット点検Cockpit Checks
「コックピット点検」の合格基準
  1. 必要necessary操縦controls系統の操作スイッチswitches操作を行い、離陸Takeoff時/復行Overshoot時のエンジンEngine故障Failure緊急手順emergency proceduresチェックリストchecklistにしたがって、緊急手順emergency procedures完了completeさせる。
    • エンジンengine故障failure時の重要vital対処action項目checksメモリーmemory完了completeする。
    • 緊急手順emergencyチェックリストchecklistにしたがって緊急処置emergency drill完了completeする。
    • 適切な緊急手順emergencyチェックリストchecklistにしたがいエンジンengine停止shutdown点検checksその他other必要necessary点検checks完了completeする。
  2. 作動エンジンoperating engineモニターmonitoし、運転parameters制限内within limitations維持keepするように適切なappropriate対処actionを行う。

課目11A:予防エンジン停止

11A 予防エンジン停止Precautionary Engine Shutdown
「予防エンジン停止」の目的
  • エンジンの予防precautionary停止shutdown必要性need確認confirmすること。
  • 意図的intentiona想定simulatingエンジン停止shutdown手順procedure完了completeすること。
「予防エンジン停止」の概要
  • エンジンの予防停止precautionary engine shutdown必要requiresとなるような、重大major潤滑油oil漏洩leak機械的mechanical不具合problemなどの検定官examinerにより付与presentedされるシナリオscenario対応respond
  • 受検者により、エンジン停止shutting down想定simulate実施し、適切なチェックリストchecklist(s)を完了
  • 検定官は、受検者が当該エンジンのプロペラpropeller想定simulatedフェザリングfeatheringにしたところで、検定官は想定の不作動inoperativeエンジンengineゼロ推力zero-thrustとする
  • 近隣nearest適切なappropriate飛行場airport探すfind、管制官に状況を伝えるadvise等の次に行うsubsequentべき対処actionについて受検者は説明describe
「予防エンジン停止」の合格基準
  1. 検定官に示されpresented状況situation分析analyzeする。
  2. 適切な緊急手順emergencyチェックリストchecklistにしたがって必要necessaryなすべての点検checks完了completingすることにより、エンジンの停止shutting down手順procedure想定simulateで完了する。
  3. 高度altitude±100ft維持maintainする。
  4. 針路heading±20°維持maintainする。
  5. 推奨recommended速度airspeed+10kt~-5kt維持maintainする。
  6. エンジンengine停止shutdown関連するcascade機器system不作動failuresなどの可能性possibleに関する理解understanding示すdemonstrate
  7. エンジンを再始動re-startedすべきかどうかについて判断determineし、理由reason説明explainする。
  8. エンジン故障failure引き続くconsequences事態を考慮する際に良いgood意思決定decision-making示すdemonstrateこと。

課目11B:到着/進入と着陸-片発不作動

11B 到着/進入と着陸Arrival, Approach and Landing片発不作動One Engine Inoperative
「到着/進入と着陸-片発不作動」の目的

想定simulated片発one engine不作動inoperativeの状態における到着arrival要領procedure進入approach着陸land安全safely飛行flyできること。

「到着/進入と着陸-片発不作動」の概要

POH/AFMの片発進入着陸“Single-Engine Approach and Landing”で示される推奨手順recommended proceduresにしたがい、安全safe到着arrival要領procedure着陸landingを実施

「到着/進入と着陸-片発不作動」の合格基準
  1. 他機other配慮regardした適切appropriate場周経路circuit飛行flyする。
  2. 到着arrival進入approach着陸landing完了completeする。
  3. 適切appropriateチェックリストchecklist(s)完了completeする。
  4. VFRでの安定した進入Stabilized approach – VFR (Generic Description)」に記載される安定stabilizedした進入approach速度+10kt~-5kt継続maintainする。
  5. 通常normal接地帯touchdown zone着陸landする。
  6. 滑走路runway中心線centerline機体の縦軸longitudinal axisをしっかりとアラインalignedして接地touch downする。

課目12:緊急手順/不具合対処

12 緊急手順/不具合対処Emergency Procedures/Malfunctions
「緊急手順/不具合対処」の目的

緊急事態emergenciesシステムsystem機器equipment不具合malfunctions迅速promptlyかつ正しくcorrectly対応reactできること。

「緊急手順/不具合対処」の概要
  • 緊急emergency手順procedures異常abnormal事態conditionsに関する実用的practical知識knowledgeを示す
  • 想定Simulated緊急事態emergencies不具合malfunctions検定のいかなるany portionタイミングでも起こり得る
  • 重要Vital対応action操作メモリーmemoryで実施し、その後に適切な緊急emergencyチェックリストchecklist実施carried out by
「緊急手順/不具合対処」の合格基準
  • 実際/想定simulated or real状況situations分析analyzeを行う。
  • 適切appropriate対応action操作を行う。
  • 次に示す項目のうち3つ緊急emergencyチェックリストchecklistsまたは手順proceduresを適切に実施する。
実施する緊急手順(3つ)
  1. 出力の一部損失partial power loss
  2. エンジン不調rough engine operation/過熱overheat
  3. 過給機turbocharger故障failure
  4. プロペラpropeller過回転over-speed
  5. エンジンengine火災fire
  6. 油圧低下loss of oil pressure
  7. 燃料欠乏fuel starvation
  8. ブーストポンプ故障boost pump failure
  9. クロスフィードcross-feed
  10. 電気火災electrical fire
  11. 吸気システム故障vacuum system failure
  12. 電気系統electrical不具合malfunctions
  13. 着陸装置landing gear不具合malfunctions
  14. ブレーキbrake故障failure/固着seizure
  15. フラップflap故障failure
  16. 暖房heater過熱overheat
  17. 上空でのドア開放door opening in flight
  18. 緊急emergency降下descent
  19. 機体固有のunique to the aeroplane flownその他のany other緊急事態emergency
  • 上記の緊急処置/不具合対処のうち1つ上空でin flight実施することが求められているものの、機体の性能performanc天候状況weather conditionsその他の状況に鑑みて上空でin flight実施するのか、地上でon the groundエンジン運転中runningの実施に代えるのかは検定官examiner責任responsibility
  • エンジンengines停止shutdownであれば、いくつかの項目items検定可能
  • 課目2の「付属装置Ancillary操作Controls」で検討discussedしなかった項目systems選択chosen
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