カナダでの医療保険制度について
カナダにおける公衆衛生保険 (医療保険) の制度は州ごとに定められています。
BC州の場合は、MSPと呼ばれる制度を設定しています。カナダの連邦法である医療処置保護法に基づき、ビザを保有して一時滞在する者は留学生なども含めて全員が加入しなければならない皆保険制度です。
BC州のMSPでは、健康保険料は基本的に無料、受診や医療処置に関する費用も基本的に無料です。
ただし、おおまかには歯科と眼科など一部の医療が対象外となっており、また保険料の徴収についても、現在は外国からの留学生だけが有料支払い対象となっていて、月額75ドルに設定されています。
大半の必要な医療を無料で受けられるので、75ドルだとしても日本の健康保険と比べると料金設定としては良心的だと個人的に思います。
MSPとは
Medical Services Planの略称で、BC州の公衆衛生局が運営する医療管理システムです。
保険適用開始日は、カナダ入国より3ヵ月後からになります。すなわち、物理的にカナダにいることが条件になってきます。
おそらく、病気などを持っていることを承知している人が、カナダでの医療サービスを受ける目的で入国したり、子どもに国籍を与えるために出産を目的として入国するといった、本来の目的外の保険適用を避けるための方法だと個人的に思っています。
カナダに入国してからの3ヵ月間はこの医療保険制度が適用されませんので、それまでは民間の保険などに加入しておき、事故や病気などに備えるべきだと考えています。
加入義務となる対象者の定義は
学生ビザや就労ビザで滞在する外国人も、ビザが6ヵ月以上の期間で発行されている場合に州の「居住者」という扱いになり、加入対象者となります。
一方で、一時滞在者の中でも最大6ヵ月となる観光ビザでの滞在者は加入の義務も権利もありません。
MSPの申請にかかる事前準備
申請のタイミングを確認する
到着後すぐに申請を行うことが求められています。
実際に保険適用が開始されるのは、到着から3ヵ月後からですが、申請自体はその前に行うことが出来ます。
申請方法を決める
MSPの申請は、郵送またはオンライン上で行うことが出来ます。
郵送での申請は、郵送費用が掛かり、郵便物の紛失の可能性などもあることから書留にして送る必要があること、発送から到着まで物理的なタイムラグが生じることから、15分程度で完了するオンライン申請の方が断然便利だと個人的に筆者は考えています。
データを準備する
ウェブサイトの記載では、たった15分で終わるということが謳われています。
事前にデータをパソコンなりタブレットにフォルダなどを作って保存しておいて、申請画面で求められた際にすぐに取り出せるようにしておくのが効果的です。
指定されたインターネットブラウザを準備する
インターネットを利用するブラウザには指定があります。
実際に申請を行う
申請は、次のような手順で行われます。
1. 申請要件を満たしているかを確認する
初めに、そもそも申請できる要件を満たしているのかを確認します。
もし、既にMSPの適用下にある状況で、BCサービスカードの更新通知書を受け取っている場合には、新規でMSPの申し込みを再度行う必要はありませんので、単純に更新を行ってください。
NOを選択すると、MSPの申請要件をクリアしないため、BC州の健康補選事務局のオフィスに直接連絡してくださいねという表示になります。
申請後の6ヵ月の間にBC州から1ヵ月以上離れる予定がある人が近親者にでもいる場合には、申請が出来ないようになっています。
この項目に該当者があると、個別の相談と手続きが必要とされるようです。
2. 個人に関する情報を入力する
申請者本人について
実際にMSPへの加入後は、申請者本人がアカウントの保有者となり、いかなる変更が生じた場合にも手続きを行う責任が生じます。
選択したステータスを証明する書類をアップロードします。
就労許可での一時滞在であれば、就労許可証、学生許可であれば学生許可証になります。
鮮明である限り、しっかりとスキャンした資料でなくて写真でも大丈夫と書いてありました。
本人の情報を入力後、配偶者と子どもの情報も入力します。
3~5. 連絡先情報の入力/入力内容の確認/承認を確認
連絡先となる住所と電話番号を記載します。
入力内容に誤りがないことを確認し、送信を行い、承認を受けたことを確認します。
申込番号 (Reference #) を控えて終了となります。
申請のその後
申請完了の通知の受領
オンラインでの申請を行った約2ヶ月後に、「MSP Account Information」というタイトルでのレターをBC州公衆衛生局から郵送で受け取りました。
内容は、アカウント保持者となる申請者の申請を問題なく受理しましたというものです。
また、適用開始日が入国後3ヵ月目となる初日であることと、適用終了日がビザの期限の日Þなっていることが明記されていました。
保険料の支払いに関する通知の受領
僕は外国人留学生というステータスでBC州に滞在しているので、このMSPのサービスを受けるにあたって、毎月75ドルの保険料 (Health Fee) の支払いが必要になります。
適用が開始された月の月末付けの請求書がまた改めて郵送されてきて、その中で支払い方法が明記されていました。
実は初回から自動引き落としで設定をしておきたかったのですが、どうやら初回だけはこの郵送での「Health Fee Invoice」を受け取る必要があるようです。
理由は、自動引き落としにかかるアカウント番号 (下図①の「X34012345678」などの番号) がここで記載されていることが初めて分かるからです。
この請求書の裏面には、払い込みのオプションが示されているので、僕はここでのオンラインバンキングというサービスを選択して、自動引き落としを設定しました。
毎月月末頃に自動引き落としされ、翌月初めごろに領収書がオンライン上で閲覧できるようなサービスです。