航空関連書類用冊子(ADB)について
カナダで航空関係の許可証や免許証を保有するすべてのパイロットは、必ず航空関連書類用冊子(ADB)を所持していなければなりません。
カナダにおいて、初めて許可証または免許証を申請する場合、同時にADBも申請する必要があります。
ADBは、24ページで構成され、いくつかのセクションに分かれています。
所有者のライセンス情報、ADBに関連する法的文書および略語が含まれています。
所有者の免許証と許可証、技量記録、航空身体適性に関する情報がそれぞれ3つのセクションで明示されています。
ADBには、その有効期間中の許可証や免許証や資格の更新情報、航空身体適性の有効期限について記載されています。
ページ構成
ADBのページ構成
- 表紙裏:航空法上のADBの位置づけの説明
- 1ページ目:パスポート部分(氏名/性別/生年月日/国籍/発行機関/発行日/発行期限)
- 2ページ目:パスポート部分裏面の説明、署名欄
- 3~4ページ目:免許(LicenseとPermit)記載欄(4ヵ所分)
- 5~12ページ目:免許更新情報貼り付け欄(16ヵ所分)
- 13~14ページ目:免許情報一覧記載欄
- 15ページ目:航空身体検査説明
- 16~24ページ名:航空身体適性更新情報貼り付け欄、更新情報追記欄(5ヵ所分)
- 裏表紙:免許略語等の一覧
パスポート部分のページ
免許記載欄
航空身体適性欄
情報を追加するときはどうする?
資格(Rating)を新規で取得したり、PPLからCPLにアップグレードした場合など、ADBに情報を追加する場合は、まずTCに申請を行います。
申請が受理されると、ステッカーが郵送されるので、これを追記ページに貼り付けていくようになります。
初回申請時の情報はADBに印字されています。
申請に関する一般事項
誰が申請する?
免許を保有するパイロット全員が申請して保有します。
ただし、仮免許的な位置付けの学生操縦許可証(SPP)については、顔写真もつかない臨時の紙の許可証が即日で発行されるので、ADBの申請はこの時点では不要ですし、できません。
いつ申請する?
一般的な流れで免許を取得する多くの学生を例にとると、申請するタイミングは、自家用操縦士免許(PPL)の飛行検定に無事合格した後に、フライトログの整理など必要な準備を整え、免許を申請する際に同時にADBの発行を申請することになります。
写真の準備
証明写真を準備しよう
パスポート用サイズ「横50mm×縦70mm」で、
顔のサイズが31mm~36mmの長さになるもの1枚が必要になります。
カナダと日本のパスポート写真サイズの違いについて
日本では「横35mm×縦45mm」の企画ですが、カナダでは「横50mm×縦70mm」と一回り大きいサイズが採用されており、両者の共用はできませんので、注意が必要です。
カナダの証明写真提出にはいろいろな規則があり、日本よりも厳しくなっています。
裏面にスタジオ名と住所がスタンプもしくは手書きされていなければ無効です。
自分で撮ったり、自分で印刷した写真は使えませんので、必ず申請の12ヵ月以内に専門店で写真を撮ってもらう必要があります。
はっきりした写真である必要があり、どんな場合でも提出したものの変更はできません。ただ、写真店さんで撮ってもらえば彼らはプロですし、要領や求められる品質についてよく理解していますので、まず間違いはありません。
写真に関する詳細規則
写真に関する詳細規則
- 必要枚数:申請用紙1枚に付き1枚が必要になります。
- 撮影者:商業用カメラマンによる撮影のみ有効です。
- 撮影日:提出日から12ヵ月以内に撮影したもののみ有効です。
- 写真サイズ:横50mm(2インチ)×縦70mm(2¾インチ)のパスポートサイズ
- 顔のサイズ:顎先から頭頂部まで31mm(1¼インチ)から36mm(1 7/16インチ)
写真裏面の記載事項と注意点
スタンプまたは手書きで次の事項が示されること。
裏面必要記載事項
- 写真スタジオの名前と住所
- 撮影した日付(印刷した日付ではない)
- 粘着式の写真は不可
- 申請者の名前と、確認者または認定者の宣言と署名を滲みなく行うための十分なスペースが必要
- 高品質の写真用紙で印刷すること
写真撮影時の注意事項
- はっきりとして焦点が合っているオリジナルの写真であること。
- 既存の写真を撮影したものなどは不可。
- カラーでも白黒でも両方可。
- 中立的な表情とすること。
- 目ははっきりと見えるように開け、口は閉じ、笑わないこと。
- 処方された着色のものを含む眼鏡の着用は可であるが、目がはっきりと見えるようにして反射がないようにすること。
- サングラスの着用や、目が赤く光ってしまっている写真は不可。
- 帽子は被るべきではないものの、医療上や宗教上の理由により日常使用している場合にはこの限りではない。
- 顔のすべてがはっきり見え、影が入らないように努めること。
- 髪を降ろすことは可。
- 影が入ったものは不可となるため、照明は必要。フラッシュの反射に注意。
- 顔と肩を正面に向け、カメラの枠に収まり真っすぐの向きで撮影すること。
- 無地の白色または淡色の背景で、顔と背景の境界が明確になること。
自然な肌の色となるように撮影すること。
使用できない写真
- 上記で示した条件で撮影ができていない、または暗すぎたり明るすぎたりぼやけているなど証明写真として不明確となるものについては使用できない。
- また、修正が行われたり写真がめくれてしまっているもの、感熱式の写真や集合写真の一部のようなものは却下される。
パスポート写真撮影時の注意事項
どこで撮ってもらえる?
LONDON DRUGSが対応しています。
パスポートサイズの写真が欲しいというと、その場で写真を撮ってもらえました。
撮影時間30秒、現像時間5分ぐらいです。もちろん、写真の撮り方や裏面の記載の仕方などはこちらからとやかくお願いすることもなくやってくれます。
こんな感じの簡易的な撮影スペースで、椅子に座ると店員さんが一眼レフを持ってきてささっと撮って終了。
現像写真は2枚もらえて、税込み16.79ドルでした。(14.99ドル+TAX1.80ドル)
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